当サイトでも、なぜかここ最近アクセスが集まっている企画のひとつが、「今●●シリーズを全部遊ぶにはどうすればいいか」というものです。これまで『ドラゴンクエスト』や『ゼルダの伝説』を取り上げてきましたが、じゃ次は『ファイナルファンタジー』でしょう! と思いつつ、今ひとつ手が出しにくかった理由があります。それは、派生作品も含めてあまりにも数が多すぎるということです。
なかでもややこしくしているのが、初代の『ファイナルファンタジー』です。こちらが、とにかく大量にリメイクや移植作品がリリースされているのです。ということで、ソフトを集めていったのですが、まずはリファレンスとしてプレイしておかなくてはならなかったのが、最初に発売されたファミコン版です。
初代のファミコン版『ファイナルファンタジー』は1987年12月18日に発売されていますが、リアルタイムでプレイしているものの、それ以降のリメイク作品も含めてほぼ本作に触れてこなかったため、どんな内容だったかまったく覚えておらず。
そこで今回の企画を機に実際にプレイしてみたのですが、当時は気が付かなかった(あるいは気にならなかった)ことが、いろいろと見えてきました。
少し話が横道にそれますが、小学校6年生ぐらいの頃、テレビで『ウルトラマンエース』が、なぜか夕方18時から再放送されていたときがありました。『ウルトラマンエース』自体は保育園の頃にリアルタイムで観ていた番組だったのですが、少しだけ大人になってから同番組を視聴すると、かなりシュールな内容が多かったことに気が付かされたのです。
それと似たような体験を、今回のファミコン版の初代『ファイナルファンタジー』でもできたというわけですね!?
ある意味事前の予想通りだったバランスの悪さ
プレイ前に、ある程度予測が付いたのが、ゲーム序盤のバランスの悪さです。これは同じ日本を代表する『ドラゴンクエスト』でも同じような感じになっていますが、その後に発売されたリメイク作品などで少しずつ調整が行われていった感があります。
実際のところどうだったのかというと……たしかに、ゲーム序盤のバランスの悪さはなかなかのものでした。まず、レベルをひとつあげるのに、結構時間がかかります。また、店売りされているアイテムもそこそこ高いため、やはりお金を稼ぐのに同様の時間が掛かってしまいました。
そのため、ゲームを遊び始めた頃はどこかに冒険をしに行くというよりも、トラならバターになっちゃうぐらい、ぐるぐると街の周辺を回り続けて、敵とのバトルをひたすら繰り返すことに。
選べるのは4種類のうち3つだけ!? コストが高すぎるFF1の魔法の扱い
事前にマニュアルなどを見ることなく、いきなりゲームをプレイし始めたということもあってか、思っていたのと大きく異なる扱いだったのが魔法でした。「白魔法」と「黒魔法」系に分かれており、それぞれ店で買えばいい程度の認識だったのですが、これが少しだけ違っていたのです。
魔法は、それぞれのお店で4つずつ売られています。そこで、単純に利用頻度の高そうなものから買っていったのですが、なぜか4つ目を購入することができませんでした。そう、本作では4つある魔法から最大3つをチョイスしていく必要があったのです。
そもそもこの魔法、MP制ではなく、回数制になっています。それも、魔法ごとに回数が決まっているのではなく、レベル単位で回数が決められているのです。そのため、やたらめったら使うわけにもいかず、魔法を使うこと自体のコストがかなり高く感じるシステムになっていました。
実は本作をプレイし直す少し前に、たまたま下記のような投稿をしていたことがありました。
本作でも戦闘中敵の攻撃で毒状態になることがたたありますが、この毒を直すことができる白魔法の「ポイゾナ」はレベル4の魔法です。当然のことながら魔法で直すにはコストが高くなってしまうため、結局お店で大量に「どくけし」のアイテムを購入することに。
もうひとつ、初代『ファイナルファンタジー』の魔法でわかりにくく感じたのが、そのネーミングです。『ドラゴンクエスト』の場合はだいたい把握できるのですが、傷を治すケアル系やブリザラなどの攻撃系を除くバフ&デバフ系魔法の名前がまったく覚えられず。結局最後までほぼ使わずじまいとなってしまいました。実際、使わなくてもほぼ困るシーンはなかったかも!?
時代性か仕様で煩わしく感じる部分も
この時代のゲームらしさともいえますが、すこしだけプレイしていてわずらわしく感じる部分がいくつかありました。
パーティのメンバーがこうしたデバフ系の状態になると、そのキャラクターは隊列の1番後ろに来てしまいます。毒を受けたときに、戦闘終了後にそれを直しても隊列は変わらないため、自分で直さなければいけません。
また、「ポーション」や「どくけし」などのアイテムを大量に購入する場合も、10個単位などで買うことはできず、ひとつひとつポチポチやっていく必要があります。しかし、武器や防具の場合は各キャラクターごとに4つまでしかアイテムが持てないという制限はありましたが、なぜかアイテム類は最大99個まで持つことができ、こちらは助かりました。
これぞ初代の味か? 癖がありすぎるテキストの数々
ゲームをプレイしていて、全般的に感じたポイントとしては、なんといっても説明分などのテキストの癖の強さです。まだ小さなチームでゲームを作っている時代だった感があり、こうしたところもこの頃の作品ならではといえるのかもしれません。
ここではその一部を抜粋してご紹介していきます。
久々に本作をプレイしてみましたが、想像以上に新鮮に感じる部分も多くかなり楽しめました。ゲームを始める前、どれぐらいのプレイ時間になるのか検索してみたところ、「8時間」と書かれているところもありましたが、ぶっちゃけレベリングなどかなりの時間が必要になるので、そんなものでは終わりません。
ドラクエシリーズと比較されることに多い作品ですが、本作が発売されたのは『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』と同じ年ではあるものの年末近くで、『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』よりは少し前。そのため、最初から4人パーティ製が導入されており、バックアップもコマンド入力ではなく電池で行えるようになっていました。
たしかにゲーム序盤の遊びにくさはあるものの、終盤近くになってくるとアイテムを併用することでほぼ魔法は使わないようになり、若干ぬるく感じるようなバランスです。もし序盤で心がくじけてしまった人は、ぜひもう1度チャレンジしてみることをオススメします。
最後に本作のエンディングに流れるグラフィックをご紹介しておきます。こちらも、ファミコンというよりは、当時の8bitパソコンゲームのような表示の仕方になっており、なかなか面白いですね!
ということで、少年から少しだけ大人になったおじさんのレポートを締めくくりたいと思います。