PSP版『GTA: Vice City Stories』のApple Silicon Mac向けネイティブ版がv1.0.1に! 60fps固定&描画距離8倍、GPU/CPUも高速化

PSP版『GTA: Vice City Stories』のApple Silicon Mac向けネイティブ版がv1.0.1に! 60fps固定&描画距離8倍、GPU/CPUも高速化

OverkillLabsは2026年9月16日、PSP版『Grand Theft Auto: Vice City Stories』をApple Silicon搭載Macで動作させる非公式プロジェクト「PSPRecomp-MacOS」の最新版となる「VCSNative macOS v1.0.1 Beta」を公開しました。

今回のバージョンでは、GPUのレンダリング処理やゲームロジックの高速化に加えて、フレームレートを60fpsに固定。さらにワールドの描画距離が8倍に拡大されるなど、9月15日に公開された初版のv1.0.0 Betaから、わずか1日ほどで大幅なアップデートが行われています。

●PSPRecomp-MacOS Releases(GitHub)
https://github.com/OverkillLabs/PSPRecomp-MacOS/releases

PSPのゲームをApple Silicon向けに再コンパイルしてネイティブ実行

「PSPRecomp-MacOS」は、Jessica Natalia氏が開発する「PSPRecomp」をベースに、OverkillLabsがApple Silicon搭載Macへ移植した非公式プロジェクトです。

PSPRecompは一般的なPSPエミュレーターとは仕組みが異なり、PSPで採用されているAllegrex/MIPS向けの実行コードを解析してC++のコードへ変換し、ホスト側のネイティブランタイムで実行する「Static Recompilation(静的再コンパイル)」方式を採用しています。インタープリターやJITでPSPのCPUをその都度エミュレーションするのではなく、あらかじめネイティブ環境向けのコードへ変換して実行する仕組みです。

現在PSPRecompで実際に動作する最初のゲームプロファイルとして用意されているのが、『Grand Theft Auto: Vice City Stories』です。

元のPSPRecompではWindowsとDirectX 12向けに作られていましたが、PSPRecomp-MacOSではグラフィックス部分をVulkan/MoltenVKへ変更。Apple Silicon向けのARMネイティブビルドとして動作するようになっています。

v1.0.1ではGPUとCPUの両面を高速化。60fps固定にも対応

9月16日に公開されたv1.0.1 Betaでは、パフォーマンス面を中心に多数の改善が加えられています。

GPU側ではレンダーループ内のバッチ処理やステート変更をまとめることで処理を効率化。Apple Silicon向けに「memoryless/tile-resident depth buffer」も採用されています。

さらに大きな変更となっているのが、画面表示までの経路です。これまでCPUへ描画結果を読み戻し、SDLを経由して画面へ表示していた方式に代わり、Vulkanのswapchainを利用したネイティブな表示経路が標準になりました。GPUで処理した映像をCPUへ戻してから表示する必要がなくなったことで、描画処理の効率化が図られています。

CPU側でもゲームロジックを処理するインタープリターの最適化レベルが従来の「-O2」から「-O3」へ変更されたほか、頂点変換処理にはARMのSIMD命令であるNEONを利用した高速化が導入されています。

加えて、今回のバージョンからフレームレートは60fpsに固定されています。

描画距離は8倍に。BloomやFXAAなどのグラフィックス設定も追加

パフォーマンス以外にも、ゲームの見た目を改善する機能が追加されています。

特に大きいのが描画距離の変更で、「World draw distance」は従来の8倍まで拡大。車両や歩行者についても、ワールドほどではないものの描画距離が拡大されています。PSP向けに作られたオリジナル版よりも遠くまで街並みを表示できるようになった形です。

さらに新たなグラフィックスオプションとして、Bloom、FXAA、色調を変更する「Vice Neon」プリセット、テクスチャーシャープニングなども追加されています。これらは初期状態ではオフになっており、付属する「VCSLauncher.app」から設定できます。

macOS 13以降とM1以降のApple Silicon Macが必要

動作環境はmacOS 13以降で、M1以降のApple Siliconを搭載したMacが必要です。

配布ファイルには『Grand Theft Auto: Vice City Stories』本体のゲームデータは含まれていません。利用する場合は、自分で合法的に入手したPSP版のゲームデータを用意する必要があります。PSPRecomp自体にもEBOOTを復号する機能は含まれていません。

また、現時点ではBeta版であり、「GPU hardware transform」については正常に動作していません。v1.0.1では初期設定でオフに変更されていますが、開発者もレンダリング上の問題が発生するため使用しないよう注意しています。

もちろんRockstar Gamesによる公式移植ではなく、あくまでも有志による非公式プロジェクトです。

PSP向けとして発売された『GTA: Vice City Stories』をApple Silicon向けに再コンパイルし、ARMネイティブで動かすというだけでもユニークな取り組みですが、v1.0.1ではGPUやCPUの高速化から60fps化、描画距離の拡大まで一気に手が加えられています。まだBeta段階ではあるものの、今後どこまでPSP版をMac向けに拡張していけるのかも気になるところです。

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