N64『ポケモンスナップ』のiPhone・iPad向け静的再コンパイル版「SnapPad」Preview 3公開

N64『ポケモンスナップ』のiPhone・iPad向け静的再コンパイル版「SnapPad」Preview 3公開

NINTENDO64版『ポケモンスナップ』をiPhoneやiPad、Apple Silicon搭載Mac向けに静的再コンパイルする非公式プロジェクト「SnapPad」の最新版「v0.2.0-preview.3」が公開されました。GitHub Releasesでは2026年8月31日00時56分公開と表示されています。

●SnapPad Preview 3
https://github.com/chrissotraidis/snappad/releases/tag/v0.2.0-preview.3

●SnapPad
https://github.com/chrissotraidis/snappad

今回のPreview 3では、ゲームの重要な要素である写真撮影後の評価処理が改善されたほか、iOSでコントローラーを使用した際に発生する入力の二重認識を防ぐ修正が行われています。

写真撮影からオーキド博士の評価、次コース解放まで実機iPadで確認

Preview 3で大きく改善されたのが、撮影した写真と被写体をゲーム側で正しく関連付ける処理です。

今回の更新では、ゲームが写真を受理する「makePhoto」イベントのタイミングで、撮影した写真と被写体を関連付ける処理が追加・強化されました。一般的なZボタンを使った撮影操作を対象としており、特定のボタン入力の組み合わせから写真を推測する方式ではありません。

開発者は12.9インチiPad ProとiPadOS 26.6を使用して実機テストを実施。Beachコースで通常通りZボタンを押して写真を撮影したところ、認識されたポケモンを写真選択画面で選べることを確認しています。

さらに、オーキド博士が複数種類のポケモンの写真を受理して評価し、その後に次のコースが解放されるところまで動作したとのことです。単にゲーム画面が表示されたという段階ではなく、『ポケモンスナップ』の基本的なゲーム進行につながる写真撮影と評価の一連の流れが実機で確認されたことになります。

汎用NINTENDO64エミュレーターではなくゲーム専用のARM64アプリ

SnapPadの特徴は、一般的なNINTENDO64エミュレーターとは仕組みが異なる点です。本プロジェクトでは『ポケモンスナップ』のデコンパイルプロジェクトをベースに、N64Recomp、N64ModernRuntime、RSPRecomp、RT64などの技術を組み合わせています。

NINTENDO64のゲームを実行時に汎用エミュレーターで処理するのではなく、『ポケモンスナップ』専用のARM64コードとしてあらかじめ変換したゲームコードを動かし、映像についてはMetalを利用する仕組みです。そのためSnapPad自体は、ほかのNINTENDO64タイトルを読み込んで遊べる汎用エミュレーターではありません。

また、iPhoneやiPadで一部のエミュレーターを動かす際に問題になりやすいJITも必要ありません。SnapPadでは静的に生成されたARM64コードを使用して動作します。

iOSのコントローラー入力で発生する二重認識も修正

Preview 3では、iOSで物理コントローラーを利用した場合の入力処理にも手が加えられています。

具体的には、コントローラー側のSelectに相当する入力が、UIKitを経由してキーボードのReturn、つまりゲーム側のStart入力としても認識されることを防ぐため、SDL2に限定的な修正が追加されています。

この修正については自動テストやビルド上での確認は行われていますが、問題が報告されていたPS5およびMCONコントローラーそのものを使用した実機での再現確認は行われていません。そのため、物理コントローラー関連については引き続き検証が必要な状態です。

また、既存のSnapPadにPreview 3を上書きインストールした場合、アプリ内にコピーされたROM、FlashRAMのセーブデータ、各種設定、操作レイアウトが保持されたことも確認されています。更新時は既存アプリを削除せず、そのまま上書きすることが推奨されています。

iPhone・iPadではIPAを再署名して導入

iPhoneおよびiPad向けには「SnapPad-v0.2.0-preview.3-unsigned.ipa」が公開されています。対応OSはiOS/iPadOS 15以降ですが、配布されているIPAは署名されていません。そのためAltStore ClassicとAltServer、または同様に未署名IPAを再署名できるサイドロードツールを使用してインストールする必要があります。App Store版やTestFlight版は用意されていません。

ゲームデータはIPAに含まれておらず、ユーザー自身が合法的に入手した未改変の北米版『ポケモンスナップ』ROMを用意する必要があります。

対応するのは北米版のみで、日本版やPAL版、改造版、ランダマイザーROMなどには対応していません。また、SnapPadがゲームデータをインターネットからダウンロードすることもありません。

Apple Silicon搭載Macについても同じ静的再コンパイル版を動かせますが、現時点ではソースコードからローカルビルドする方式となっており、署名・公証済みの一般配布用Macアプリは公開されていません。

全編の動作確認はまだ完了しておらず

SnapPadは2026年8月28日に最初の一般公開が行われたばかりのプロジェクトで、Preview 3でもゲーム全体の動作確認が終了したわけではありません。

すべてのコースやアルバム、ギャラリー、Rainbow Cloud、エンディングまでを通した完全な進行テストはまだ完了しておらず、iPhone実機での詳細な検証や割り込み処理、長時間動作、発熱などについても引き続き確認が行われています。

画面を横方向へ広げるWide表示も実験的な機能となっており、『ポケモンスナップ』の写真撮影や採点処理自体はオリジナルの4:3画面を前提として作られているため、正確性を重視する場合は4:3表示が基本となります。

なお、SnapPadは任天堂や株式会社ポケモン、その関係会社による公式プロジェクトではありません。開発者は、デコンパイルされたコードや静的に変換されたゲームロジックの再配布に関する権利上の境界についても未解決であることを明記しています。

今回のPreview 3では、『ポケモンスナップ』で欠かせない「撮影した写真を選び、オーキド博士に評価してもらい、次のコースへ進む」という流れが実機iPadで確認されました。まだ開発途中ではあるものの、単なるNINTENDO64タイトルの起動実験から、実際のゲーム進行を確認していく段階へ進みつつあるプロジェクトといえそうです。

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