かつてMicrosoftが発売していた携帯音楽プレーヤー「Zune HD」で、なんとNINTENDO64の名作『スーパーマリオ64』を動かすプロジェクトが登場しました。
これは開発者のrsheldiii氏が手掛ける「sm64-zune」という非公式プロジェクトで、GitHub上でソースコードや導入手順が公開されています。海外の技術系メディアHackadayでも、2026年10月9日に紹介され話題となっています。
●sm64-zune(GitHub・開発者公式リポジトリ)
https://github.com/rsheldiii/sm64-zune
音楽プレーヤーで『スーパーマリオ64』がほぼフルスピードで動作!
今回『スーパーマリオ64』が移植された「Zune HD」は、Microsoftが2009年に発売した携帯音楽プレーヤーです。当時はAppleのiPodなどと競合する製品として登場しましたが、ゲーム機として設計されたものではありません。
そんなZune HDで『スーパーマリオ64』を動かすために開発されたのが「sm64-zune」です。
本プロジェクトは、『スーパーマリオ64』をさまざまな環境で動作させるための移植プロジェクト「sm64ex」をベースにしています。

開発者によれば、Zune HD上ではおおむねフルスピードで動作しており、ゲーム中の音声再生やセーブ機能にも対応しているとのことです。
また、Zune HDに搭載されたタッチスクリーンを利用した操作も可能です。ゲーム画面に仮想コントローラーを重ねて表示する仕組みで、ボタンの表示スタイルや透明度を変更することもできます。
さらに、処理が追いつかない場面では描画フレームをスキップする設定も用意されています。もっとも、これらは開発者による動作報告であり、すべての場面で常にフルスピードを維持できるというわけではありません。
技術面でも工夫が凝らされています。Zune HDのグラフィックスドライバーはシェーダーをコンパイルできないため、NVIDIAのTegra向けツールを利用して事前にシェーダーをコンパイルすることで対応しています。

実機への導入手順も公開! ただしLinux環境などが必要
このプロジェクトで興味深いのは、単に動作する様子を動画で公開しているだけではなく、Zune HDの実機で動かすためのビルド・インストール手順もGitHub上で公開されていることです。
ただし、一般的なアプリのようにファイルをダウンロードするだけで遊べるわけではありません。
導入するには、Zune HD本体とUSBケーブルに加えて、x86-64のLinux環境やDocker、Gitなどが必要です。また、作業用に約6GBの空き容量と、初回ビルド時にはインターネット接続も求められます。

ゲームデータについても、米国版『スーパーマリオ64』の正規カートリッジから自身で取得したROMデータを用意する必要があります。
GitHubのリポジトリにはゲーム本体のデータや、完成済みのゲーム実行ファイルは含まれていません。ユーザー自身が用意したROMデータを使用してビルドし、生成したファイルをUSB経由でZune HDへ導入する仕組みです。
なお、現時点で開発者が動作を検証しているのは、ファームウェア4.5を搭載したZune HDのみです。初代Zuneを含むほかのモデルで動作するとは限らないため、注意が必要です。
また、Microsoftや任天堂が公式にサポートするものではなく、導入や使用は自己責任となります。
今回のプロジェクトが最初に公開された正確な日時は確認できていませんが、2026年10月9日にHackadayで取り上げられたことで、改めて注目を集めています。
現在のスマートフォンなら『スーパーマリオ64』を動かすこと自体はそれほど珍しくありません。しかし、2009年に登場した携帯音楽プレーヤーで動作させるというのは、また違った面白さがあります。
かつて音楽を楽しむために使われていた小さな端末が、時を経てNINTENDO64のゲームを動かすマシンになるという、レトロハードの可能性を感じさせる取り組みといえそうです。
via.Hackaday















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