ゲームボーイ関連のゲームを楽しむことに重点を置いた、Anbernic製携帯ゲーム機向けの非公式カスタムファームウェア『slot』のv1.10.0が、2026年10月28日に公開されました。開発者はBrandon T. Kowalski氏です。
今回のアップデートでは、ゲーム中のスクリーンショット撮影に加えて、画面の表示サイズや引き伸ばし方を調整する機能が追加されました。さらに、点滅するグラフィックをなめらかに表示するフレームブレンディングや、昔の液晶画面を思わせる残像表現にも対応しています。
『slot』は、ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスのゲームに対応したソフトウェアです。今回の更新では、単に機能が増えただけでなく、ゲーム画面の見た目を自分の好みに合わせやすくなった点が大きな特徴となっています。
●公式更新ガイド
https://slot-cfw.fyi/updating/
●『slot』v1.10.0 公式リリース
https://github.com/BrandonKowalski/slot/releases/tag/v1.10.0
●プロジェクトページ
https://github.com/BrandonKowalski/slot

ゲーム中のスクリーンショット撮影に対応
v1.10.0では、新たにスクリーンショット機能が追加されました。ゲームをプレイしている最中にSELECT+Xを押すことで、その場面を画像として保存できます。
撮影した画像はPNG形式で『Screenshots』フォルダー内に保存されます。実際にはゲーム機種とタイトルごとにフォルダーが分けられるため、あとから画像を整理しやすい仕組みです。
また、撮影したスクリーンショットは、ゲーム中にMENUボタンを押して表示するメニューから確認できます。画像は新しいものから順番に並び、全画面表示や拡大表示にも対応しています。
印象的な場面やクリア時の画面などを記録しておきたいときに便利な機能です。撮影した画像を確認するために、毎回SDカードをパソコンに接続する必要がないのもうれしいところでしょう。
ゲームボーイの画面表示を好みに合わせて調整可能に
画面表示に関する設定も強化されています。
新たに追加された『Scale』では、ゲーム画面の表示サイズを設定できるようになりました。ゲームボーイアドバンス、ゲームボーイカラー、ゲームボーイそれぞれの画面設定から調整できます。
また、ゲームボーイとゲームボーイカラーには、画面を引き伸ばす方法を選択する『Stretch』の設定も用意されました。
選択できるのは、次の2種類です。
- Classic: ゲームボーイアドバンスSPでの表示方法に合わせ、画面を横方向に引き伸ばします。
- Full Screen: ゲーム画面を画面全体に広げて表示します。
画面の比率をどこまで変化させるか、プレイヤーの好みに合わせて選べるようになったわけです。
さらに、ゲームボーイとゲームボーイカラーの標準ベゼル(ゲーム画面の周囲に表示する枠)にも、整数倍表示の『Integer』や、画面内に収める『Fit』に対応したバリエーションが追加されています。
従来の携帯ゲーム機らしい見た目を楽しみたい人も、できるだけ大きな画面で遊びたい人も、自分に合った表示方法を探しやすくなりました。
点滅をなめらかにする機能と、昔の液晶残像を再現する機能も追加
今回の更新では、『Frame Blending』と呼ばれる機能も追加されています。
これは、前後のフレームの映像を混ぜ合わせることで、画面上の表示をなめらかに見せる仕組みです。
たとえば、キャラクターやエフェクトを1フレームおきに表示して点滅させるゲームでは、フレームを混ぜ合わせることで、点滅の見え方をやわらげる効果が期待できます。
『slot』では、通常のフレームを混ぜ合わせる『Mix』に加えて、『LCD Ghosting』も選択できます。
『LCD Ghosting』は、昔の携帯ゲーム機に搭載されていた液晶画面のように、動いている物体の映像が少し残って見える効果を再現するものです。
現代の液晶画面ではくっきり表示される動きに、あえて残像を加えることで、当時のゲームボーイに近い雰囲気を楽しめます。
ただし、『LCD Ghosting』が利用できるのは、エミュレーターに『mGBA』を使用している場合だけです。 すべてのエミュレーターで使える機能ではない点には注意してください。
点滅をなめらかに見せる『Mix』と、昔の液晶らしい残像を加える『LCD Ghosting』では目的が異なるため、遊ぶゲームや好みに合わせて使い分けるのがよさそうです。
GBA Video専用の棚や日時設定も改善
画面表示以外にも、いくつかの便利な変更が加えられています。
そのひとつが、ゲームボーイアドバンス向けに発売されていた映像カートリッジ『GBA Video』への対応強化です。
『Games/GBAV』フォルダーにGBA VideoのROMファイルを配置すると、通常のゲームとは別の専用の棚に分類されるようになりました。この棚では、ゲームボーイプレーヤーへの対応機能は無効になります。
ゲームと映像コンテンツを分けて管理できるため、GBA Videoをコレクションしている人には便利な変更といえそうです。
日時設定も見直され、従来のUTCからの時差指定に代わって、都市を選択する方式になりました。選択した都市に合わせてサマータイムも自動的に調整されるほか、時計の表示を12時間制と24時間制から選べるようになっています。
このほか、画面の明るさを下げた際にバックライトが完全に消えてしまう段階が削除されるなど、細かな使い勝手にも手が加えられています。
対応機種とアップデート時の注意点
『slot』はAnbernicの公式ファームウェアではなく、個人開発による非公式のカスタムファームウェアです。
開発元の最新READMEでは、以下の機種が対応機種として掲載されています。
- Anbernic RG SP
- Anbernic RG34XX
- Anbernic RG34XXSP
- Anbernic RG35XXSP
- Anbernic 35XX Plus
- Anbernic RG28XX
- Anbernic RG35XX-H
機種によって対応が始まったバージョンは異なります。導入を検討している場合は、最新版のREADMEや公式導入ガイドを確認してください。
また、『slot』は『BaseOS』を基盤として動作するソフトウェアです。新規導入時には、BaseOSをSDカードに書き込むなどの準備が必要になります。
すでに『slot』を使用している場合、公式の更新ガイドでは、最新版をダウンロードして展開し、SDカード内の『System』フォルダーを新しいものに入れ替える方法が案内されています。
ただし、v1.4.0より前のバージョンから更新する場合は例外です。 この場合は古い『System』フォルダーを削除せず、新しいフォルダーを上書きコピーする必要があります。これによって、従来の設定が『Config』フォルダーへ移行される仕組みです。
公式ガイドでは、ゲームデータやセーブデータ、ステートセーブなどは『System』とは別の場所に保存されていると説明されています。それでも、万一のトラブルに備え、更新前にはSDカード内の重要なデータをバックアップしておくと安心です。
なお、今回の新機能については開発者の公開情報をもとに紹介しており、当サイトによる実機での動作検証は行っていません。
ゲーム中のスクリーンショット撮影や、画面の表示方法を細かく調整できるようになった今回のアップデート。ゲームボーイらしい見た目にこだわりたい人にとって、注目したい更新内容となっています。


















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