Xbox 360版『Forza Horizon』をWindows上でネイティブ動作させるプロジェクト「Pinyon Shift」の最新バージョン「Pinyon Shift 0.3.0」が公開されました。GitHub Releasesでは10月1日06:03公開と表示されており、0.1.1以来初となるstable release(安定版)とされています。
今回のバージョンでは、本作専用に開発されたネイティブレンダラーを搭載。最大120fpsや最大4倍の内部解像度に対応するなど、オリジナルのXbox 360版をPC環境でより高画質・高フレームレートで楽しむための機能が大幅に強化されています。
●Pinyon Shift 0.3.0 — GitHub Releases
https://github.com/arcanite24/pinyon-shift/releases/tag/v0.3.0
●Pinyon Shift — GitHub README
https://github.com/arcanite24/pinyon-shift/blob/main/README.md
最大120fps&4倍内部解像度に対応
「Pinyon Shift 0.3.0」では、描画APIとしてVulkanを標準で採用しているほか、Direct3D 12にも対応しています。Xbox 360版『Forza Horizon』は30fpsで動作していましたが、本プロジェクトでは描画レートをゲーム側の30fpsから切り離すことで、60fpsまたは最大120fpsでのプレイが可能になっています。
内部解像度についても1倍から4倍まで選択可能です。さらにFSR 1やCASによる出力スケーリングにも対応しています。Vulkanは1倍および2倍の内部解像度で高速に動作する一方、3倍や4倍ではDirect3D 12の利用が推奨されています。
エミュレーターではなくゲームコードをPC向けに再コンパイル
「Pinyon Shift」の大きな特徴は、Xbox 360エミュレーターとしてゲームを動かしているわけではない点です。
Xbox 360版『Forza Horizon』で使用されているPowerPC向けコードを事前にC++へ変換し、ユーザーのPC上でx86-64向けにコンパイルします。ゲーム実行中にXbox 360本体をエミュレーションするのではなく、Windows向けのネイティブコードとして動かす仕組みです。
GPUに送られる描画処理についても、本作専用のネイティブレンダラーが担当します。ゲームで使われているシェーダーはVulkanではSPIR-V、Direct3D 12ではDXBCへ変換して利用されます。
ゲーム内設定やウルトラワイド、MODにも対応
今回のアップデートでは、ゲーム中にF6キーを押すかポーズメニューから「SETTINGS」を選択することで、ディスプレイやグラフィック、オーディオ、操作方法などを変更できるようになりました。「Performance 120」と「Quality 60」というふたつのプリセットも用意されています。
このほか、ウルトラワイドディスプレイへの対応やフレームレート制限、コントローラーのボタンリマップ、右スティック反転、振動強度の変更、マウスによるカメラ操作やステアリング操作なども追加されています。
セーブデータの自動バックアップや写真のPNG保存、MODにも対応。MODではネイティブプラグインのほか、ファイルやアーカイブの上書き、データベースのパッチ、テクスチャーやテキストの差し替えなどが利用できるようになっています。
プレイには正規所有しているUSA版ディスクが必要
「Pinyon Shift」には『Forza Horizon』本体やゲームデータは含まれていません。利用するにはユーザー自身が所有している対応ディスクからISOを吸い出し、それをランチャーに読み込ませる必要があります。
現時点で対応しているのは、USA版のリテールディスク「MS-2505」のみです。また、動作確認済みのGPUはNVIDIA製のみとなっており、AMDおよびIntel製GPUについては未テストとされています。
初回セットアップ時には必要なWindows用ビルドツールの導入やゲームコードの変換・コンパイルなどもPC上で行われます。そのため、一般的なPCゲームのようにランチャーを起動してすぐ遊べるタイプのものではありません。
高フレームレート時には一部不具合も
一方で、現時点ではいくつかの既知の問題も残されています。
30fpsを超える設定では、群衆や車を購入するときのアニメーションが本来より速く再生される場合があります。また、一部エリアで描画上の問題やパフォーマンス低下が発生するほか、長時間プレイ後にファストトラベルするとワールドが完全に読み込まれないことがあるとされています。
公式READMEでも「playable preview」と位置付けられており、まだ完成版というわけではありません。しかし、Xbox 360世代の『Forza Horizon』をWindows向けに再コンパイルし、最大120fpsや高内部解像度、さらにはMODまで利用できる段階に到達したという点では、かなり興味深いプロジェクトといえそうです。















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