RetroArchのセーブを自分のサーバーへ同期。RomM 5.4 AlphaがCloud Syncに対応

RetroArchのセーブを自分のサーバーへ同期。RomM 5.4 AlphaがCloud Syncに対応

ゲームライブラリー管理サーバー「RomM」の開発チームは2026年10月6日20時4分(日本時間)、新バージョン「5.4.0-alpha.1」をプレリリースとして公開しました。

今回のアップデートでは、RetroArchの「Cloud Sync」の同期先としてRomMを直接利用できるようになっています。RomM上に保存したセーブデータやステートとRetroArchを連携できるため、複数の環境でゲームの続きを遊ぶためのセーブ管理がしやすくなりました。

●RomM 5.4.0-alpha.1(GitHub)
https://github.com/rommapp/romm/releases/tag/5.4.0-alpha.1

●RetroArch Cloud Sync公式ガイド
https://docs.romm.app/5.4.0-alpha/ecosystem/retroarch-cloud-sync/

●Library Conversion公式ガイド
https://docs.romm.app/5.4.0-alpha/administration/library-conversion/

RetroArchからRomMへセーブやステートを直接同期

RetroArchには、セーブやステートなどをWebDAVサーバーと同期する「Cloud Sync」機能が用意されています。RomM 5.4.0-alpha.1では、この同期先としてRomMサーバーを直接指定できるようになりました。

接続先には、自分のRomMサーバーのURLに「/api/sync/retroarch/」を追加したものを指定します。たとえばRomMが「https://romm.example.com」で動作している場合は、以下のようになります。

https://romm.example.com/api/sync/retroarch

末尾の「/」も必要です。認証にはRomMのユーザー名とパスワードを使用します。また、RetroArch側にはCloud SyncとWebDAVドライバーを搭載したビルドが必要です。

同期対象として設定した場合、RetroArchの「saves」フォルダーにあるセーブはRomM上の対応するゲームへ保存され、「states」にあるステートも同様に登録されます。設定次第ではconfig、thumbnails、systemフォルダーもユーザー単位で同期できます。

これにより、たとえば携帯ゲーム機でRetroArchを利用したあとにセーブをRomMへ同期し、別のRetroArch環境から同じデータを取得するといった運用が可能になります。

すべてのセーブが無条件に共有されるわけではない

ただし、RomM内に存在するすべてのセーブデータが、そのままRetroArchと相互共有されるわけではありません。

通常、RomMは同期されたセーブやステートのファイル名と、ライブラリー内にあるROMのファイル名を照合してゲームを特定します。そのため、RetroArch側とRomM側でROMのファイル名が異なっている場合は正常に関連付けられず、同期に失敗する場合があります。

また、ブラウザー内プレーヤーのautosave履歴など、RomM側でスロット付きの履歴として管理されているセーブについては、RetroArch向けの同期一覧には含まれません。一方、ステートについてはRetroArchの番号付きスロットに合わせて処理され、RomMのWebプレーヤーで作成したステートも条件を満たせばRetroArch側のロードスロットとして扱われます。

ステートは使用するエミュレーターやコアによって形式が異なる場合があるため、異なるコア間ですべてのステートが利用できることが保証されているわけではありません。

PSPについても少し扱いが異なります。PPSSPP系のセーブは複数ファイルを含むフォルダー形式であるため、RomMではフォルダー単位でまとめて扱います。ゲーム名からROMを特定できない場合は、「SYNC_RETROARCH_PSP_SERIAL_MAP」でPSPのシリアルとROMのファイル名を対応付けることもできます。

なお、RetroArch側で同期済みのセーブやステートを削除するとRomM側からも削除されるため、運用時にはこの点にも注意が必要です。

ブラウザー内プレーヤーのセーブ同期も拡張

今回のアップデートでは、RomM内で利用できるブラウザー内プレーヤーの同期機能も拡張されています。

対象となるのはEmulatorJS、EasyRPG、js-dos、PICO-8、Ruffleの5種類です。それぞれのブラウザープロファイルがひとつのデバイスとしてRomMに登録され、ゲーム起動時にサーバーとセーブデータを同期します。

これにより、あるブラウザーで保存したゲームの続きを別のブラウザー環境へ持っていくことができます。同期時にデータが競合した場合は、一方を単純に上書きするのではなく、競合したコピーをアーカイブする仕組みになっています。

対応端末へゲームを送る「Install on device」も追加

デバイス関連では、新たに「Install on device」機能も追加されました。

RomMのWeb画面からゲームを選択して対応デバイスのダウンロードキューへ追加し、そのデバイスがオンラインになったときにゲームを取得させることができます。

ただし、すべてのRomMクライアントや端末へゲームを送れるわけではありません。この機能に対応していることをアプリ側から通知しているデバイスのみが送信先として表示されます。

大規模ライブラリーでは初回起動時の移行に注意

5.4.0-alpha.1は正式な安定版ではなく、現時点ではAlpha版として公開されています。

今回のリリースではデータベースの移行処理も含まれており、大規模なライブラリーでは初回起動時の処理に時間がかかる可能性があります。公式では、移行処理が完了するまでコンテナを再起動しないよう注意が呼びかけられています。

また、CORSの標準設定も変更されています。「ROMM_CORS_ALLOWED_ORIGINS」が未設定または空の場合、これまではすべてのオリジンが許可されていましたが、本バージョンではクロスオリジン接続が許可されなくなりました。別オリジン上のブラウザークライアントなどからRomMへ接続している環境では、設定の確認が必要です。

形式変換やRPGツクール作品のブラウザープレイにも対応

このほか5.4.0-alpha.1では、rom-convertoを利用したゲームイメージの形式変換機能も追加されています。

ライブラリー内のゲームをプラットフォームごとにCHDやRVZなどへ変換できますが、この機能は初期状態では無効です。「ROM_CONVERTO_ENABLED=true」を設定することで有効になります。

また、「Convert library」は変換に成功した元ファイルを削除して新しいファイルへ置き換える処理となっているため、公式でも事前にライブラリーをバックアップするよう案内しています。

さらにEasyRPGを利用して、RPGツクール2000/2003向け作品をRomMのブラウザー上からプレイできる機能も追加されました。対象作品は展開済みのフォルダー形式で保存しておく必要があります。

RomMには以前からデバイス同期や各種クライアントとの連携機能が用意されていましたが、今回RetroArch自身のCloud SyncからRomMへ直接接続できるようになったことで、RetroArchを複数の環境で利用しているユーザーにとって、セーブデータを自分のサーバーへ集約する新たな選択肢が加わりました。

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