MSX2版『メタルギア』が約39年越しにX68000へ! 実機で動く非公式ネイティブ移植が公開

MSX2版『メタルギア』が約39年越しにX68000へ! 実機で動く非公式ネイティブ移植が公開

1987年にコナミから発売されたMSX2用ソフト『メタルギア』を、シャープのパソコン「X68000」へ移植した非公式ファンプロジェクトが公開されました。

●Metal Gear for X68000 — 非公式移植
https://saebaryo.github.io/metalgear-x68000/

これはX68000上でMSX2をエミュレーションするものではなく、Human68k用の実行ファイルとして動作するネイティブ移植です。X68000実機に加えて、XEiJやXM6 TypeG、MiSTer FPGAのX68000コアでも動作が確認されています。

同じ1987年に登場したX68000へ、約39年越しの移植

今回の移植版を制作したのは、saebaryo氏です。同氏は2026年8月17日、MSX2版『メタルギア』をX68000へ移植したことをXで発表しました。

メタルギア (#MSX 2, 1987, コナミ) をシャープ #X68000 に移植しました。

https://saebaryo.github.io/metalgear-x68000/

非公式のファン移植です。あなたが所有するROMをブラウザ上でブート可能なディスクイメージに変換するページです — 何もアップロードされません。

本物のX68000 XVIハードウェア上で動作中。

初代『メタルギア』は、1987年7月13日にMSX2用ソフトとして発売されたシリーズ第1作です。当時主流だった「敵を倒しながら進む」アクションゲームとは異なり、敵に発見されないように基地へ潜入するというゲームデザインを採用。後にステルスアクションと呼ばれるジャンルの原点となりました。

一方のX68000も1987年にシャープから発売されています。つまり、同じ年に登場しながら当時は実現しなかった組み合わせが、約39年を経て実現したことになります。

所有する国内版ROMからX68000用ディスクを生成

公開された専用ページでは、ユーザーが所有するMSX2版『メタルギア』のROMファイルを使い、X68000で起動可能なフロッピーディスクイメージを作成できます。

対応しているのは、日本国内版「RC750」の128KB ROMのみです。ROMファイルをページへドラッグ&ドロップすると、サイズとチェックサムが照合され、条件を満たしていれば1.2MBのディスクイメージ「MetalGearX68k.xdf」が生成されます。

変換処理はすべてブラウザ内で行われ、ROMファイルがサーバーへ送信されることはありません。また、ページや生成前の配布物には、原作のROMデータは含まれていません。

作成されるディスクイメージには、以下のファイルなどが収録されます。

  • 「METALGEAR.X」:Human68k上で動作する移植版の実行ファイル
  • 「MGEAR.DAT」「MGEARSND.DAT」:所有するROMからX68000向けに変換されたグラフィックおよびサウンドデータ
  • ゲームを自動起動するための最小構成のHuman68k関連ファイル

XDFファイルをFDD0へ書き込み可能な状態でマウントして起動すると、Human68kの起動後にゲームが自動的に始まります。セーブデータも同じディスクイメージへ書き込まれるため、生成直後のXDFファイルを別途保存しておくことが推奨されています。

X68000実機やMiSTer FPGAでも動作

本移植版は、初代X68000相当の10MHz動作を対象に制作されています。制作者によると、以下の環境で動作を確認済みです。

  • X68000実機
  • XEiJ
  • XM6 TypeG
  • MiSTer FPGAのX68000コア

ただし、10MHz機では稼働中の電気床に乗った際、効果音に使われるPSGエンベロープのソフトウェア処理が重くなり、大きな処理落ちが発生します。16MHz以上の環境では快適に動作するとのことです。

表示周波数は31kHzと15kHzを切り替えられるほか、X68000用ジョイスティックにも対応。クイックセーブとクイックロードも追加されています。

通常のセーブ機能も原作から拡張されており、原作ではエレベーター室などのチェックポイント情報のみを記録していましたが、本移植版ではスネークがいる部屋と、その部屋での現在位置まで保存されます。

注釈付き逆アセンブル結果を「仕様書」として移植

移植にあたっては、GuillianSeed氏がGitHubで公開しているMSX2版『メタルギア』の注釈付きディスアセンブリが、原作の挙動を再現するための仕様書として活用されています。

開発環境には、最新のGCCからX68000用実行ファイルを作成できる「xdev68k」を使用。MSXのPSGサウンドをX68000のOPMで再現する処理には、Kunihiko Ohnaka氏の「X68000_MSX_Simulator」の実装などが利用されています。

原作でスネークと敵が重なった際に発生していたスプライトの描画順によるちらつきについては、スネークを常に手前へ表示するよう変更。このように、基本的には原作へ忠実でありながら、X68000向けの調整や一部機能の拡張も行われています。

なお、本作はコナミとは無関係の非公式かつ非営利のファンプロジェクトです。利用するには、正規に所有しているMSX2版『メタルギア』から吸い出した日本国内版ROMが必要となります。

同じ1987年に誕生したMSX2版『メタルギア』とX68000。そのふたつが約39年越しに結び付いた、レトロPCファンにはたまらない移植プロジェクトといえそうです。

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