PS Vitaでセガのアーケードゲームが楽しめる!「ST-V」など174ROMセットに対応したエミュレーター「ReST-V」が公開

PS Vitaでセガのアーケードゲームが楽しめる!「ST-V」など174ROMセットに対応したエミュレーター「ReST-V」が公開

開発者のReyanon氏が2026年10月17日、PS Vita/PS TV向けのアーケードエミュレーター「ReST-V v0.1.267」をプレリリースとして公開しました。

本ツールは、セガのアーケード基板「ST-V」「System C」「System C2」に対応した非公式Homebrewです。セガサターンと関係の深いST-V基板だけでなく、メガドライブ系の技術をベースにした別世代のアーケード基板にも対応しており、合計174ROMセットを対象としています。

対応するゲームのROMデータなどを別途用意することで、かつてゲームセンターで稼働していたセガのアーケード作品をPS Vita上で楽しむことを目指しています。

●GitHub – ReST-V v0.1.267(ダウンロードページ)
https://github.com/Reyanon/ReST-V/releases/tag/v0.1.267

●GitHub – Reyanon/ReST-V(公式README・対応作品一覧)
https://github.com/Reyanon/ReST-V

セガサターンと関係の深いアーケード基板「ST-V」に対応!

今回公開された「ReST-V」の大きな特徴が、セガのアーケード基板「ST-V」に対応していることです。

ST-Vは「Sega Titan Video」の略称で、家庭用ゲーム機のセガサターンと共通する技術を採用した業務用アーケード基板です。ふたつのSH-2 CPUやVDP1/VDP2と呼ばれる描画チップなど、ハードウェア構成に多くの共通点があります。ただし、セガサターンそのものとは異なる基板であり、ReST-Vもセガサターン用ゲーム全般を動かすエミュレーターというわけではありません。

公式の対応作品一覧には、パズルゲームの『ばくばくアニマル』をはじめ、横スクロールシューティングの『コットン2』や『コットンブーメラン』、『ダイナマイト刑事』などが掲載されています。これらの作品は、現時点のリストでは「Playable(プレイ可能)」に分類されています。

ST-Vのエミュレーションには、既存のセガサターン用エミュレーター「Yabause/YabaSanshiro」や「Kronos」の技術を活用。さらに、PS VitaのGPUを利用してVDP1/VDP2の描画処理を行うなど、携帯機のハードウェアに合わせた最適化も施されています。

開発者はフレームスキップを使用せず、安定した60fpsとクリアな音声を実現することを目標に掲げています。ただし、現時点ですべてのゲームが60fpsで動作するわけではなく、タイトルによってパフォーマンスには違いがあります。

System C/C2にも対応! 合計174ROMセットを対象

「ReST-V」は、ST-Vだけでなく、セガのアーケード基板「System C」と「System C2」にも対応しています。

こちらは、メガドライブでも採用されていた68000系CPUなどをベースにした、ST-Vとは異なる世代のアーケード基板です。ReST-Vでは専用の68000系CPUエミュレーションコアを使用することで、これらのゲームにも対応しています。

公式READMEによると、対象となるROMセットの内訳は、ST-Vが117セット、System Cが10セット、System C2が47セットの合計174セットです。ただし、この数字には地域違いやバージョン違いなども含まれており、174種類の異なるゲームが遊べるという意味ではありません。

System C/C2の対応リストには、『コラムス』『コラムスII』『ぷよぷよ』『ぷよぷよ通』『タントアール』『イチダントアール』『サンダーフォースAC』などが掲載されています。これらも公式一覧では「Playable」に分類されています。

このように、セガサターンと関係の深いST-Vから、メガドライブ系の技術を活用したSystem C/C2まで、異なる世代のアーケード基板をひとつのツールで扱えるところが、ReST-Vの面白いポイントです。

セーブステートや連射、画面フィルターなども搭載

「ReST-V」には、ゲームを遊びやすくするための便利な機能も用意されています。

セーブステートは10個のスロットに対応しているほか、クイックセーブ機能も搭載。また、ボタンの割り当て変更や連射設定、アナログスティックをレバーとして利用する機能なども備えています。

画面表示についても、アスペクト比の変更やフィルター、スキャンライン表示に対応。画面の周囲に枠画像を表示するといったカスタマイズも可能です。

さらに、ゲームごとに操作設定や画面設定を保存できるほか、お気に入り登録機能も搭載しています。ゲーム一覧は基板別に切り替えられるため、複数のアーケード基板に対応していても作品を探しやすい構成です。

アーケードゲームを携帯機で遊ぶ際に便利な機能が、ひと通りそろっているのも魅力といえるでしょう。

導入にはHomebrew環境やROMデータ、BIOSなどが必要

「ReST-V v0.1.267」は、GitHubのリリースページからダウンロードできます。配布されているZIPファイルにはVPK形式のインストール用ファイルが含まれており、PS Vita側でVitaShellを利用してインストールする仕組みです。

ただし、導入にはHomebrewを実行できるPS Vita/PS TVの環境が必要です。また、GPUを利用した描画処理には、ur0:data/external/libshacccg.suprxというファイルも必要になります。

ゲームのROMデータは、基本的にux0:data/restv/roms/フォルダーに配置します。MAME互換のROMセットを使用する構成になっており、ST-Vのゲームを動かす場合には、別途BIOSセットのstvbios.zipも必要です。

なお、配布ファイルにはROMデータやBIOS、ゲームのアートワークなどは含まれていません。これらは利用者が権利関係に注意しながら、適法に用意する必要があります。

また、今回公開されたものは、あくまでもプレリリース版です。公式の対応作品一覧でも、動作状況は「Playable」「Partial」「Not working」の3段階に分類されています。『Astra SuperStars』のように、現時点では動作しないとされている作品もあるため、注意が必要です。

作品別に掲載されているフレームレートについても、実際に計測された数値と、同じ基板で動作する別の作品から推定された数値が混在しています。導入を検討している人は、事前に公式READMEの対応状況を確認しておくといいでしょう。

「ReST-V」はセガや各ゲームの権利者による公式エミュレーターではありませんが、セガの異なる世代のアーケード基板をPS Vita上で再現しようとする興味深いプロジェクトです。今後の開発によって、対応作品の動作状況やパフォーマンスがどこまで改善されるのかにも注目したいところです。

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