1994年にアーケード向けに登場したベルトスクロールアクションゲーム『電神魔傀(Denjin Makai)』を、MiSTer FPGA上で動作させるFPGAコアのバージョン1.0が公開されました。
●Arcade-DenjinMakai_MiSTer
https://github.com/rmonic79/Arcade-DenjinMakai_MiSTer?utm_source=chatgpt.com
コアを開発したのは、MiSTer FPGA向けに『Legionnaire』や『ゴジラ』、『SDガンダム三国志 レインボー大陸戦記』などのアーケードコアを手掛けているrmonic79氏。2026年8月20日には、実際にMiSTer FPGAで動作する様子を収めた「Public Release 1.0」のデモ動画も公開されています。
『電神魔傀』の特殊なアーケードハードウェアをFPGAで再現
『電神魔傀』はWinkysoftが開発し、バンプレストから1994年に登場したベルトスクロールアクションゲームです。近未来を舞台に個性的なキャラクターたちが戦う作品で、アーケード版では最大3人での同時プレイにも対応しています。
また、スーパーファミコン向けには内容をアレンジした『ゴーストチェイサー電精』が発売され、その後1995年には続編となる『ガーディアンズ/電神魔傀II』も登場しています。
今回公開されたコアで興味深いのは、単純にCPUだけを再現しているわけではなく、『電神魔傀』が採用していたSeibu系アーケードハードウェアの構成そのものをFPGA上に再実装しているところです。
メインCPUのMotorola 68000とサウンド用Z80に加えて、BG/MG/FGとテキストレイヤーを扱うSeibu CRTC、4段階のプライオリティを備えた「SEI252」スプライト機能、さらには移動や衝突判定、DMAなどを担当する「SEI300/COP3」コプロセッサーまでSystemVerilogで再現されています。
MAMEではこれらのタイトルが「legionna.cpp」で扱われており、同系統のハードウェアを採用した作品には『Legionnaire』『Heated Barrel』『ゴジラ』『SDガンダム三国志 レインボー大陸戦記』『Seibu Cup Soccer』などがあります。
rmonic79氏はこれらのタイトルについてもMiSTer向けコアの開発を進めており、今回の『電神魔傀』も、そうしたSeibu系アーケードハードウェア再現の成果を生かしたものとなっています。
実基板と同じ約55.97Hzの映像タイミングも再現
映像出力のタイミングも特徴的です。
『電神魔傀』の実基板は一般的な60Hzとは異なり、436×281の総走査線、約6.857MHzのピクセルクロックから算出される約55.97Hzで動作しています。
今回のコアでは、この約55.97Hzというオリジナルのタイミングもそのまま再現。CRTでは実基板に近い状態で表示できる一方、60Hz固定のディスプレイではジャダーが発生する可能性があることも説明されています。
そのほか、OSDから音源チップごとの音量調整が行えるほか、CRT向けにH-Size、H-Position、V-Shiftを変更できる「CRT Adjust」や、実験的なV-Size調整機能なども搭載されています。
RBFとMRAも公開。MiSTer実機ですぐに利用可能
今回公開されたバージョン1.0は、単なる開発途中のソースコードではありません。
GitHubの「releases」フォルダーには、MiSTerで利用するためのビルド済みRBFとMRAファイルが収録されています。「Denjin Makai (set 1)」と「Denjin Makai (set 2)」の2種類のROMセットに対応しており、開発者によれば実機MiSTer上で映像、音声、入力を含めゲームを最後まで動作させられる状態になっています。
利用する場合はRBFをMiSTerの「_Arcade/cores/」に、MRAを「_Arcade/」に配置し、別途ユーザー自身が合法的に所有しているROMデータを用意する必要があります。ROMデータそのものはGitHubには含まれていません。
アーケード版『電神魔傀』は家庭用への完全移植にも恵まれてこなかった作品だけに、オリジナルのアーケードハードウェアをFPGAで再現する形でMiSTerに加わったことは、レトロアーケードファンにとってなかなか興味深いニュースといえそうです。















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