ドリームキャスト純正キーボードをUSB化。RP2040-Zero対応版と実機確認を公開

ドリームキャスト純正キーボードをUSB化。RP2040-Zero対応版と実機確認を公開

GitHubユーザーのlitchi-ghは2026年9月16日23時49分37秒(日本時間)、ドリームキャスト純正キーボード「HKT-4000」をPC用USBキーボードとして利用できるようにするプロジェクト「Dreamcast HKT-4000 USBキーボード変換」を更新しました。

今回の更新では、新たにWaveshare RP2040-Zero向けのファームウェアが追加されたほか、日本語版HKT-4000を使用した実機確認の結果や写真、配線資料、トラブルシュートなども公開されています。前日の9月15日に公開された初期版ではRaspberry Pi Pico向けのUF2が用意されていましたが、今回は対応するマイコンボードや資料がさらに拡充された形です。

●Dreamcast HKT-4000 USBキーボード変換(GitHub)
https://github.com/litchi-gh/pico_dc_keybord_convert

ドリームキャストのHKT-4000をPC用USBキーボードとして再利用

本プロジェクトは、ドリームキャスト向けの純正キーボードHKT-4000をRaspberry Pi Pico、またはWaveshare RP2040-Zeroに接続し、PCからUSB HIDキーボードとして認識させるための自主開発ファームウェアです。

HKT-4000とマイコンボードの間ではドリームキャストで使用されているMapleバスを利用して通信し、その入力をUSB HIDのキーボード入力へ変換します。ファームウェアでは約8ミリ秒間隔でキーボードの状態を取得し、USB HIDブートキーボードレポートへ変換する仕組みになっています。

公開されているビルド済みUF2は、Raspberry Pi Pico用の「dc_keyboard_usb.uf2」と、Waveshare RP2040-Zero用の「dc_keyboard_usb_rp2040_zero.uf2」の2種類です。ただし、開発者が「実機確認済み」と明記しているのはRP2040-Zero版で、Pico版については「ビルド済み」とされています。

日本語版HKT-4000で同時押しや左右Shiftも確認

開発者によると、Waveshare RP2040-Zeroと日本語版HKT-4000を組み合わせた実機で、単独キー入力や複数キーの同時押し、左右Shiftを含む修飾キーの動作を確認したとのことです。ただし、これはあくまで開発者自身による確認結果であり、当サイトで独自に追試したものではありません。

通常キーは最大6個までの同時押しと修飾キーに対応。S1とS2キーはそれぞれ左/右GUIキー、S3キーはApplication/Menuキーとして扱われます。日本語版を使用する場合はPC側のキーボード配列を「日本語106/109」に設定する必要があります。

一方で、PC側のNum Lock、Caps Lock、Scroll LockのLED状態はHKT-4000には転送されません。また、対応状況についてもすべてのOSやHKT-4000の各地域版での動作が保証されているわけではないため、このあたりは実際に製作する際に注意しておきたいところです。

完成品ではなく、配線や電子工作が必要

今回公開されているのは完成済みのUSB変換アダプターではありません。HKT-4000本体に加えて、Raspberry Pi PicoまたはRP2040-Zero、ドリームキャスト用延長ケーブルのメス側または対応コネクタ、33Ω抵抗2本、配線材や基板、データ通信対応USBケーブルなどを別途用意する必要があります。5V保護用として0.1~0.25A程度のリセッタブルヒューズの使用も推奨されています。

配線についてはHKT-4000のSDCKAとSDCKBをそれぞれGP10とGP11へ接続し、信号線には33Ωの抵抗を直列に入れる構成です。+5V、GND、Senseについても接続が必要になるため、単純にケーブル同士をつなぐだけで利用できるものではありません。

特に注意したいのが電源まわりです。READMEでは、コネクタを見る方向によって端子番号が左右反転することがあるため、ケーブルの線色だけで判断せず、電源投入前にテスターで端子を確認するよう警告されています。+5VをGPIOや3V3端子へ誤って接続するとマイコンボードを破損する可能性があるほか、ドリームキャスト本体に接続したまま変換基板側からも給電する二重給電も避ける必要があります。

配線図やトラブルシュートも公開

今回の更新では、こうした製作に必要な配線資料に加えて、トラブルシュートも用意されています。USBキーボードとして認識されない場合や、USB機器としては認識されるもののキー入力が行えない場合などについて、確認すべき電圧や配線が具体的にまとめられています。

また、古いRP2040-Zero用UF2にはMapleワードのバイト順に関する問題があり、単独キーが反応しなかったり、同時押しが修飾キーとして扱われたりする場合があるとされています。この症状が出る場合は、最新版の「dc_keyboard_usb_rp2040_zero.uf2」へ書き換えるよう案内されています。

ドリームキャストのHKT-4000をUSBキーボード化する試み自体には以前から別の製作例も存在しているため、今回のプロジェクトを「世界初」とするものではありません。たとえば2022年には、HKT-4000をQMK Firmware対応のUSBキーボードとして改造する例も公開されています。

今回のプロジェクトは、HKT-4000と外部のRP2040系ボードを組み合わせて利用するためのファームウェアや配線資料、ビルド済みUF2がひとまとめに公開されているのがポイントです。眠っているドリームキャスト純正キーボードをPC環境でも活用してみたい人にとって、興味深い選択肢のひとつとなりそうです。

なお、本プロジェクトはMIT Licenseで公開されています。製作を試す場合は、配線や電源に関する注意事項が更新される可能性もあるため、作業前に最新のREADMEとトラブルシュートを確認しておくことをおすすめします。

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