『ポケットモンスター エメラルド』非公式再実装「Gen2Recomped」がAlpha対応。新規プレイのセーブ書き出しも改善

『ポケットモンスター エメラルド』非公式再実装「Gen2Recomped」がAlpha対応。新規プレイのセーブ書き出しも改善

UNDERdecodedが開発する非公式再実装プロジェクト「Gen2Recomped」で、ゲームボーイアドバンス用ソフト『ポケットモンスター エメラルド』への対応が進められています。2026年9月11日にEmerald Alphaを追加するPull Request #47が統合され、その直後に公開されたv0.7.38から実験的なAlpha版として利用できるようになりました。さらに9月12日にはセーブ関連の処理にも手が入り、実機由来のセーブデータを先に読み込んでいない、新規プレイのデータについてもセーブを書き出せるよう改善されています。

●Gen2Recomped v0.7.46
https://github.com/UNDERdecoded/Gen2Recomped/releases/tag/v0.7.46

ゲームボーイアドバンスの『エメラルド』が新たにAlpha対応

Gen2Recompedは、「Gen1Recomp」をベースにUNDERdecoded/UNDERdecodedHDが開発しているLÖVE2D/Luaベースの非公式再実装です。ゲーム機そのものをエミュレーションする方式ではなく、エンジンやスクリプトVM、マップの挙動などをLuaで実装し、利用者が用意したROMからゲームデータやグラフィックを読み出して動かす仕組みになっています。ROM自体は配布物に含まれておらず、利用者自身で用意する必要があります。

今回追加された『ポケットモンスター エメラルド』は、v0.7.46の「GameVersion.lua」で第3世代のタイトルとして登録されており、ROMのインポートが有効化されています。ただし、同時に「experimental」と設定され、状態を示すラベルも「ALPHA」となっているため、現時点では完成版ではありません。開発側のコードコメントでも、実際にプレイしながら未実装部分などが見つかっている段階であることから、BetaではなくAlphaと位置付けたことが説明されています。

対象になっているROMはUSA/Europe版のRev 0で、ゲームコードは「BPEE」です。SHA-1も特定の値に固定されているため、少なくとも現段階では日本語版ROMがそのまま利用できることは確認できません。『エメラルド』ならどのROMでも動くというものではない点には注意が必要です。

新規プレイでもセーブを書き出せるように

Emerald Alpha公開後に行われた大きな変更のひとつが、セーブデータの書き出し処理です。9月12日に反映されたコミットでは、第3世代のセーブ処理が拡張され、元となる実機セーブが存在しない状態からでも必要なデータを構築して書き出せるよう手が加えられています。この変更を含むv0.7.44は、日本時間の9月12日5時35分ごろに公開されました。

コード上では、第3世代用のセーブサイズが128KiBに設定されています。また、実機から読み込んだ既存データが存在しない場合に備え、ポケモンの言語や出身ゲームなどについても『エメラルド』向けの初期値を使用する処理が用意されています。つまり、先にカートリッジ由来のセーブをインポートしておかなければ書き出せないという前提から一歩進み、Gen2Recomped上で最初から始めたプレイにも対応できる形へと処理が拡張されたことになります。

ただし、これは「書き出したセーブを実機へ戻して問題なく利用できること」が確認されたという意味ではありません。当サイトでは実際の実行や通しプレイ、書き出したセーブの実機への復元までは検証しておらず、現段階ではあくまでコード上でセーブを書き出すための処理が実装されたものとして捉えておくのがよさそうです。

WindowsやAndroid、Switchなど複数環境向けに配布

最新確認版となるv0.7.46では、WindowsやmacOS、Linux、Android、iOSのほか、Nintendo Switch、Xbox UWP、Anbernic RG34XXSPなどに向けた配布形式が用意されています。Nintendo Switch版はAtmosphère+hbmenuなどが利用できるHomebrew環境が必要で、Xbox版もDeveloper Mode専用です。また、iOS版についてもApp Storeで配信されているものではなく、IPAファイルをサイドロードして導入する方式となっています。

ただし、これらすべての環境について『ポケットモンスター エメラルド』が問題なく動作することまで確認されたわけではありません。Alphaという位置付けからもわかるように、今後のプレイテストで進行不能や表示上の問題、未実装部分などが見つかる可能性があります。通信交換を含む各種機能についても、現時点で完全な互換性が保証されているわけではありません。

それでも、これまで第1世代・第2世代を中心に展開してきたGen2Recompedにゲームボーイアドバンス世代の『エメラルド』が加わったことは、プロジェクトとして大きな対応範囲の拡大といえそうです。Alpha公開から間もない段階でセーブ処理にも具体的な改善が入っており、今後どこまで実機版に近い形でプレイできるようになるのか、引き続き開発状況を追っていきたいところです。

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