レトロゲーマーなら絶対見るべき2作の映画『テトリス』&『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』レビュー

レトロゲーマーなら絶対見るべき2作の映画『テトリス』&『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』

ここ最近やたらゲームを題材にした作品が映像化され話題を呼んでいます。日本でも4月26日より公開される映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、海外では『アナと雪の女王2』が持っていた記録を抜いて、アニメ映画史上最高のオープニング記録を飾ったとか。

たしかに予告編の段階でも、ゲーム内に登場するようなエッセンスがあちらこちらに散りばめられていて、ワクワクするようなシーンがたくさんありそうな印象です。

さて、そちらについては公開されてから観に行きたいと思っていますが、それとは別に特にレトロゲーマー向けに力を入れて語っておきたい作品が2本あります。それが『テトリス』と『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』です。

事実は小説より奇なり。そしてテキストよりはわかりやすい! 『テトリス』の版権取得の裏側を映像化した映画『テトリス』

Apple TV+ややマイナーなプラットフォームのみで独占配信されているため、話題は耳にしたことがあると思いますが実際に観た人は少ないのではないか? と思われるのが映画『テトリス』です。いや~、これマジで超名作です。仮にソフトが発売されたとしたら、マストアイテムで買わずにいられないぐらいかも。

何がすごいって、ソビエト生まれのパズルゲーム『テトリス』の版権を巡るいざこざを、見事に映像化しているところです。ひとりの男の大胆な行動により、ゲームボーイにテトリスが出たことで大ヒットとなります。また、映像では触れられていませんでしたが、その煽りを食らってメガドラ版『テトリス』はお蔵入りに。

その裏で、一体どんなことが起きていたのかということについては、『テトリス・エフェクト―世界を惑わせたゲーム』という書籍で詳しく書かれているのですが、それを文字で読むのと実際に映像化されたものを観るとのでは、理解度も異なり印象もちょっと違ったものとなりました。

レトロゲーマーなら絶対見るべき2作の映画『テトリス』&『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』
▲『テトリス・エフェクト―世界を惑わせたゲーム』。

主演を務めているのがタロン・エガートンということもあり、『キングスマン』かよと思わせるような、激しいカーチェイスなども登場しますが、まぁ、その辺りは娯楽映画ならではのご愛敬といったところです。

登場人物の任天堂・故山内溥氏がそっくりすぎるなど見どころもたくさんありますが、なんといっても注目してほしいのが、ヘンク・ロジャースがゲームボーイの試作品を目の前で見せられるところ。本当にそんなことがあったのかはわかりませんが、その場でゲームボーイ用にテトリスのプログラムを改変して動かすなんて場面も登場します。

レトロゲーマーなら絶対見るべき2作の映画『テトリス』&『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』
▲思わず本人か!? と思わせるレベルのそっくり度。
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▲この時点で世界で10人しか知るものがいなかった、ゲームボーイの試作品をヘンク・ロジャースに見せるシーン。

もうひとつは、『テトリス』の生みの親であるアレクセイ・パジトノフがソ連製のコンピューター『エレクトロニカ60』という超度マイナーな機種で、オリジナルの『テトリス』を動かしているシーンです。このふたつを観るだけでも、Apple TV+に金を払う価値があるといえます。

レトロゲーマーなら絶対見るべき2作の映画『テトリス』&『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』
▲『エレクトロニカ60』上で動いているオリジナルの『テトリス』。

作品を見終わった後は、先ほどご紹介した『テトリス・エフェクト―世界を惑わせたゲーム』を呼んで、別の角度からこの出来事を確認してみるというのもいいかもしれませんね!

観る前と後では評価が180度逆転!? まさかの後世に残すべき名作映画だった『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』

少し前よりちょくちょく『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』の予告編が流れていたものの、そのときの印象はくだらない逆シーンが満載で子供向けに作られたB級ファンタジー映画という印象でした。しかし、実際に作品を観てみると、その評価はまさに180度逆転。よもやの後世に残すべき名作映画だったんです。いや、日本のプロモーションヘタすぎなのでは!?

この『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』素晴らしいところは、なんといってもストーリーです。題材になったのは誕生から50年近く経つ人気テープルトークRPGの『ダンジョンズ&ドラゴンズ』。その流れはコンピューターへと浸透していき、現在まで続くRPGとして進化をし続けています。

王道ファンタジーではあるのですが、ストーリーにはやや捻りが加えられており、勇者が魔物を倒しに行くといった日本的な物語とは一戦を画したものとなっているのです。また、登場する場面も様々な場所が次から次へと変化していき、この辺りもまるでロールプレイングゲームを楽しんでいるかのように気分にさせてくれます。

レトロゲーマーなら絶対見るべき2作の映画『テトリス』&『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』

もっとも素晴らしいと思うのが、登場するキャラクターたちです。コアとなるのは4人のメンバーですが、特別な力を持っているところもあるものの、どちらかというと平凡なメンバーの集まりにすぎません。それが冒険を続けて行くにつれて絆が深まっていき、最後はそれが集結するといった感じになっています。

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台詞回しが『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』並にギャグ調なところはあるものの、最後はほろりとさせられるような場面も登場します。

エンディングの出来映えも素晴らしく、この辺りで、「あれ、これってびっくりするぐらいの名作なのでは!?」と、観る前の評価とは大きく異なっていたことに気が付かされます。

レトロゲーマーなら絶対見るべき2作の映画『テトリス』&『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』

どうも日本のプロモーションは、そもそもマニアにささりそうなタイトルを、大衆向けのファミリー映画風にアピールしようとしてやや滑ってしまっているように見えますが、食わず嫌いではなく、レトロゲームファン、そしてすべてのRPGファンに観てもらいたいタイトルです。