VMUProレビュー! エミュレーターにMP3も再生可能。現代に再構築されたドリキャス用ビジュアルメモリ

VMUProレビュー! エミュレーターにMP3も再生可能。現代に再構築されたドリキャス用ビジュアルメモリ

8BitModsより発売された、ドリームキャスト用のビジュアルメモリ『VMUPro』を入手しました。こちらは2025年の5月に注文したものですが、年末ギリギリに迫った12月後半にようやく手元に届いたものです。本体のカラーバリエーションは全部で7色用意されていますが、今回はその中からクラッシックホワイトをチョイス。価格はいずれも94.90ドルとなっています。

●VMUPro Handheld & Visual Memory Card for Dreamcast (Classic White)
https://8bitmods.com/vmupro-handheld-visual-memory-card-for-dreamcast-classic-white/

▲こちらが『VMUPro』のパッケージ。

ビジュアルメモリといえば、単純にゲームのセーブデータを保存するためのアイテムとしても欠かせないものですが、それだけではなくミニゲームを持ち歩いて遊べるなど画期的な取り組みも行われていました。こちらの『VMUPro』はそうした機能を踏襲していることに加えて、さらに大きく進化したデバイスに仕上げられています。

ということで、今回はこの『VMUPro』のレビューをお届けします。

不親切なレベルで情報量は少なめ!?

パッケージの中身は、本体とストラップ、そして小さな紙切れが1枚のみという構成です。公式サイトを見てもできることは書かれているものの具体的なことがまったく記載されておらず、ろくな情報が載っていないのですが、実はこの小さな紙切れに記載されているQRコードを読み取ることで公式のマニュアルに飛べるようになっていました。

……が、ここですべての情報が完璧にわかるかというとそうでもなく、しかも間違った情報もいくつか散見されました。

▲パッケージの同梱物。

●VMUProのマニュアルページ
https://www.8bitmods.wiki/vmupro

▲VMUProのマニュアルページ。

まず、この『VMUPro』の特徴をざっくりとご紹介してきましょう。真っ先に目が行くのは、カラーの液晶ディスプレイではないでしょうか? こちらは、バックライト付きの
24ビットカラー IPS TFT 1.5 インチディスプレイ
が採用されており、240×240ピクセルの解像度で映像の表示が行えます。

前面部分のボタン配置については、ほぼオリジナルのビジュアルメモリを踏襲したものになっているため、それほど操作で混乱を起こすこともないかもしれません。

ちなみにオリジナルのビジュアルメモリでは、電池のCR2032を使用していましたが、この『VMUPro』はUSB Type-Cで充電する仕組みになっています。720mAh リチウムポリマー充電池を内蔵しており、スタンバイの状態で最大750時間可動させることができます。この部分ひとつとっても、大幅に使い勝手が良くなっていると言えそうです。

本体の背面側には電池などのスロットはなく、その代わりにスピーカーが設置されています。後ほど触れますが、この『VMUPro』ではエミュレーターを動かしたりMP3で音楽を聴いたりすることができますが、想像以上にこの小さなボディから流れてくる音がクリアに聞こえました。

それもそのはずで、本機にはオーディオ再生用の44.1KHzフルレンジ統合型 0.7 ワット モノラル スピーカーが搭載されているからです。

本体上部のフタは取り外しが可能になっています。こちらを利用して、ほかのビジュアルメモリとドッキングさせてデータのやりとりを行うことも可能です。

▲もちろんドッキングも可能!

1GBのSDカードに8192個分のデータが保存可能

本機にはデュアルコア240MHzマイクロコントローラーが搭載されており、セーブデータの操作なども快適に行えるようになっているところが特徴です。

セーブデータは別途用意するmicroSDカードに保存されます。こちらは最大2TBのものまで対応していますが、1GBのSDカードに最大8192個分のビジュアルメモリに相当するデータが保存できるため、それだけが目的の場合はそれほど大きな容量のものを使用する必要はありません。

『VMUPro』内に保存されているセーブデータは、ビジュアルでわかりやすく表示されています。この辺りは、ドリームキャスト内で操作するときの見た目に似ていますね。もちろん、ドリームキャストを使わなくても、この本体のみでセーブデータの移動やコピーなども可能。

本機はWi-Fi / Bluetooth LEにも対応していますが、もう1台『VMUPro』があればワイヤレスでデータのやりとりを行うこともできます。

▲『VMUPro』内で表示されるセーブデータ。アイコンは静止画ではなくアニメーションも表示されます。
▲こちらは『VMUPro』内のセーブデータをドリームキャストでチェックしたところ。

動作が確認できなかったものとしては、セーブデータを自動でGoogleドライブに保存するという機能も用意されています。また、USBで接続することでOBSに映像をストリーミングできると書かれているのですが、それには「VMUProストリーミングプラグイン」が必要になると記載されています。……が、このプラグインがどこで配布されているかは一切記載はなし。どこを探しても見つからないため、おそらく現時点では利用することができないと思われます。

▲プラグインがどこで配布されているかは、一切情報はなし!

