ドリームキャストのハンドル設定を使い分けやすく。「RetroBat 8.3.0」ベータ公開

ドリームキャストのハンドル設定を使い分けやすく。「RetroBat 8.3.0」ベータ公開

RetroBat-Officialは2026年9月26日、Windows向けレトロゲームフロントエンド「RetroBat」の次期バージョンとなる「RetroBat beta 8.3.0」をGitHubで公開しました。今回公開されたものは正式版ではなく、正式な8.3.0に先駆けて提供されるPre-release(ベータ版)です。公式も十分なテストを行うよう案内しています。

RetroBatは、複数のゲーム機やエミュレーターをひとつのインターフェースから扱えるWindows向けのレトロゲームフロントエンドです。今回の8.3.0ベータでは多数のエミュレーター更新や不具合修正が行われていますが、とくに注目したいのが、FlycastやMAME64を利用するときのコントローラー設定に関する改善です。

PC上に複数機種のレトロゲーム環境を集約している場合、ゲームパッドだけではなく、ハンドルコントローラーやライトガンなど複数の入力機器を使い分けるケースもあります。今回の変更は、そうした環境で毎回設定を調整する手間を減らす方向のアップデートになっています。

●RetroBat beta 8.3.0 ― RetroBat-Official / GitHub
https://github.com/RetroBat-Official/retrobat/releases/tag/beta_8.3.0

●RetroBat公式サイト
https://www.retrobat.org/

Flycastでハンドル設定を使い分け可能に

8.3.0ベータでは、Flycast向けのハンドルコントローラー設定が拡張されています。アーケード、ドリームキャスト、そしてドリームキャストのレーシングコントローラー向けに、ハンドルのYAMLマッピングを個別に持てるようになりました。

これまでは、同じFlycastを利用していても、遊ぶゲームや使用するコントローラーによって操作感が異なり、設定の調整が必要になるケースがありました。今回の変更により、たとえばドリームキャストのレースゲームとアーケードゲームで異なるハンドル設定を使いたい場合などに、それぞれに合わせたマッピングを用意しやすくなります。

さらに、ハンドルの「saturation(飽和)」と「deadzone(デッドゾーン)」を調整する機能も追加されています。ハンドルをどの程度回したところで最大入力とするか、中央付近の微小な入力をどこまで無視するかといった部分を調整できるため、使用するハンドルコントローラーやゲームに合わせた操作感を作りやすくなりそうです。

また、Flycastではレーシングコントローラー使用時に「ぷるぷるぱっく」を追加する設定も加わっています。この場合、VMUはコントローラー側のポート2に接続される仕様です。加えて、ハンドルのトリガー入力が反転するケースに対応する設定もYAML側に追加されています。

なお、これらはRetroBat 8.3.0ベータの変更点として発表されているものです。Flycast本体に今回初めて実装された機能という意味ではなく、RetroBat側の設定生成や連携を含めた変更として捉えるのがよさそうです。

MAME64はプレイ中に変更した設定を保持

MAME64では、ゲームのプレイ中に.cfgファイルへ反映された変更を保持するようになりました。

MAMEを利用していると、タイトルごとにボタン配置や入力設定を微調整したくなることがあります。RetroBatのようなフロントエンドを経由する環境では、自動生成される設定とユーザーが直接変更した設定の扱いが使い勝手を大きく左右します。

今回の改善によって、MAME64上でプレイしながら調整した設定をそのまま残せるようになるため、タイトルごとに操作環境を作り込んでいるユーザーにとっては実用性の高い変更といえそうです。

コントローラーの取り外しや誤認識も修正

入力機器関連では、EmulationStationでHIDAPIコントローラーを取り外した際にクラッシュする問題が修正されています。また、マウス/ガンマネージャーで発生していた複数のクラッシュへの対処や、本来ライトガンではない機器をライトガンとして認識してしまう問題についても修正が行われました。

DirectInput機器についても、接続中のデバイスだけを列挙するように変更されています。公式リリースノートでは、機器を取り外したあとに残る「ghost device」によってコントローラーのインデックスがずれる問題への対策と説明されています。

PCに複数のコントローラーを接続したり、ゲームによってハンドルやライトガンを差し替えたりする環境では、こうした入力機器の認識順や誤認識がトラブルにつながる場合があります。目立つ新機能ではありませんが、RetroBatをゲーム環境の中心として利用しているユーザーほど恩恵を受けやすい部分でしょう。

FlycastとDolphinの標準描画APIはD3D11へ

そのほか8.3.0ベータでは、FlycastとDolphinで標準使用する描画APIも変更されています。従来のVulkanではなくDirect3D 11を標準とし、公式はVulkanで多くのユーザーにクラッシュが発生していたことを理由として挙げています。

RetroArchについても、負荷の高い一部コアでは巻き戻し機能を標準で無効化する変更が行われています。また、RetroBatの設定画面と各エミュレーターへ渡されるディスプレイ番号の扱いを揃えるMonitorIndex関連の変更など、安定性や設定の分かりやすさを意識した調整が多数含まれています。

単純なエミュレーターのバージョン更新だけではなく、「一度作った操作環境をなるべく崩さずに使う」という部分に手が入っているのが、今回の8.3.0ベータの特徴のひとつです。

8.3.0はまだベータ版。試す場合は注意

「RetroBat beta 8.3.0」はGitHub上でPre-releaseとして配布されており、Windows 64bit向けの「RetroBat-v8.3.0-beta-win64-setup.exe」が案内されています。公式も正式な8.3.0公開前のベータリリースであることを明記しており、十分にテストするよう呼びかけています。

そのため、今回の変更によってすべての環境で安定性が向上するとは限りません。現在のRetroBat環境を安定して利用できている場合は、正式版を待つという選択肢もあります。

一方で、ドリームキャストやアーケードゲームでハンドルコントローラーを使っている人や、MAMEの入力設定をタイトルごとに調整している人にとっては、実際の使い勝手に直結する変更が多く含まれています。正式版8.3.0に向けて、RetroBatの入力機器まわりがどのように仕上がっていくのか確認しておきたいアップデートです。

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