iPhoneでドリームキャストをJITなしで動かす『iFly』、TestFlight枠を数千追加

iPhoneでドリームキャストをJITなしで動かす『iFly』、TestFlight枠を数千追加

iPhoneやiPad、Apple TV向けに開発されているドリームキャストエミュレーター「iFly」で、新たに数千人分のTestFlight枠が追加されたことが明らかになりました。開発元のProvenance-Emuが2026年10月1日に告知したもので、パフォーマンス改善や各種調整も進められているとのことです。

さらに開発者は、App Storeへの提出準備が整ったことも明らかにしています。iPhoneでドリームキャストを動かせるだけでも興味深いところですが、本アプリ最大の特徴といえるのが「JITを必要としない」設計です。

●iFly公式サイト
https://ifly-emu.com/

TestFlight枠を「数千人分」追加

Provenance-Emuは10月1日、iFlyについて新たに「数千」のTestFlight枠を追加したとXで告知しました。あわせて、多数のパフォーマンスアップデートや改良が行われていることも説明しています。

TestFlightは、正式公開前のiPhone/iPad向けアプリをテストするためにAppleが提供している仕組みです。今回の枠追加により、正式版に向けて、より多くのユーザーによる動作テストが行われることになりそうです。

また開発者は「Ready for submission now」としており、App Storeへの提出準備も整ったとしています。ただし、これはApp Storeへの提出や審査が完了したことを意味するものではありません。正式版の公開日についても、現時点では明らかにされていません。

JITなしでドリームキャストを動かせるのが大きな特徴

iFlyは、オープンソースのドリームキャストエミュレーター「Flycast」をベースに開発されたエミュレーターです。iPhoneやiPad、Apple TVといったApple製デバイス向けに最適化されており、公式サイトでは「JIT-less full speed」を大きな特徴として掲げています。

JIT(Just-In-Time)は、エミュレーターなどで処理速度を向上させるために利用される技術ですが、iOSでは一般的なApp Storeアプリから自由に利用することが難しくなっています。そのため、より高性能なゲーム機をエミュレーションする際の大きなハードルのひとつになっています。

これに対してiFlyでは、Apple Silicon向けに最適化した処理によって、JITを使わずにドリームキャストを動作させることを目指しています。公式サイトでは、近年のデバイスでドリームキャストゲームをネイティブのフレームレートで動作させられるとしており、最大1440pまたは4Kへのアップスケーリングにも対応すると説明しています。

VMU表示やiCloud同期などにも対応

単純にドリームキャストのゲームを動かすだけではなく、iFlyにはApple製デバイスを活用したさまざまな機能も用意されています。

たとえば、ドリームキャストで使用されていたビジュアルメモリ「VMU」を画面上に表示するフローティングVMU機能を搭載しています。セーブデータやVMU、BIOSについては、iCloudを利用したデバイス間の同期にも対応しています。ゲームデータ自体はローカルに保存する仕組みです。

このほか、DualShock、DualSense、Xbox、Nintendo Switch、MFi対応コントローラーなどの外部コントローラーをサポートしています。RetroAchievementsやセーブステート、1,000種類以上のMetalシェーダー、外部ディスプレイ出力など、多数の機能も用意されています。

App Store版はまだ正式公開されていません

注意しておきたいのは、2026年10月2日時点ではiFlyがApp Storeで正式配信されたわけではないという点です。公式サイトにも現在「iFly isn’t on the App Store」と記載されており、今回の発表はあくまでも正式公開に向けた準備が進んでいる段階となります。

また、公式トップページではTestFlight Betaへのリンクが用意されている一方、ダウンロードページではiOS版とtvOS版について「No builds available yet」と表示されるなど、サイト内でも配布状況に一部食い違いが見られます。そのため、利用を検討している場合は、TestFlightや公式サイトの最新情報を確認したほうがよさそうです。

ドリームキャスト世代のゲームを、JITに頼ることなくiPhone上で動かすという点だけでもかなりユニークなiFly。今回、App Store提出に向けた準備が整ったことも明らかになっただけに、今後は正式版が実際にApp Storeの審査を通過し、一般公開されるのかにも注目したいところです。

via.Retro Dodo

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