開発者のVideodr0me氏が2026年10月18日、MiSTer FPGA向けの『Vectrex(光速船)』コアを大幅に刷新した「Enhanced Core Rebuild v1.0」を公開しました。
Vectrexは、1982年に海外で発売されたゲーム機で、日本では1983年にバンダイから『光速船』の名称で発売されました。一般的なゲーム機とは異なり、ベクタースキャン方式のブラウン管ディスプレイを本体に内蔵しているのが特徴です。
MiSTer FPGAでは以前からVectrexのコアが公開されていましたが、今回のバージョンでは内部の動作精度から映像表現まで幅広く改良されています。
●Videodr0me / Vectrex_MiSTer(GitHub)
https://github.com/Videodr0me/Vectrex_MiSTer
1080p描画とCRT風の発光表現に対応
今回の刷新で特に注目したいのが、映像表現の強化です。
新たに125MHzで動作する高解像度レンダラーが導入され、最大1080pでの描画に対応。さらに、ブラウン管ならではの光のにじみを表現するブルームやハロー、蛍光体の残光を再現する機能などが追加されています。
これにより、Vectrex特有の光る線で描かれたグラフィックを、現代のディスプレイでも雰囲気を残しながら楽しめるようになっています。
映像の見た目を変更するプリセットも用意されており、標準の「80s Cruise Control」に加えて、発光や残像を強調した「80s Overdrive」、青い光を基調とした「Neon Blue」などが選択可能です。
1080p以外にも720pや480p、480i、240pに対応。対応する720pディスプレイでは120Hz出力も利用できるほか、CRTディスプレイ向けの出力設定も用意されています。
65種類のオーバーレイを収録! ゲームの互換性も改善
Vectrexには、モノクロのディスプレイに色付きのシートを重ねることで、ゲーム画面をカラフルに見せる仕組みがありました。
今回のコアでは、このオーバーレイ機能も刷新。65種類のデザインが収録されており、日本向けタイトルの『スクランブルウォーズ』や『ハルマゲドン』用に修復されたデザインも含まれています。
オーバーレイの透明度や明るさを調整できるほか、画面を90度回転させる表示モードにも対応しています。
また、映像表現だけでなく、CPUや入出力回路の再現精度も改善されています。一部のゲームで発生していた描画の不具合が修正されたほか、64KiBや256KiBの拡張カートリッジにも対応しました。
さらに、ホームブリュー作品の『Vectorblade』v1.13、『Telengard』v1.03、『Neon Hawk』のデモ版も、作者の許可を得て同梱されています。『Vectorblade』と『Telengard』については、対応するフラッシュカートリッジのセーブ機能も利用可能です。
導入には32MB以上のSDRAMが必要
新しいコアはGitHubで公開されており、必要なファイルをダウンロードしてMiSTer FPGAに導入できます。
ただし、高解像度描画やCRT風の映像表現を実現するため、32MB以上のSDRAMモジュールが必要です。
また、オーバーレイのファイル形式が変更され、従来の「.ovr」形式はサポートされなくなりました。新しい「.art」形式を使用する必要があるため、旧コアから移行する場合は注意が必要です。
なお、現時点では3D Imagerやライトペンには対応しておらず、これらの周辺機器を必要とするゲームには制限があります。
ベクタースキャンならではの映像表現を、現代の環境でどこまで再現できるのか。以前のVectrexコアを利用していた人にとっても、改めてチェックしてみたいアップデートとなっています。
via.Reddit
















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