RetroDECK Teamは2026年10月3日、Steam DeckをはじめとするLinux環境向けの統合ゲーム環境パッケージ「RetroDECK 0.10.10b」を公開しました。その後Flathubでも同バージョンの配信が開始されています。
今回のアップデートでは、新しいゲーム機への対応といった大きな機能追加よりも、PPSSPPで使用するファイルへのアクセス改善や、既存の設定を維持したままRetroDECKを利用・更新しやすくするための修正が中心となっています。
RetroDECKは、PPSSPPやRetroArch、PCSX2、Vita3Kなど複数のエミュレーターや関連ツールをひとつの環境にまとめたLinux向けプロジェクトです。Steam Deckのような携帯型ゲーミングPCだけではなく、Linuxデスクトップなどでも利用できます。なお、各ゲーム機メーカーが提供している公式サービスではありません。
●RetroDECK — Flathub
https://flathub.org/en/apps/net.retrodeck.retrodeck
●RetroDECK 0.10.10b — GitHub
https://github.com/RetroDECK/RetroDECK/releases/tag/0.10.10b
●RetroDECK公式サイト
https://retrodeck.net/
PPSSPPの「PSP/GAME」フォルダーへアクセスしやすく
0.10.10bで追加された変更のひとつが、PPSSPPで使用する「PSP/GAME」フォルダーへのアクセス改善です。
スタンドアロン版PPSSPPでは、これまで内部で利用されていた「PSP/GAME」が、
retrodeck/storage/PPSSPP/GAME
から扱えるようになりました。
また、RetroArchに組み込まれているPPSSPPコアについても、
retrodeck/storage/retroarch-core/PPSSPP/GAME
に対応する保存先が用意されています。
さらにPPSSPPコアのシェーダーフォルダーについても、
retrodeck/shaders/retroarch-core/PPSSPP/shaders
からアクセスできるようになりました。
PSPには「PSP/GAME」フォルダーへファイルを配置して利用するソフトウェアもあるため、RetroDECKの管理用ストレージ側から直接アクセスできるようになったことで、ファイルを手動で扱う際の場所が分かりやすくなります。
ただし、今回追加されたのはフォルダーへのアクセス経路です。既存ファイルの移行などが自動化されたわけではありません。
ES-DEの独自設定が上書きされる問題を修正
既存ユーザーにとってもうひとつ重要なのが、フロントエンドとして採用されている「ES-DE」関連の修正です。
これまでRetroDECK側のヘルパーテンプレートによって、ユーザーが独自に設定したES-DEの「Rules」や「Systems」が上書きされる場合がありましたが、0.10.10bではこの問題が修正されています。
自分でES-DEのシステム設定などをカスタマイズしている場合、アップデート時に設定が意図せず変更されるリスクを抑えるための改善といえます。
Vita3Kのアップデートを妨げていた問題にも対処
PlayStation Vitaエミュレーターの「Vita3K」に関しては、KDE Platformとの互換性に起因し、Vita3Kのアップデートを妨げていた問題が修正されています。
あわせてRetroDECKのフレームワークでは「org.kde.Platform」が6.11へ更新されています。Vita3Kそのものも、今回のRetroDECKに含まれる更新対象のひとつです。
なお、これはVita3Kのゲーム互換性や動作速度そのものが改善されたことを意味するものではありません。今回確認できるのは、RetroDECK環境内でVita3Kの更新を阻んでいた互換性問題への対応です。
melonDS利用者は設定リセットに注意
ニンテンドーDSエミュレーター「melonDS」については、設定ファイルで使用されているTOMLの構造変更に伴い、設定がリセットされることが変更履歴に記載されています。
そのほかmelonDS用のチートディレクトリとして、
retrodeck/cheats/MelonDS/
も追加されています。
すでにmelonDSの設定を細かく変更している場合は、アップデート後に内容を確認しておいたほうがよさそうです。
RetroDECK 0.10.10bはFlathubから無料で入手可能
「RetroDECK 0.10.10b」はFlathubから無料で入手できます。Flathubの配信ページで記載されている対応アーキテクチャはx86_64です。
RetroDECK Teamは、GitHub上にリリースが作成された段階では正式な配信とは見なさず、Flathubへ公開された時点で一般向けに利用可能になったものとして扱っています。そのため、既存ユーザーについてもGitHubから直接更新するのではなく、Linuxディストリビューションのソフトウェア管理機能などを通じてFlathub版を更新することが推奨されています。
今回の0.10.10bは、PSPエミュレーションそのものを新たに追加するアップデートではありません。すでにRetroDECKを利用しているユーザーにとって、PSP関連ファイルへのアクセスやカスタム設定の保持、組み込みソフトの更新といった日常的な管理を改善するアップデートといえそうです。















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