Wii『スーパーマリオギャラクシー』がWindowsでネイティブ動作!最大32:9表示にも対応する「Nebula 1.0.0」公開

Wii『スーパーマリオギャラクシー』がWindowsでネイティブ動作!最大32:9表示にも対応する「Nebula 1.0.0」公開

Wii向けに発売された『スーパーマリオギャラクシー』を、Windows PC上でネイティブ動作させる非公式プロジェクト「Nebula」のバージョン1.0.0が、2026年10月13日に公開されました。

開発を手掛けているのはkeepvaibin氏です。今回公開された「Nebula 1.0.0」は、Wiiのエミュレーターを利用するのではなく、ゲームのプログラムをPC向けに再コンパイルすることで動作させる仕組みを採用しています。

また、単にPCで動かせるだけではなく、最大32:9のウルトラワイド表示や高解像度化、さまざまなゲームコントローラーにも対応。オリジナルのWii版とはひと味違った環境でゲームを楽しめるようになっています。

●Nebula 1.0.0(GitHub・リリース/ダウンロード)
https://github.com/keepvaibin/nebula/releases/tag/v1.0.0

●Nebula(GitHub・プロジェクトページ)
https://github.com/keepvaibin/nebula

エミュレーターを使わずに『スーパーマリオギャラクシー』がPCで動く!

『スーパーマリオギャラクシー』は、2007年に任天堂からWii向けに発売された3Dアクションゲームです。マリオが宇宙を舞台にさまざまな惑星を冒険する作品で、重力を利用した独特のアクションなどが特徴となっています。

今回登場した「Nebula」は、こうしたWii用ゲームをWindows上で直接動作させることを目指したプロジェクトです。

一般的なエミュレーターでは、PC上でゲーム機のハードウェアの動作を再現しながらゲームを実行します。一方のNebulaでは、Wiiで使われているPowerPCの機械語をC++に変換し、PC上でコンパイルする「静的再コンパイル」と呼ばれる方式を採用しています。

これにより、ゲームのプログラムをWindows向けのネイティブコードとして実行できるほか、描画にはDirect3D 12、サウンドや入力にはWindows側の仕組みを利用します。

ちなみに、ゲーム本来の動作を一から作り直しているわけではありません。マリオの挙動などを含むオリジナルのゲームプログラムを変換することで、元の作品の動作を再現する仕組みとなっています。

最大32:9のウルトラワイド表示や16倍の内部解像度に対応

Nebulaの大きな特徴のひとつが、PCならではの豊富なグラフィック設定です。画面比率は従来の4:3に加えて、一般的なワイド画面から最大32:9のウルトラワイド表示まで対応。ゲーム中のメニューやHUDも、それぞれの画面比率に合わせて配置されるようになっています。

また、内部解像度は最大16倍まで設定でき、ゲームをプレイしている最中に変更することも可能です。Wii版では難しかった高解像度での描画を楽しめる点は、PC版ならではの魅力といえそうです。

グラフィック関連では、FXAAやSMAAといったアンチエイリアス処理に加えて、AMD FidelityFX FSR 1によるアップスケーリングやシャープニングにも対応しています。

このほか、異方性フィルタリングやミップマップの生成、ピクセル単位のライティング処理、描画距離の拡張なども用意されています。ただし、これらの追加グラフィック機能は初期状態では無効になっており、必要に応じて設定する方式です。表示モードについてはウィンドウ表示とボーダーレスフルスクリーンを選択できます。

XboxやSwitch Proコントローラーにも対応!ジャイロ操作も利用可能

操作方法についても、PC向けにさまざまな選択肢が用意されています。キーボードとマウスによる操作に加えて、XboxコントローラーやNintendo Switch Proコントローラー、Nintendo Switch 2 Proコントローラーにも対応しています。なお、Switch 2 ProコントローラーについてはUSB接続での対応となっています。

特にユニークなのが、Switch系コントローラーのジャイロセンサーを利用した操作です。Wii版ではWiiリモコンを使ってポインター操作などを行っていましたが、NebulaではSwitch系コントローラーのジャイロ機能を利用してポインターを動かすことができます。

