Alphanu1氏が開発を進めているMiSTer FPGA向け「Sega Model 1」コアで、『バーチャレーシング』をプレイできる公開ビルドが登場しました。関連するコミットは、2026年9月10日0時46分46秒(日本時間)に公開されています。
今回公開されたのは、MiSTer FPGA/DE10-Nano向けにセガのアーケード基板「Model 1」をFPGAで再現する非公式コアです。すでにゲームをプレイできる段階に達していますが、現時点では音声が実装されていません。
●Sega Model 1 — MiSTer core
https://github.com/alphanu1/sega-model1-mister
セガの初期3D作品を支えた「Model 1」をFPGAで再現
Model 1は、セガが1990年代初頭に展開したアーケードゲーム基板です。フラットシェーディングによるポリゴン描画を採用しており、『バーチャレーシング』や『バーチャファイター』など、同社の初期3D作品を支えました。
今回のコアは、一般的なソフトウェアエミュレーターとしてゲームを動かすものではなく、Model 1を構成するCPUや映像処理などの仕組みをFPGA上に構築するプロジェクトです。DE10-Nanoと、シングルSDRAM構成のMiSTer FPGAに対応しています。
公開されている「Model1_20260909.rbf」では、『バーチャレーシング』が起動し、アトラクトデモから実際のゲームプレイまで動作します。2Dレイヤーのほか、コプロセッサーによる演算や3Dジオメトリ、ラスタライザーも動作しているとのことです。
また、公開フォルダには『バーチャフォーミュラ』用のMRAも収録されています。同作は『バーチャレーシング』をベースにしたリンク筐体向けの作品で、こちらも現在のビルドで動作対象とされています。
アナログペダルや描画関連の修正も追加
今回の更新では、アナログペダルへの対応が追加されました。右スティックの上下方向をアクセルとブレーキに割り当てる仕組みで、OSDに用意された「Pedals」の設定から入力方向を入れ替えられます。従来のボタン操作も引き続き利用可能です。
このほか、画面左側のクリッププレーンに関する問題や、描画時のバンド入れ替え処理が修正されています。3D処理用クロックの引き上げも行われており、一部コーナーで発生していた速度低下や、バンド境界でピクセルが欠ける問題の改善がハードウェア上で確認されています。
珚在は音声なし。128MB SDRAMでのみテスト
一方で、現時点ではModel 1のサウンド基板が実装されていません。そのため、ゲームは無音で動作します。実機のサウンド基板に搭載されている68000やYM3438、ふたつのMultiPCMなどについては、今後の開発項目に含まれています。
2Dタイルの読み出しが一部の走査線で間に合わず、同じラインが繰り返し表示される問題も残されています。また、現在の公開ビルドは128MBのSDRAMモジュールでのみ動作確認されているため、導入時には注意が必要です。
リポジトリには『バーチャファイター』『ウイングウォー』『スター・ウォーズ アーケード』『セガ・ネットマーク』などのMRA候補も含まれています。ただし、これらは現在の一般向け公開対象とは区別されており、すべてのModel 1作品に対応した正式版ではありません。
ROMデータは付属せず、I/O基板用BIOSも必要
公開ファイルにはROMデータが含まれていないため、利用者自身が合法的な方法で用意する必要があります。
『バーチャレーシング』を起動する場合は、ゲーム本体のデータを収録したvr.zipに加えて、I/O基板のZ80ファームウェアを収録したmodel1io.zipまたはdaytona93.zipが必要です。I/O基板のファームウェアがない場合はゲームが起動しません。
まだ音声や表示面に課題は残されているものの、セガの初期3Dアーケード基板をMiSTer FPGAで再現し、実際に『バーチャレーシング』をプレイできる段階まで到達したことは、大きな進展といえそうです。















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