C64で『Quake』が動く! 8ビットPC向けに再現した『Quake64』完成、7ステージをプレイ可能

C64で『Quake』が動く! 8ビットPC向けに再現した『Quake64』完成、7ステージをプレイ可能

1982年に発売された8ビットパソコン「Commodore 64(C64)」向けに、1996年のFPS『Quake』を再現した『Quake64』が完成し、2026年10月18日に公開されました。

本作を開発したのは、Steve McCrea氏(Kweepa)。オリジナルの『Quake』をそのまま移植したものではなく、C64の性能に合わせてゲームを再構築した非公式のデメイク作品です。グラフィックはワイヤーフレーム風の線画で表現されていますが、原作の第1エピソードに登場する7つのステージを収録しており、敵との戦闘やステージ内の探索も楽しめます。

完成版はitch.ioで公開されており、ゲームデータをダウンロードして遊ぶことができます。

●Quake64(itch.io)
https://kweepa.itch.io/quake64

線画で再現された『Quake』の3D世界

『Quake』といえば、1996年にid Softwareから発売されたFPSです。立体的な3D空間を舞台に、さまざまな武器を駆使して敵と戦いながらステージを攻略していくゲームとして知られています。

今回公開された『Quake64』で驚かされるのは、そうした3D空間をC64で再現している点です。ただし、当然ながらオリジナルと同じグラフィックを表示できるわけではありません。そこで採用されたのが、壁や床などを線で描き出すワイヤーフレーム風の表現です。

描画にはC64の文字表示機能を応用した独自の仕組みを使用しており、192×128ピクセルの領域に3D空間を表示しています。また、ステージ全体を一度に描画するのではなく、プレイヤーがいる部屋だけを描く方式を採用。これによって、限られたハードウェアの性能でも立体的な空間を表現できるようにしています。

敵キャラクターの表現にも工夫が凝らされています。原作の3Dモデルに使われていたアニメーションを基に骨格データを作成し、棒人間のような線画のキャラクターとして再現。シンプルな見た目ながら、敵が動き回ったり攻撃してきたりする様子を表現しています。

収録されているのは、第1エピソードの「E1M1」から「E1M7」までの7ステージです。9種類の敵が登場するほか、武器も斧、ショットガン、ネイルガン、グレネードランチャーの4種類を用意。さらに、パワーアップアイテムやエレベーター、スイッチ、隠し要素なども盛り込まれています。

単に『Quake』風の3D空間を表示するだけではなく、敵と戦いながらステージを攻略していくという、原作のゲーム体験そのものをC64で再現しようとしているところが面白いポイントです。

実際に遊べる完成版を公開! 動作速度は約3~12fps

気になるのは実際の動作速度ですが、開発者によるとフレームレートは約3~12fpsとのこと。通常は5fpsを上回ることが多いものの、最終ボスとの戦闘では低下すると説明されています。

現代のFPSと比較すればかなり低い数値ですが、1982年に登場した8ビットパソコンで、3D空間の描画に加えて敵の動作や戦闘なども処理していることを考えると、興味深い仕上がりといえそうです。

もちろん、ハードウェアの制約から省略された要素もあります。たとえば、水中に関連する要素は実装されていません。また、BGMが流れるのはメニュー画面のみで、ゲーム中は武器や敵、ドアなどの効果音が中心となっています。

完成版はitch.ioで配布されており、通常のD64ディスクイメージに加えて、Krillローダーを使用したD64版、EasyFlashカートリッジ向けのファイルも用意されています。

さらに、GitHubではソースコードも公開されています。C64エミュレーター「VICE」を使った起動方法についても説明されているので、実機を持っていない人でもPC上で動作を試すことができます。なお、Krillローダー版を利用する場合は、対応する実機ドライブ、またはVICEのTrue Drive Emulationが必要です。

開発者のSteve McCrea氏は、これまでにもC64向けに『Wolfenstein』や『Doom』を再現するプロジェクトに取り組んできました。今回の『Quake64』は、そうしたid Software作品を題材とした3部作の締めくくりとなるものです。

オリジナルの『Quake』全編を収録しているわけではありませんが、発売から40年以上が経過した8ビットパソコンで、3D空間の探索や敵との戦闘を楽しめる作品に仕上げているのは驚きです。グラフィックを線画に置き換えるなど、ハードウェアの制約に合わせた大胆なアレンジも含めて、ぜひ一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

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