ModRetroから発売されているNINTENDO64互換FPGAゲーム機『M64』向けに、非公式の代替ファームウェア「OM64」が開発されていることが明らかになりました。
2026年9月21日にRedditユーザーのfulviov氏が公開した情報によると、「OM64」はM64の純正ファームウェアを置き換えて動作させる実験的なファームウェアです。すでにゲームボーイとスーパーファミコンのFPGAコアが動作しており、NINTENDO64コアについても現在開発が進められています。
ただし、本稿執筆時点ではOM64の一般向けバイナリやソースコードの配布は確認できません。あくまでも開発途中のプロジェクトであり、実際に誰でも導入できる状態になったわけではない点には注意が必要です。
OM64では、テーマに対応したグラフィカルなローダーが用意されているほか、720p、1080p、4Kの映像出力に対応。映像モードについても、バッファード、低遅延、VRRなど複数のモードが実装されているとしています。
さらにWi-FiやOTAアップデート、Bluetoothゲームパッドにも対応しているとのことで、単純に別のFPGAコアを起動できるだけではなく、独自のシステムとして開発が進められていることが分かります。
MiSTer FPGAのコアをM64向けに移植
興味深いのは、OM64で動作しているゲームボーイとスーパーファミコンのコアが、MiSTer FPGA向けに開発されているコアをベースにしている点です。
Redditで移植について質問されたfulviov氏は、MiSTerのコアを移植したものであることを認めています。ただし、MiSTerとM64ではアーキテクチャが大きく異なるため、そのまま動かしたわけではなく、FPGAロジックをM64向けに移植・調整する作業が必要だったとのことです。
今後についても、MiSTerですでに開発されているコアの多くを移植していきたいとしています。
ROMについてはMiSTerと同様にSDカードから読み込む仕組みで、現時点のセーブ機能はSRAMのみ。ステートセーブについては、今後実装する予定であることも明らかにされています。
これまでM64は、NINTENDO64をFPGAで再現する互換機として販売されてきました。しかし、今回のOM64のようなプロジェクトが発展していけば、将来的にはMiSTer FPGAのように、ひとつのハードウェアで複数のレトロゲーム機をFPGAで再現できる環境へと広がっていく可能性も出てきそうです。
M64の回路図公開から約1カ月で独自ファームウェアが登場
ModRetroは2026年8月、M64のオープンソース化の第1弾として、本体やカートリッジの機械設計、電気設計に関するデータを公開しています。
一方、ModRetro公式GitHubに用意されている「oss-m64-console」リポジトリでは、本稿執筆時点でもソフトウェアについては「Coming soon!」とされており、公式ファームウェアのソースコードはまだ公開されていません。
fulviov氏によれば、OM64の開発を始めるきっかけになったのも、このM64の回路図が公開されたことだったそうです。純正ファームウェアの映像品質やCRTフィルターに満足できなかったことから、代替ファームウェアを一から作ってみようと考えたと説明しています。
つまり今回のOM64は、ModRetroが公式ファームウェアのソースコードを公開したことで生まれた派生版ではなく、公開済みのハードウェア情報を手がかりに、コミュニティ側で独自に開発が進められているプロジェクトというわけです。
なお、OM64自体についても、アーキテクチャとコードベースが安定した段階でオープンソース化する予定としています。
現時点では実験段階。導入には本体への書き込みが必要
OM64は現在も実験的なファームウェアです。
Redditでは、「純正ファームウェア用とOM64用でSDカードを交換すれば切り替えられるのか」という質問も寄せられていますが、fulviov氏によれば、OM64を利用するにはM64本体へファームウェアを書き込む必要があります。純正へ戻す場合も、再び純正ファームウェアを書き込む必要があるとのことです。
一方で、公式M64サイトで利用されているものと同じリカバリーの仕組みを利用しているため、純正ファームウェアへ戻せると開発者は説明しています。
とはいえ、現在はインストール方法や一般向けの配布物も公開されていないため、実際に試すというよりは、今後の開発を見守る段階と考えたほうがよさそうです。
また、Pixel Cherry NinjaのYouTubeチャンネルでは、OM64のコアや映像モードなどを紹介するライブデモも予定されています。
かつてModRetro側も、M64へMiSTer FPGAのコアを移植するためのリファレンスデザインを公開する計画を明らかにしていました。今回のOM64は、そうしたM64の「NINTENDO64以外のFPGAコアも動かせるハード」という可能性を、コミュニティ側から実際に形にし始めたプロジェクトといえそうです。
今後、OM64本体やソースコードの一般公開に加えて、どのMiSTer FPGAコアがM64へ移植されていくのかにも注目したいところです。
【メインターゲット】
「OM64 – Open M64 custom firmware」開発者Ko-fiページ
開発者がReddit投稿から「More info」として案内しているOM64のプロジェクトページです。本稿執筆時点ではダウンロードページではなく、プロジェクト情報の確認先となっています。
OM64 – Open M64 custom firmware(Ko-fi)
「OM64 – Open M64 custom firmware」Redditオリジナル投稿
OM64の機能、現在の開発状況、ゲームボーイ/スーパーファミコンコア、今後のオープンソース化などを開発者本人が説明しています。現時点ではOM64の一般向け配布ページは確認できません。
OM64 – Open M64 custom firmware(Reddit / r/M64)
【情報元】
ModRetro公式「oss-m64-console」
M64公式のオープンソース用GitHubリポジトリ。ハードウェア設計へのリンクが用意されている一方、ソフトウェアは現在「Coming soon!」となっていることを確認できます。
ModRetro / oss-m64-console(GitHub)
ModRetro公式「M64 Open Source Files」
M64本体などの機械設計・電気設計データの公式公開ページです。OM64開発のきっかけになったとされるM64の公開ハードウェア資料を確認できます。
M64 Open Source Files(ModRetro)
【補足情報】
今回指定されたr/fpgagamingの投稿
上記r/M64のOM64オリジナル投稿をr/fpgagamingへ共有したものです。記事の情報源としては、内容を確認できるオリジナルのr/M64投稿を優先しています。
OM64 – Open M64 custom firmware(Reddit / r/fpgagaming)
Pixel Cherry NinjaによるOM64ライブデモ
開発者がOM64の映像モードやコアなどを実演すると案内しているYouTubeライブです。
OM64ライブデモ(Pixel Cherry Ninja / YouTube)















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