Sonyの携帯ゲーム機「PSP」向けに、オープンソースのゲームエンジン「Godot Engine」を移植する非公式プロジェクト「godot-psp」の第6公開版が、2026年9月23日にGitHubで公開されました。
今回のアップデートでは、スケルトンやボーンを使用した3Dアニメーションが正常に動作するよう修正されたほか、オーバークロックによるパフォーマンス向上が図られています。2004年に登場したPSPを、自作の2D/3Dゲームを動かすための開発プラットフォームとして利用できるという、なかなかユニークなプロジェクトです。
●godot-psp Releases — GitHub
https://github.com/technicaljicama/godot-psp/releases
PSPでGodot製の2D/3Dゲームを動かす非公式プロジェクト
「godot-psp」は、technicaljicama氏がGitHubで公開しているGodot EngineのPSP向け非公式移植プロジェクトです。リポジトリ自体もGodotのソースコードをベースにしており、PSP向けビルド用の実装が追加されています。
利用するのは現行バージョンのGodotではなく、「Godot 2.1.6」です。Godot 2.1.6は2019年7月11日に正式公開された旧世代のバージョンで、現在も公式サイトのアーカイブからエディターなどを入手できます。
基本的な流れとしては、Godot 2.1.6で2Dまたは3Dゲームを制作し、ゲームデータを「data.pck」として書き出します。その後、PSPの「/PSP/GAME/」内に任意のフォルダーを作成し、第6版に付属する「EBOOT.PBP」と「data.pck」を同じフォルダーへコピーするという仕組みです。
ゲーム内容を更新する場合は、「data.pck」のみを差し替えればいいと説明されています。
そのため、既存のGodot製PCゲームをPSPへコピーすれば、そのまま遊べるというものではありません。あくまでもGodot 2.1.6を使用してPSP上で動作するゲームを制作するための、Homebrew向け開発環境という位置づけです。
第6版では3Dアニメーションを修正。オーバークロックで高速化も
今回公開された「sixth public release」では、大きくふたつの改善点が挙げられています。
ひとつは3D関連で、スケルトンとボーンを使用したアニメーションが正常に動作するようになりました。キャラクターなどのモデルをボーンで動かす一般的な3Dアニメーションが扱いやすくなったことで、PSP上で制作できる3Dゲームの幅も広がりそうです。
もうひとつがパフォーマンス面の改善です。開発者によると、オーバークロックによって以前のバージョンより高速に動作するようになったとのことです。
具体的なクロック周波数やゲームごとの性能差などについては、今回のリリースノートでは示されていません。そのため、実際にどの程度高速化されるかは、制作するゲームの内容などによっても変わってきそうです。
ちなみに、前回の第5公開版は2026年8月8日にリリースされています。このバージョンでは、音声が正常に再生されるようになったほか、実機PSP上で発生していたクラッシュの修正などが行われていました。
そこから約1カ月半で、今度は3Dアニメーションや動作速度へと改善範囲が広がった形です。
開発者は「PSP-2000がほぼ必須」と説明
一方で、まだ実験的なプロジェクトであることには注意が必要です。
リポジトリのREADMEでも現状は「POC(Proof of Concept)」とされており、第6版のリリースノートでは、開発者から「PSP-2000がほぼ必須」と案内されています。
また、既知の問題も残っています。3Dでは、「Mesh」経由でインポートしたモデルが正常に表示されない場合があります。その場合は、DAE形式のファイルを「Import → Scene」から読み込む方法が案内されています。
2Dについても、設定によって画面上にフレームが残る問題などが報告されています。
まだ一般的なゲーム制作環境と同じ感覚で使える段階ではありませんが、2004年に登場した携帯ゲーム機上でGodot製の2D/3Dゲームを実際に動かせるというだけでも興味深いところです。
PSPのHomebrew開発に興味がある人にとっては、今後の進化も追いかけたくなるプロジェクトといえそうです。















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