PS2エミュ向けオープンソース代替BIOS『OpenPS2BIOS 0.2』が公開!『グランツーリスモ4』の起動も改善

PS2エミュ向けオープンソース代替BIOS『OpenPS2BIOS 0.2』が公開!『グランツーリスモ4』の起動も改善

PlayStation 2(PS2)向けのオープンソース代替BIOS「OpenPS2BIOS」が登場しました。開発を手掛けるTamariba Devsは、2026年10月16日に初版となるバージョン0.1を公開。翌17日には、『グランツーリスモ4』の起動処理を改善したバージョン0.2をリリースしています。

本プロジェクトで目指しているのは、ソニー製のBIOSを使用せずに、PS2エミュレーターでゲームを起動できるようにすることです。現時点では実験的な段階ですが、人気エミュレーター「PCSX2」を使った動作検証も進められています。

●OpenPS2BIOS — GitHub公式リポジトリ
https://github.com/TamaribaEmu/OpenPS2BIOS

●OpenPS2BIOS — Releases
https://github.com/TamaribaEmu/OpenPS2BIOS/releases

PS2の純正BIOSに代わるオープンソースの選択肢

通常、PCSX2でPS2のゲームをプレイするためには、実機から吸い出したBIOSが必要になります。エミュレーター本体はオープンソースで開発されているものの、BIOSについてはソニーが権利を持つソフトウェアであるため、PCSX2には同梱されていません。

そこで新たな選択肢として登場したのが、今回のOpenPS2BIOSです。

こちらは、PS2の起動に必要なEE(Emotion Engine)とIOP(I/O Processor)のカーネルなどを独自に実装したもので、オリジナルの起動画面も用意されています。開発元によると、ソニー製のファームウェアは含まれておらず、MITライセンスのもとでソースコードが公開されています。

GitHubでは、ビルド済みの4MiBのBIOSイメージも配布されています。PCSX2などのエミュレーターで、このファイルをBIOSとして指定して利用する仕組みです。

ただし、PCSX2の公式プロジェクトがOpenPS2BIOSへの正式対応を発表したわけではありません。あくまでも独立したプロジェクトによる実験的な代替BIOSという位置付けです。

38件のゲーム・ディスクが互換性リストに掲載

現在、OpenPS2BIOSのGitHubにはゲームの互換性リストが公開されています。こちらには38件のゲームやディスクが登録されており、『ファイナルファンタジーX インターナショナル』『ペルソナ3』『キングダム ハーツII ファイナル ミックス+』『ワンダと巨像』などが含まれています。

ただし、現時点でリストに掲載されているのは、基本的にメインメニューまでの到達が確認されたものです。ゲームプレイ中の動作やコントローラーの入力、サウンド、セーブ機能などについては、十分な検証が行われているわけではありません。

また、10月17日に公開されたバージョン0.2では、『グランツーリスモ4』の起動処理が改善されています。

具体的には、IOPのモジュールを起動する際の優先順位を修正することで、初期化が正常に進まなくなる問題に対処しています。開発元によると、米国版『グランツーリスモ4』をPCSX2 2.9.94で検証したところ、通常起動と高速起動の両方でメモリーカードの確認画面まで到達したとのことです。

もっとも、こちらも実際のゲームプレイまで正常に動作することが確認されたわけではありません。

まだ制限は多いものの、今後の開発に期待

OpenPS2BIOSには、現時点でいくつかの制限があります。

たとえば、PS2のシステムメニューやメモリーカードブラウザー、時計や言語などの設定機能は実装されていません。また、初代PlayStationのディスクや音楽CD、DVDビデオの起動にも対応していません。

さらに、ゲーム側が要求する一部のシステム機能についても未実装のものがあり、すべてのPS2タイトルを起動できるわけではありません。

なお、OpenPS2BIOSはエミュレーター専用として開発されています。実機に必要なハードウェアの初期化処理などは実装されていないため、PS2本体への書き込みやインストールは行わないよう、開発元が警告しています。

開発手法については、公開されているハードウェア資料やPS2SDK、PCSX2のソースコードなどを参考にした独自実装であり、厳密な意味でのクリーンルーム開発とは説明できないことも明記されています。

まだ実用性の面では課題が残されていますが、ソニー製BIOSを使用せずにPS2ゲームを起動するという試みそのものは興味深いところです。今後、対応タイトルや各種機能がどこまで拡充されていくのか、注目したいプロジェクトのひとつです。

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