また、ボールに乗って移動する「タマコロ」や、エイに乗って進むステージなどでは、コントローラーを傾けて操作することも可能です。ボタン配置の変更や振動のオン・オフ、振動の強さの調整にも対応しています。

なお、ゲーム中の設定メニューはキーボードのF1キー、XboxコントローラーのView+Menuボタン、Switch系コントローラーのマイナス+プラスボタンで呼び出すことができます。

以前のベータ版から処理性能やシェーダー周りも改善

今回のバージョン1.0.0では、以前公開されていた「0.1.1 Beta 4」から、さまざまな改善が加えられています。特に力が入れられているのが、ゲームの処理性能と描画周りの最適化です。ゲームプログラムをネイティブのx86-64コードとして実行する仕組みが改良されたほか、ゲーム内のスレッド処理に協調型スケジューラーを採用するなど、動作の効率化が図られています。

また、新しい描画素材については汎用シェーダーで表示しながら、専用のシェーダーをバックグラウンドでコンパイルする仕組みを採用。テクスチャーの展開処理も別スレッドで実行されるようになっています。

インストール時にシェーダーキャッシュが導入されることもあり、開発者によると、初めて訪れる場所などで発生していたカクつきの多くが解消されているそうです。このほか、一人称視点やイベントシーンで画面左上に小さな映像が表示されてしまう不具合の修正や、音声処理の改善なども行われています。

ただし、現時点ですべての問題が解消されているわけではありません。開発者によると、比較的性能の低いCPUでは一部のステージで60fpsを下回ることがあるほか、「ほうき星の天文台」ではライティングやブルーム効果がオリジナル版と異なる場合があるとのことです。

動作には米国版『スーパーマリオギャラクシー』のゲームデータが必要

NebulaはGitHubで公開されていますが、ダウンロードしたファイルだけでゲームが遊べるわけではありません。導入するには、ユーザー自身が用意した『スーパーマリオギャラクシー』のゲームデータが必要です。

現在対応しているのは、米国版『Super Mario Galaxy』の「RMGE01」、リビジョン0のみです。日本版のWiiディスクについては対応が明記されていないため、注意が必要です。ゲームデータはISO形式やRVZ形式、展開済みフォルダーに対応しています。

導入時にはGitHubで配布されている「Nebula-Setup.exe」を実行し、用意したゲームデータを指定します。その後、必要なコンパイラーなどがダウンロードされ、PC上でゲーム用のモジュールが構築される仕組みです。

なお、Nebulaの配布ファイルには任天堂のゲームプログラムやゲーム内の素材などは含まれていません。

動作に必要なPCの環境は、以下の通りです。

  • OS:Windows 10(バージョン1803以降)/Windows 11の64ビット版
  • GPU:Direct3D 12対応
  • メモリー:8GB以上
  • ストレージ:インストール時に16GBの空き容量(導入後は約5.5GB)
  • ネット接続:初回インストール時に必要
  • ゲームデータ:米国版『Super Mario Galaxy』(RMGE01、リビジョン0)

ちなみに開発者の報告では、Intel Core Ultra 9 185Hの内蔵GPUと16GBのメモリーを搭載した環境で、1440p(16:10)の解像度において60fpsで動作したとのことです。ただし、これは開発者が確認した環境での結果であり、すべてのPCで同様の性能が得られることを保証するものではありません。

また、配布されているインストーラーにはコード署名がないため、Windows SmartScreenによって発行元不明の警告が表示される場合があります。導入する際には、配布元やファイルの内容を十分に確認する必要があります。

Nebulaは任天堂とは無関係の非公式プロジェクトで、現在も開発途中という位置付けです。

それでも、かつてWiiで遊んでいた『スーパーマリオギャラクシー』を、エミュレーターとは異なるアプローチでWindows上に再現するというのは、なかなか興味深い試みです。

高解像度化やウルトラワイド表示だけではなく、現代のゲームコントローラーへの対応も進められており、今後のさらなる改善にも期待したいところです。

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