2008年に発売されたWii用アクションゲーム『ワリオランドシェイク』を、Windows PCで動作させる非公式プロジェクト『WarioRecomp』の最初のテスト版となるv0.1.0が、2026年10月23日に公開されました。開発を手掛けているのはSantiago109氏で、任天堂や原作の開発元であるグッド・フィールとは関係のないファンプロジェクトです。
今回のプロジェクトで注目したいのは、Wiiのゲームをエミュレーターを使わずにWindows上で動かせるようにしていることです。さらに、原作で特徴的だったWiiリモコンを振ったり傾けたりする操作も、一般的なゲームパッドで再現できるようになっています。
●『WarioRecomp』v0.1.0配布ページ
https://github.com/santiagovalencia109/Wario-Land-Shake-It-Native-PC/releases/tag/v0.1.0
●『WarioRecomp』公式GitHub(README・情報元)
https://github.com/santiagovalencia109/Wario-Land-Shake-It-Native-PC

エミュレーターを使わず、WiiのゲームをWindows向けに変換!
『ワリオランドシェイク』は、ワリオを操作してステージを攻略していく横スクロール型のアクションゲームです。Wiiリモコンを横向きに持ってプレイする作品で、ボタンによる基本操作に加えて、リモコンを振ったり傾けたりするアクションが取り入れられています。
今回公開された『WarioRecomp』は、このWii版をWindows PCで動作させることを目的としたプロジェクトです。
一般的にWiiのゲームをPCで動かす場合は、『Dolphin』のようなエミュレーターを使用します。しかし、『WarioRecomp』では『WiiCompiled』というツールを利用し、WiiのPowerPC向けに作られたプログラムをC++に静的再コンパイルする方式を採用しています。
少々難しい仕組みですが、簡単にいえば、Wiiの動作環境をPC上に再現するのではなく、ゲームのプログラムそのものをWindowsで実行できる形に変換するというものです。映像や音声、コントローラー、セーブなどに関するWiiのシステム機能についても、PC向けの処理に置き換えられています。
これにより、Wii本体やエミュレーターを使用せず、Windows用のプログラムとしてゲームを動作させることができます。

Wiiリモコンの振る・傾ける操作もゲームパッドで再現!
『WarioRecomp』では、PC向けの機能もいくつか追加されています。
映像の描画解像度は、オリジナルの480pに加えて、720p、1080p、1440pなどから選択可能です。画面比率も4:3や16:9などに対応しており、現代のディスプレイ環境に合わせて表示できます。
さらに、実験的な機能として120fpsのフレーム補間にも対応しています。ただし、これは映像の中間フレームを生成する仕組みであり、ゲームそのものの処理速度が120fpsになるわけではありません。
そして、もうひとつ大きな特徴が、Wiiリモコン特有の操作をゲームパッドで代用できることです。
対応する入力機器はキーボードのほか、Xbox系、PlayStation系、Nintendo Switch Proコントローラーなどです。
たとえば、Wiiリモコンを振る操作はL2/R2ボタンで再現でき、ボタンを押している間は連続して振っている状態になります。また、リモコンを左右に傾ける操作はL1/R1ボタンで代用できるほか、アナログスティックを利用することも可能です。
さらに、PlayStation 5用コントローラー『DualSense』に搭載されている加速度センサーにも試験的に対応。コントローラーそのものを傾けることで、Wiiリモコンに近い操作感を再現する機能も用意されています。
このほか、ボタンの割り当て変更や、ゲーム開始前にセーブデータを自動的にバックアップする機能なども搭載されています。

プレイには北米版のゲームデータが必要。初回の構築には15~45分程度
『WarioRecomp』はGitHubで公開されていますが、ダウンロードしただけですぐにゲームが遊べるわけではありません。
対応しているのは、北米版『Wario Land: Shake It!』のゲームID「RWLE01」です。配布ファイルにはゲーム本体のプログラムやデータは含まれていないため、利用者自身が保有する対応ソフトから用意したディスクイメージが必要になります。
対応するディスクイメージ形式には、ISOやWBFS、RVZなどがあります。
動作環境は64ビット版のWindows 10/11で、Direct3D 12またはVulkanに対応するグラフィックス環境が必要です。また、初回の構築時には16GB以上のメモリーが推奨されています。
配布パッケージには必要なコンパイラーなどの開発ツールが含まれており、専用ランチャーからゲームデータを読み込ませることで、PC上でWindows向けの移植版をビルドする仕組みです。
この初回作業には、PCの性能によって15~45分程度かかると説明されています。
現時点ではテスト版。ゲーム全編の動作は未確認
気になる完成度ですが、開発者によると、現在のバージョンではゲームの起動やメニュー画面、セーブとロード、ワールドマップ、これまでに確認したステージなどが動作しています。音声の再生やゲームパッド、キーボードによる操作にも対応しているとのことです。
ただし、今回公開されたv0.1.0は、あくまでも最初の一般向けテスト版という位置付けです。
ボス戦を含むすべてのステージや、ゲーム中に登場する12本のストーリームービーについては、まだ一通りの動作確認が行われていません。また、大量の敵が出現する場面でのパフォーマンスや、モーション操作の再現についても検証が必要とされています。
開発者は、現時点ではグラフィックの不具合やクラッシュ、正常に反応しない機能などが発生する可能性があると説明しています。今回の公開版について、当サイトでも独自の動作検証は行っていません。
まだ開発初期の段階ではあるものの、Wiiリモコンの操作を前提としたゲームを、一般的なゲームパッドで遊べるようにしている点は興味深いところです。
今後、ゲーム全編の動作確認や不具合の修正が進めば、Wiiの名作をPCで楽しむ新たな選択肢になるかもしれません。


















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