ゲームボーイアドバンス向けに発売された『ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし』を、ニンテンドー3DS上でネイティブ動作させる非公式移植プロジェクト『The Minish Cap 3DS』の正式版v1.0が公開されました。
●The Minish Cap 3DS(GitHub)
https://github.com/EstebanPdN/zelda-tmc-3ds
●v1.0リリースページ
https://github.com/EstebanPdN/zelda-tmc-3ds/releases/tag/v1.0
単純にGBA版をエミュレーションするものではなく、ニンテンドー3DSの2画面、タッチスクリーン、ワイドディスプレイなどを活用した専用移植版になっています。
逆コンパイルされたエンジンを3DS向けに移植
『ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし』は、2004年にゲームボーイアドバンス向けに発売されたアクションアドベンチャーゲームです。開発を担当したのはカプコンとフラグシップで、リンクが小人のような種族「ピッコル」と同じサイズまで小さくなることで、通常の大きさでは入れなかった場所を探索できるのが特徴です。
今回公開された『The Minish Cap 3DS』は、オープンソースの逆コンパイルプロジェクト「zeldaret/tmc」や、Randomizerを開発する「Project Picori」、過去に公開されたAndroid向けデュアルスクリーン移植版などを基に制作されています。
GBAの動作を3DS上で再現する一般的なエミュレーターとは異なり、逆コンパイルによって再構築されたゲームエンジンを3DS向けに変換しているため、3DS固有の機能を組み込めるようになっています。
上画面は400×240ピクセルのワイド表示に対応
上画面では、ニンテンドー3DSの解像度に合わせた400×240ピクセルのワイド表示に対応しています。
オリジナルの画面比率を維持する「Original」、画面全体に引き伸ばす「Stretch」も選択可能。表示方法についても「Pixel Perfect」「Scaled」「Blur」といった複数のスタイルが用意されています。
ワイド表示では単純に映像を横方向へ引き伸ばすのではなく、ゲーム内の描画範囲そのものが左右に広げられます。そのため、オリジナル版よりも周囲の状況を確認しやすくなっています。画面やゲームプレイに関する設定は保存され、次回起動時にも引き継がれます。
下画面にはマップやタッチ式アイテム操作を表示
下画面は、ゲームプレイを補助する専用インターフェースとして使用されます。現在地が更新されるリアルタイムマップに加えて、ダンジョン情報やクエストの進行状況を表示。アイテムの選択や使用はタッチ操作にも対応しており、各種設定にも下画面からアクセスできます。
Project PicoriのRandomizer機能も内蔵されており、通常プレイとランダマイザーを使用したプレイでは、セーブデータが別々に管理されます。このほか、ネイティブステレオ音声、HOMEメニューへの対応、セーブ処理の安定化、フレームレート表示、問題発生時に使用する診断ダンプなども実装されています。
Newニンテンドー3DS向けの高速化機能を搭載
Newニンテンドー3DSシリーズでは、804MHz動作、L2キャッシュ、マルチコアレンダリングといった高速化機能が利用できます。さらに、Cスティックを使用してゲームの動作速度を2~5倍にするターボ機能も搭載。移動や繰り返し作業を短縮したい場合に活用できます。
一方、従来型のニンテンドー3DSやニンテンドー2DSでは、大きなフレームレート低下が発生する可能性があります。開発者もNewニンテンドー3DS向けの移植版として案内しており、従来モデルへの最適化は今後の課題となっています。
対応ROMは米国版と欧州版のみ
『The Minish Cap 3DS』にはゲーム本体のデータは含まれていません。利用するには、ユーザー自身が適切な方法で入手した『The Minish Cap』のGBA ROMが必要です。現時点で対応しているのは米国版と欧州版で、起動時にリージョンが自動判別されます。日本版ROMには対応していない点には注意が必要です。
インストール方法は、CIAファイルをFBIなどで導入する方法と、3DSXファイルをHomebrew Launcherから起動する方法が用意されています。ROMファイルは、SDカード内に以下のフォルダーを作成して配置します。
sdmc:/3ds/The Minish Cap 3DS/
ROMのファイル名は任意ですが、拡張子は「.gba」である必要があります。今回のv1.0は最初の正式リリースという位置付けで、ゲーム全編の動作確認はまだ完了していません。そのため、進行中にバグやクラッシュが発生する可能性があります。
それでも、GBA版をそのまま動かすのではなく、ワイド表示や2画面、タッチ操作を組み込んだ3DS専用版として再構築されている点は魅力的です。『ふしぎのぼうし』を携帯ゲーム機で遊ぶ新たな選択肢として、今後の完成度向上にも期待したいところです。















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