『バンジョーとカズーイ』の原点? Rare幻のSNES『Project Dream』プロトタイプとされるデータが約30年越しに出現

『バンジョーとカズーイ』の原点? Rare幻のSNES『Project Dream』プロトタイプとされるデータが約30年越しに出現

Rareが1990年代にスーパーファミコン向けに開発していた未発売作品『Project Dream』。その「proof-of-concept alpha(概念実証用アルファ版)」とされるデータが、2026年9月9日にインターネット上で公開された。『Project Dream』はその後、開発ハードやゲーム内容を大きく変えながら、最終的にNINTENDO64の『バンジョーとカズーイ』へと発展していったことで知られる幻のタイトルだ。

今回公開されたデータについて、RareやMicrosoftによる正式な真贋判定は現時点で確認されていない。一方で、Rare作品の音楽を手掛けてきたGrant Kirkhope氏やDavid Wise氏が内容を確認し、いずれも「本物に見える」との趣旨の反応を示している。約30年前の開発途中のゲームが、実際に動かせる形で姿を現した可能性があるとして注目を集めている。

スーパーファミコン向けRPGとして始まった『Project Dream』

『Project Dream』は、『Dream: Land of Giants』とも呼ばれていたRareのRPGプロジェクトだ。開発がスタートしたのは1990年代半ばで、当初はスーパーファミコン向けタイトルとして制作されていた。主人公は「Edson」という少年で、Captain Blackeye率いる海賊たちとの戦いなどが構想されていたという。

グラフィックには『スーパードンキーコング』シリーズでRareが培ったプリレンダリング技術を発展させた表現が採用され、画面は見下ろし型に近い構成となっていた。しかし、Rareが目指していたゲームの規模はスーパーファミコンでは実現が難しくなり、開発はNINTENDO64へと移行する。その後もゲーム内容は何度も変更され、主人公もEdsonからウサギ、さらにクマのBanjoへと変化していった。

最終的にはRPGという構想そのものが廃止され、Banjoを主人公に据えた3Dプラットフォームゲームへと方向転換。こうして誕生したのが、1998年にNINTENDO64で発売された『バンジョーとカズーイ』だった。つまり『Project Dream』は、ゲーム内容こそ大きく異なるものの、同作へとつながる源流のひとつというわけだ。

これまで映像でしか見られなかったものが、実際に動かせる可能性

『Project Dream』そのものは、今回初めて存在が明らかになった作品ではない。Rareは過去にも映像や開発資料を公開しており、2015年発売の『Rare Replay』関連コンテンツなどでも開発中の様子が紹介されていた。今回大きく異なるのは、それまで映像や資料として知られていたスーパーファミコン版について、実際に動作させられるプロトタイプとされるデータが外部に公開された点だ。

Games That Weren’tによると、公開されたアーカイブには元データとされる「.bin」ファイルなどが含まれている。VGCでは、非常に初期のテストビルドであるためゲームとしてできることは限定的ながら、画面内を移動したり剣で敵を攻撃したりすることが可能で、2P側のコントローラーで敵を操作することもできると報じている。完成したゲームを遊べるものではなく、Rareがスーパーファミコン上でどのような表現やゲームシステムを模索していたのかを確認するための開発資料に近いものといえそうだ。

元Rare作曲家も「本物に見える」と反応

もっとも、今回公開されたデータがRare社内で制作された当時のものなのかについては、慎重に見る必要がある。公開した人物は匿名で、データを入手した詳しい経緯についても明かしていない。そのためRareやMicrosoftなど権利者側から正式な確認が出ない限り、「本物のProject Dreamプロトタイプ」と断定することはできない。

その一方で、元Rareの作曲家Grant Kirkhope氏は公開物について「本物に見える」と反応し、David Wise氏にも意見を求めている。Wise氏も同様に「本物に見える」との見解を示しており、Kirkhope氏によればスーパーファミコン版で使用されている音楽はWise氏が担当していたという。開発当時を知る人物からこうした反応が出ていることは、今回のデータの真正性を考えるうえで大きな材料となりそうだ。

現時点ではあくまで「Project Dreamのスーパーファミコン版プロトタイプとされるデータ」という扱いになるが、もし当時の開発物そのものであれば、Rareのゲーム開発史を知るうえでも非常に価値の高い発見となる。『スーパードンキーコング』で培われた技術が、幻のRPGを経由して『バンジョーとカズーイ』へと変化していった過程を、約30年後の現在になって実際の動作物から確認できる可能性が出てきたのだ。

via.Time ExtensionVGC

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