スマートフォンや携帯ゲーム機でも、かなり幅広い世代のゲーム機をエミュレーションできるようになってきたAndroid。その対象が、いよいよXbox 360世代まで本格的に広がり始めています。
●XenDroid 公式GitHub
https://github.com/rfandango/XenDroid
●XenDroid Releases
https://github.com/rfandango/XenDroid/releases
Android向けXbox 360エミュレーター「XenDroid」を実際の携帯ゲーム機でテストした結果、『Forza Motorsport 2』や『Project Gotham Racing 3』などが、すでにプレイ可能またはほぼプレイ可能なパフォーマンスで動作することが確認されました。
まだ公開から1カ月にも満たない新しいプロジェクトですが、AndroidにおけるXbox 360エミュレーションは想像以上のスピードで進化しているようです。
「Xenia Edge」をベースに作り直されたAndroid向けXbox 360エミュレーター
「XenDroid」は、Android上でXbox 360用ゲームを動作させるために開発されているオープンソースのエミュレーターです。
開発者によると、当初はAndroid向けXbox 360エミュレーター「aX360e」からフォークして開発が始まりました。aX360e自体は、PC向けXbox 360エミュレーター「Xenia Canary」をベースにしたプロジェクトです。
その後XenDroidは大きく方向転換し、「Xenia Edge」をベースに全面的にリベース。さらにAndroid向けとして新たなKotlinバックエンドが追加されています。つまり単純にPC版XeniaをAndroid向けにそのまま移植したものではなく、Android環境で動作させるための独自実装を加えながら開発が続けられているというわけです。
『Forza Motorsport 2』や『PGR3』がすでにプレイ可能なレベルに
海外メディアAndroid Authorityは2026年8月17日、XenDroidを使用した実機テストの結果を公開しました。テストに使用されたのは、Snapdragon G3X Gen 2を搭載したAndroid携帯ゲーム機「AYANEO Pocket S Mini」です。
その結果、
- 『Call of Duty 2』
- 『Project Gotham Racing 3』
- 『Forza Motorsport 2』
といったXbox 360タイトルが、プレイ可能またはほぼプレイ可能なパフォーマンスで動作したとのこと。なかでも興味深いのが、『Project Gotham Racing 3』と『Forza Motorsport 2』というXbox 360初期を代表するレースゲームが含まれているところです。
Android端末の上でXbox 360用ゲームが起動するだけではなく、実際に遊べるところまで来ていることを考えると、この分野の進歩の速さには驚かされます。
もちろん、すべてのXbox 360ゲームが快適に動くわけではない
もっとも、現時点でXbox 360エミュレーションが完成したというわけではありません。同じ環境でテストされたタイトルでも、
- 『Skate 3』
- 『Fable II』
- 『UFC 2010』
などは、動作速度が大幅に低下した状態になり、タイトルによってさまざまなグラフィック上の問題も確認されています。また『Trials HD』では深刻な描画不具合が発生したとのことです。
『Fable II』については、さらに性能の高いハードウェアを使用することで比較的良好に動作する例もあるため、端末の性能やGPUドライバー、設定によって結果が大きく変化する可能性があります。
つまり現状のXenDroidは「Xbox 360のゲームなら何でも快適に遊べる」という段階ではなく、タイトルによっては早くも実用的な速度が出始めていると見るのが正確でしょう。
推奨環境はSnapdragon+Adreno 740以上
XenDroidは、利用するAndroid端末についてもかなり高い性能を要求します。公式GitHubに掲載されているデバイス要件では、
- Snapdragon SoCのGen 2以上
- Adreno 740以上
が指定されています。
Adreno 7xxシリーズでも、より下位のGPUについてはテストされていないとのことです。また、XenDroidではカスタムVulkanドライバーも利用可能です。公式ではWhitebelyashが公開している幅広いGPU向けドライバーと、StevenMXZによるGPUシリーズ別のドライバーが紹介されており、端末に合わせてドライバーを変更できます。
Android Authorityのテストでは、設定にある「Readback Resolve」を無効にすることでパフォーマンスが向上する場合があるとも紹介されています。ただし、この機能を無効にすると正常に描画できなくなるゲームもあるため、タイトルごとの設定調整が必要になります。
Xbox 360本体からファームウェアを用意する必要はなし
導入面では比較的シンプルなのもXenDroidの特徴です。Android Authorityによれば、XenDroidを使用するためにXbox 360本体からファームウェアなどを吸い出す必要はありません。また、AYANEO Pocket S Miniに搭載されている物理コントローラーもそのまま利用できたとのことです。
一方で、現時点ではゲームファイルが入ったフォルダーの下にさらにフォルダーを作った場合、正常に認識されないことがあるようです。XenDroid自体もまだ開発の初期段階にあり、こうした使い勝手に関する部分については今後改善されていくものと思われます。
開発はかなり活発。8月だけでも相次いで更新
XenDroidで注目したいのは、その開発ペースです。GitHubのリリース履歴を見ると、2026年7月末から8月にかけて短い間隔でアップデートが繰り返されています。
8月には、オーディオ関連の修正、ゲーム実行中のAndroid側のプロセス管理改善、Xenia Edgeからの更新取り込み、フォルダーのディープスキャン、画面上のコントローラー表示切り替えなど、さまざまな改良が行われています。
8月14日の更新では、ゲスト側のソケットをデフォルトで許可する変更も追加されました。まだ完成されたエミュレーターではないものの、開発が活発に続いていることから、今後さらに互換性やパフォーマンスが改善される可能性があります。
AndroidエミュレーションはいよいよXbox 360/PS3世代へ
これまでAndroidにおける家庭用ゲーム機のエミュレーションといえば、PlayStation 2やゲームキューブ、Wiiといった世代がひとつの大きな到達点でした。
しかし近年は、Xbox 360やPlayStation 3世代をターゲットにしたAndroid向けエミュレーターが相次いで登場しています。
XenDroidについても現時点では対応タイトルや必要な端末性能に大きな制約がありますが、『Forza Motorsport 2』や『Project Gotham Racing 3』がすでに遊べるレベルで動いているというのは、ひとつの大きな進歩といえそうです。
2005年に発売されたXbox 360のゲームを、小さなAndroid携帯ゲーム機で動かす――。少し前ならかなり無茶に思えた環境が、徐々に現実的なものになりつつあります。今後のアップデートで対応タイトルがどこまで増え、性能面のハードルがどこまで下がっていくのか。XenDroidの進化にも注目していきたいところです。















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