【スーパーファミコンの名作】箱庭ゲームを生んだふたりの天才による10本のゲーム

【スーパーファミコンの名作】箱庭ゲームを生んだふたりの天才による10本のゲーム

ゲームの世界では、これまで何度かイノベーティブな作品が生まれてきました。そのうちのひとつが奇しくも1989年という同時期に生まれたふたつのソフトです。そのタイトルの名は、『シムシティ』『ポピュラス』

いわゆる「箱庭系ゲーム」といわれるこれらの作品は、従来までなかった、ゲームの世界にプレイヤーが神の如く介入することで進行していくというスタイルが採用されていました。これらのゲームは1度プレイし始めると止め時がまったく見つからず、ついつい遊び続けてしまうという中毒性の高さも共通しています。

『シムシティ』を産んだのは、ゲームデザイナーのウィル・ライトという人物。本作の前作にあたる『バンゲリングベイ』の中で、破壊されてしまった街が住民たちにより自動的に再生されていく様子が面白いと考え、『シムシティ』の開発に繋げています。

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▲ウィル・ライト氏。『スマブラ』に登場するDr.ライトのモデルでもあります。

『シムシティ』は、シンプルな内容で、自分が視聴となって都市の設計を行っていくというもの。何もない土地に、道路や発電所などを設置し、そこに住宅地や商業地、工業地などの区画を設定することで、どんどん街が発展していく様子を眺めていくことができるという作品です。

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一方、『ポピュラス』を生み出したのは、ゲームデザイナーのピーター・モリニューです。最初に作ったゲームは2本しか売れず、そのうち1本は自分の母親が購入したということから1度はゲームデザイナーの道を諦めたウィル氏。その後Amiga向けデータベースプログラムで儲けた資金で、ふたたびゲーム会社ブルフロッグを設立。その最初の作品がこの『ポピュラス』でした。

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▲『ポピュラス』の開発メンバー。クビを絞められているのがピーター・モリニュー氏。

この『ポピュラス』は『シムシティ』よりもややゲーム性が高く、リアルタイムストラテージ的な要素を含んでいます。プレイヤーは全能の神となり、争い会うふたつの種族の一方に力を貸し勝利に導いていくというのがゲームの目的です。

実際にできることは、土地の上げ下げというシンプルなもの。人間たちの住む場所では、土地を平らにしていくことで、小屋から徐々に発展していき最後は城にしていくことができます。

シンボルの場所を設定することで、リーダーがそちらの方向に動き、それに合わせて住民たちも移動。ゲーム中に貯まっていくサイコフレームが騎士のアイコンにあるときは、味方のリーダーを騎士に変えて殺戮マシーンとして敵陣に送り込むこともできます。

さらにサイコフレームがハルマゲドンの位置に来たときにそれを発動すると、両者入り混ざりどちらかが全滅するまで戦いが続けられます。

【スーパーファミコンの名作】箱庭ゲームを生んだふたりの天才による10本のゲーム

このふたりの天才ゲームデザイナーたちは、その後多数の名作ゲームを生み出しています。先に挙げた『シムシティ』や『ポピュラス』以外の作品も、スーパーファミコン向けに移植されています。いずれも個性的な作品となっているので、まだ遊んだことがないならば、ぜひこの素晴らしさを体験してみてください。

■ウィル・ライトの作品
『シムシティ』(1991年4月26日発売)
『シムアース』(1991年12月29日発売)
『シムアント』(1993年2月26日発売)
『シムシティ2000』(1995年5月26日発売)
『シムシティJr.』(1996年7月26日)

■ピーター・モリニューの作品
『ポピュラス』(1990年12月16日発売)
『ポピュラスII TRIALS OF THE OLYMPIAN GODS』(1993年1月22日発売)
『パワーモンガー ~魔将の謀略~』(1993年3月26日発売)
『シンジケート』(1995年5月19日発売)
『テーマパーク』(1995年12月15日発売)

『シムアース』(1991年12月29日発売)

都市作りに続いて、ウィル・ライト氏が取り組んだのは地球をテーマにしたシミュレーションゲームでした。これまたプレイヤーは全能の神となり、地球に様々な影響を与えていきながら与えられたミッションをこなしていきます。

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『ポピュラスII TRIALS OF THE OLYMPIAN GODS』(1993年1月22日発売)

基本的な部分は前作を引き継いでいながら、ギリシア神話をモチーフにした作品。ステージを進めていくことで、神業の能力が強化できるという要素も追加されています。

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『シムアント』(1993年2月26日発売)

都市から地球規模まで広がったウィル・ライトの世界観でしたが、今度は突然アリレベルになったというのが面白いところ。本作ではアリの生態をシミュレートした作品となっており、普段絶対に体験出来ないようなゲームならではの世界観が描かれています。

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『パワーモンガー ~魔将の謀略~』(1993年3月26日発売)

ピーター・モリニューが1990年に開発し、スーパーファミコン向けにも発売されたのが『パワーモンガー』というシミュレーションゲームです。『ポピュラス』を更に発展させたようなゲーム性となっており、ポリゴンで描かれたグラフィックもかなり斬新でした。

【スーパーファミコンの名作】箱庭ゲームを生んだふたりの天才による10本のゲーム

『シムシティ2000』(1995年5月26日発売)

大ヒットした『シムシティ』の続編として発売されたのが、こちらの『シムシティ2000』です。前作ではトップビューだったのがクォータービューに変更。新たに水道などの要素が加わるなど、より緻密な都市設計が楽しめるようになっています。

【スーパーファミコンの名作】箱庭ゲームを生んだふたりの天才による10本のゲーム

『シンジケート』(1995年5月19日発売)

これまで箱庭系ゲームが主体だったピーター・モリニューの作品ですが、この『シンジケート』では、4人のエージェントを操り世界統一を目指していくサイバーシミュレーションRPGとなっていました。一般市民を洗脳して利用するなど、比較的プレイに自由度も高く遊び方さえわかればハマる内容となっています。

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『シムシティJr.』(1996年7月26日)

元々『シムタウン』として発売されていたシミュレーションゲームを、スーパーファミコン向けに移植した作品です。そのため、従来までの『シムシティ』と比較してシンプルになっており、お手軽に街作りが楽しめるという内容になっています。

【スーパーファミコンの名作】箱庭ゲームを生んだふたりの天才による10本のゲーム

『テーマパーク』(1995年12月15日発売)

ピーター・モリニューが1991年に来日した際、東京ディズニーランドに行ったことがきかっけで生まれた作品。典型的な箱庭系ゲームといった内容で、テーマパークに様々な施設を建てて行き経営していくシミュレーションゲームとなっています。

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おまけ

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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。