MiSTer FPGAで『Asteroids Deluxe』の筐体演出まで再現! Atariのベクターゲーム3作品に対応した新コアが登場

MiSTer FPGAで『Asteroids Deluxe』の筐体演出まで再現! Atariのベクターゲーム3作品に対応した新コアが登場

MiSTer FPGA向けに、Atariの往年のアーケードゲーム『Asteroids』『Asteroids Deluxe』『Lunar Lander』の3作品に対応した新たなFPGAコアが登場しています。

開発を手掛けているのはVIDE0DRoME氏。コアの初版は2026年7月25日に公開され、その後8月4日に大型アップデートを実施。さらに開発者がRedditでも改めて紹介したことで、MiSTer FPGAコミュニティで注目を集めています。

●GitHub
https://github.com/Videodr0me/Arcade-Asteroids_MiSTer

今回のコアで対応しているのは、1979年に登場した『Asteroids』と『Lunar Lander』、そして1980年の『Asteroids Deluxe』の3作品です。

いずれも一般的なドットで映像を描くラスタースキャン方式とは異なり、線を直接描画するベクターモニターを採用していた作品です。本コアではオリジナル基板の回路図などをもとにハードウェアを再構築するとともに、高解像度のベクターレンダラーを組み合わせています。

CRTの“光り方”まで再現

面白いのは、単純にゲームをFPGAで動かすだけではなく、オリジナルのベクターモニターらしい見た目を再現するための映像処理にも力が入れられているところです。

コアにはCRTエフェクトが用意されており、ベクター表示特有の発光感を表現するBloomやHalo、蛍光体の残光を再現するPhosphor Decayなどに対応。240p、480p、720p、1080pでの出力が可能で、1080pではより細かなベクター表示が楽しめるとされています。

さらに「あっさりしたCRT風」から、より強烈な発光表現まで複数のビデオプロファイルも用意されており、好みに合わせて見た目を調整することができます。

『Asteroids Deluxe』では実際の筐体背景まで再現

中でもユニークなのが、『Asteroids Deluxe』のアーケード筐体で使われていた特殊な映像演出の再現です。

オリジナルのアップライト筐体では、単純にベクターモニターの映像だけを見せていたわけではありません。ブラックライトで照らされた立体的な背景アートをハーフミラー越しにベクター映像と重ね合わせることで、ゲーム画面の奥に宇宙空間が広がっているような独特の見た目を作り出していました。

8月4日のアップデートでは、この筐体ならではの背景演出をMiSTer FPGA上でも再現。

実際に存在したグリーンとオレンジの2種類の背景バリエーションが用意されており、240p、480p、720p、1080pそれぞれの解像度に合わせたアートワークを、ベクター画面の背後に合成して表示することができます。

さらにPythonを使った「Custom Artwork Builder」も同梱されており、自分で用意した背景画像を組み込んだ『Asteroids Deluxe』用MRAを作ることも可能です。

『Lunar Lander』の筐体LEDも画面上に再現

『Lunar Lander』にも、実機ならではの仕組みをMiSTer FPGA向けにアレンジした機能が盛り込まれています。

オリジナル筐体には4つのLEDが搭載されており、選択しているミッションを表示する役割を持っていました。しかし当然ながら、一般的なMiSTer FPGA環境にはこれらのLEDは存在しません。

そこで本コアでは、ミッションを切り替えたときに選択したミッション名や飛行条件を画面上のOSDメッセージとして表示。開発者は、実機筐体に備わっていたミッションLEDをOSDへ置き換えた点も新コアの特徴として紹介しています。

操作面では『Lunar Lander』のアナログ式スラストレバーも再現されており、ゲームパッドのアナログスティックを使って推力を細かく調節することができます。

ちなみに、本コアのCRT風ビデオ処理を利用するには32MB以上のSDRAMが必要です。ROMデータはコアには含まれておらず、別途ユーザー側で用意する必要があります。

MiSTer FPGAではアーケードゲームのFPGA化が数多く行われていますが、今回のコアは単に基板の動作を再現するだけではなく、ベクターモニターの発光感や『Asteroids Deluxe』のハーフミラーを使った背景演出、『Lunar Lander』の筐体LEDといった、実際のアーケード筐体ならではの体験まで再現しようとしているところが興味深いポイントです。

ゲームそのものだけではなく、「当時の筐体でどのように見えていたのか」までFPGA上で再現しようという、なかなかマニアックなコアといえそうです。

via.Reddit

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