ゲームボーイ向け『ポケットモンスター』シリーズを、Godot 4でネイティブに再実装するプロジェクト「pokerecomp」の最新版「v0.1.30」が、2026年9月8日に公開されました。
今回のアップデートでは、第1世代の『Pokémon Red/Blue/Yellow』への対応が大きく進展。全151種のポケモンの鳴き声に加えて、ゲーム開始時のオーキド博士による説明から主人公の部屋までの流れや、サファリゾーンなどが実装されています。
ただし、現時点では『Red/Blue/Yellow』を実際にゲームとして遊ぶことはできません。リリースノートでも、引き続きインポートと内容確認のみの対応で、Playを選択しても起動できないことが明記されています。
●pokerecomp v0.1.30リリースページ
https://github.com/Decryptu/pokerecomp/releases/tag/v0.1.30
●pokerecomp公式サイト
https://pokerecomp.com/
全151種の鳴き声やゲーム冒頭を実装
「v0.1.30」で大きく進展したのが、第1世代の音声まわりです。『Red/Blue/Yellow』向けの音楽と効果音に対応したほか、全151種のポケモンの鳴き声が実装されました。第2世代用とは別に、第1世代向けのオーディオドライバーが用意されています。
ゲーム開始直後の流れについても実装が進められています。新しくゲームを始めたときのオーキド博士による説明から、主人公とライバルの名前入力を経て、主人公の部屋からゲームが始まるところまでが構築されました。
リリースノートによると、主人公は所持金3000でスタートし、自宅のPCには「POTION」が入っているところまで再現されています。単にROMからグラフィックやデータを読み込めるだけではなく、実際のゲーム進行に必要な世界やイベントの再構築が進んでいることがわかります。
サファリゾーンは一連のゲームシステムまで実装
さらに今回のアップデートでは、サファリゾーンも実装されています。
入口で料金を支払い、サファリボールを30個受け取ってスタート。500歩の制限を数え、終了時にはその場でアナウンスが流れるところまで一連の仕組みが組み込まれています。「エサ」や「いし」による捕獲率や逃走率の変化、『Yellow』に存在する所持金が少ない場合の処理にも対応しています。
このほか、タマムシデパートやシルフカンパニー、ロケット団アジトのエレベーター、姓名判断師によるポケモンの名前変更、戦闘中の「ポケモンのふえ」なども追加されました。
内部的なイベント処理も大きく前進しており、『Red』『Blue』では98個のテーブルから186個の状態処理を読み取れるようになり、そのうち127個が一通り動作する状態になったと説明されています。前バージョンでは118個中65個だったことからも、短期間でかなりの作業が進んでいるようです。
ただし『Red/Blue/Yellow』はまだプレイできない
ここで注意しておきたいのが、これだけ多くの要素が実装されたものの、第1世代の3作品はまだ実際にプレイできる段階ではないということです。
「v0.1.30」のリリースノートには、『Red/Blue/Yellow』は引き続き「import and inspection only」であり、Playを選択した場合は拒否されると明記されています。つまり、ゲームの内部データをインポートして確認することはできますが、通常のゲームとしてカントー地方を冒険することは現時点ではできません。
公式サイトでも、第1世代についてはまだ「NOT PLAYABLE YET」と案内されています。一方、『Gold/Silver/Crystal』の第2世代3作品については、最初から最後までプレイ可能な状態まで開発が進められています。
今回のアップデートは「初代『ポケモン』が遊べるようになった」というものではなく、その前段階としてゲーム世界や各種システムの再構築が急速に進んだアップデートと見るのがよさそうです。
エミュレーターでも静的再コンパイルでもない「pokerecomp」
「pokerecomp」はDecryptu氏が開発を進めている、ゲームボーイ版『ポケットモンスター』シリーズのネイティブ再実装プロジェクトです。
名前には「recomp」と付いていますが、一般的なエミュレーターのようにゲームボーイのハードウェアをソフトウェアで再現しているわけではありません。また、オリジナルのプログラムを現代のプラットフォーム向けに静的再コンパイルしているわけでもなく、ゲームエンジンそのものがGodot 4で新たに書かれています。公式サイトでも「No emulation, no static recompilation, no disassembly」と説明されています。
ゲームデータについては、ユーザー自身が用意したROMをSHA-1で確認したうえで読み取り、必要なデータをローカルキャッシュへ展開する仕組みを採用しています。ROMそのものやゲームデータは配布物には含まれておらず、読み取りが終わったROMは解放されます。
「Gen1Recomp」とは別のプロジェクト
当サイトでは以前、初代『ポケットモンスター』をネイティブ環境で再構築する「Gen1Recomp」についても紹介しましたが、「pokerecomp」とは別のプロジェクトです。
「Gen1Recomp」はゲームエンジンやマップ上の動作をLuaで書き直し、2Dゲームフレームワーク「LÖVE2D」上で実行する仕組みとなっています。こちらもエミュレーターではありませんが、Godot 4で独自のエンジンを構築している「pokerecomp」とは実装方式や開発者が異なります。citeturn111946search0
現時点ではまだ第1世代を遊ぶことはできない「pokerecomp」ですが、今回の「v0.1.30」では音声だけでなくイベントやマップ上の仕組みまで一気に実装が進みました。実際に『Red/Blue/Yellow』を最初からプレイできる段階へ到達するのか、今後のアップデートにも注目したいところです。















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