RetroTINK LLCは2026年10月4日、『RetroTINK-4K Pro』『RetroTINK-4K CE』『RetroTINK-6X CE』向けの実験版ファームウェア「Experimental Firmware Version 1.94.0」を公開しました。
今回のアップデートでは、True VRRそのものに新たに対応したわけではなく、VRR関連の設定項目が整理されています。
これまでHDMIメニューに用意されていた「VRR」は「VRR Format」へと名称が変更され、VRRの信号形式を選択する項目になりました。さらに「Sync Lock」側には新たに「VRR」モードが追加されています。
これにより、「どのVRR信号をディスプレイへ送るのか」と「映像の同期をどの方式で行うのか」が、より明確に分けて設定できるようになりました。
●RetroTINK-4K / 6X Experimental Firmware
https://retrotink-llc.github.io/firmware/4k-experimental.html
●RetroTINK Firmware GitHub(Version 1.94.0追加コミット)
https://github.com/RetroTINK-LLC/firmware/commit/0e7d73b8332e1ea7130f5a3dd1044bd0c21517a8
「VRR Format」と「Sync Lock」の役割が分離
Version 1.94.0では、HDMIメニューの「VRR」が「VRR Format」に変更されています。
ここで選択できるのは「Off」「FreeSync」「VESA」の3種類です。
「VRR Format」は、その名前の通りディスプレイへ送信するVRR信号の形式を指定するための設定です。
一方で「Sync Lock」には、従来の設定に加えて新たに「VRR」モードが追加されました。
つまりVersion 1.94.0以降は、VRR信号の種類を「VRR Format」で選び、実際にTrue VRRによる同期を利用するかどうかを「Sync Lock」側で指定する形になります。
True VRRを使う場合の設定
True VRRを利用したい場合は、「Sync Lock」を「VRR」に設定したうえで、「VRR Format」を使用しているディスプレイが対応する「FreeSync」または「VESA」に設定します。
ディスプレイが選択したVRR Formatに対応している場合は、入力ソースに合わせてフレームを同期するTrue VRRとして動作します。
一方で、選択した形式のVRRが利用できない場合は、Adaptive Triple Buffer相当の動作へ切り替わります。
このとき、True VRRを利用できない理由が「Sync Lock」の欄に表示されるようになったのもVersion 1.94.0のポイントです。
VRRがうまく動作しない場合に、単純に「使えない」で終わるのではなく、設定や接続環境を確認するための手掛かりを得やすくなっています。
従来のVRR信号通知だけを利用することも可能
Version 1.94.0では、従来と同じようにVRRの情報をディスプレイへ通知しつつ、これまで使用していた同期方式を維持することもできます。
公式では、従来の動作を利用したい場合は「VRR Format」を「FreeSync」または「VESA」に設定し、「Sync Lock」については以前使用していた方式を選択するよう案内しています。
たとえば、それまで「Gen Lock」を利用していた場合は、「VRR Format」をFreeSyncまたはVESAに設定しつつ、「Sync Lock」はGen Lockのまま利用する形です。
この場合、VRRの情報はディスプレイへ送られますが、True VRRのようにフレームの長さ自体を変更して入力ソースへ同期する動作にはなりません。
Version 1.94.0では、この「VRR信号を送る設定」と「True VRRで同期する設定」が分離されたことで、以前よりも動作の違いが分かりやすく整理された形です。
True VRR自体はVersion 1.92.0から対応
注意しておきたいのは、True VRRそのものがVersion 1.94.0で初めて追加されたわけではないことです。
True VRRはVersion 1.92.0で追加され、その後Version 1.93.0ではBFI(Black Frame Insertion/黒挿入)との同時利用にも対応しています。
当サイトではVersion 1.93系列のアップデートについて以前紹介していますが、今回のVersion 1.94.0は新しい画質機能を追加するというよりも、True VRRを利用するための設定方法や動作状態を整理したアップデートと考えたほうが分かりやすそうです。
VRRが使えない場合は接続経路にも注意
VRRの動作については、RetroTINK側の設定だけではなく、接続しているテレビやモニター側の設定も影響します。
公式によると、ディスプレイによってはVRRを利用するために複数の設定変更が必要になる場合があります。
また、RetroTINKとディスプレイの間にHDMI切替器やAVアンプなどを接続している場合、それらの機器がVRR信号を通さないこともあります。
そのため「VRR Format」と「Sync Lock」を正しく設定してもTrue VRRにならない場合は、ディスプレイ側のVRR設定や接続経路もあわせて確認したほうがよさそうです。
なお、今回配布されているVersion 1.94.0は、あくまでもExperimental Firmware(実験版)です。公式でも正常な動作は保証されておらず、機能が開発途中である可能性があると注意喚起されています。
安定性を重視する場合は無理に更新せず、利用しているディスプレイや接続機器の対応状況を確認したうえで導入を判断してください。















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