ミニゲームに加えてファミコン、ゲームボーイ、ゲームギア/マスターシステムのエミュレーターも遊べる!

ビジュアルメモリといえば、単純にセーブデータの保存先というだけではなく、特定のゲームではミニゲームも遊べるようになります。例をあげると『ソニック アドベンチャー』では、ゲーム内に登場する「おさんぽマシーン」にペットのチャオを持っていくことで、「おさんぽアドベンチャー」と呼ばれるミニゲームが遊べるようになります。

▲ゲーム内の「おさんぽマシーン」で、チャオをビジュアルメモリに転送できる!

当然このミニゲームも遊べないと、ビジュアルメモリとしては片手落ちです! ということで、そのままの状態でプレイできないのですが、ミニゲームを遊べるようにするための手段も用意されていました。

まず、本体で使用しているmicroSDカードのルートに「ROMS」というフォルダを作り、さらにその中に「VMU」というフォルダを作ります。そちらに、VMUのBIOSファイルを「bios.bin」というファイル名で入れておきます。

その後、『VMUPro』を起動した後で「MODE」ボタンを押し、「VMU Blowser」を選択。そこで、先ほどの『ソニック アドベンチャー』のセーブデータを選び、「Play Game」を選びます。

ビジュアルメモリの画面に切り替わるので、「MODE」ボタンを押してハートマークの位置に切り替えてAボタンを押すとゲームがスタートします。

▲ビジュアルメモリで遊べる『ソニック アドベンチャー』のミニゲーム「おさんぽアドベンチャー」もプレイ可能に!

これは「eVMU」と呼ばれるVMUエミュレーターで実現しているものですが、同様に他のエミュレーターもセットアップすることで遊べるようになります。現時点では、ファミコンとゲームボーイ/ゲームボーイカラー、ゲームギア/マスターシステムの3種類のエミュレーターが用意されています。

それぞれGitHubから最新のファイルを入手し、microSDカードのルートに「Games」というフォルダを作って入れておきましょう。また、ゲームのROMについては、それぞれ別々のフォルダに入れておく必要があります。

●ファミコンエミュレーター「VMUPro Nofrendo NES Emulator」
https://github.com/AppCakeLtd/vmupro-nofrendo
ゲームのROMの保存場所:ROMS>NES

●ゲームボーイ/ゲームボーイカラーエミュレーター「VMUPro Gnuboy Game Boy / Game Boy Color Emulato」
https://github.com/AppCakeLtd/vmupro-gnuboy/releases
ゲームのROMの保存場所:ROMS>GameBoy

●ゲームギア/マスターシステムエミュレーター「VMUPro smsplus SMS/GG Emulator」
https://github.com/AppCakeLtd/vmupro-smsplus/releases
ゲームのROMの保存場所:ROMS>SMSGG

これらの3つのエミュレーターは、グリッチなどは発生するものの、いずれも60FPSの滑らかな映像でゲームがプレイできるところが特徴です。実際に遊んでみたところ、画面の小ささは否めませんが、操作やサウンドについてはほとんど問題がありませんでした。

また、今後もこうしたエミュレーターが追加される予定だということなので、そちらも楽しみですね!

エミュレーターとは別に自作アプリも動かすための要素も用意されており、それ用のコミュニティサイトも公開されていますが、今のところあまり大きな動きはなく、特別に入手可能なアプリもまだ配布されていませんでした。

●VMUPro Developer Center
https://developer.vmu.pro/

もうひとつ、MP3プレイヤーも搭載されており、microSDカードのルートに「MP3」というフォルダを作ってファイルを入れておくだけで、プレイヤーとしても使えます。ただし、プレイヤーとしては少々簡易的で、アルバムのカバーアートなどは表示されません。

ドッキングモードで表示されるアートも再現!

ここまでは、ドリームキャスト本体の電源を切っているか、『VMUPro』単体で動作させているときのものです。この状態のことを「アンドッキングモード」と呼んでいますが、逆にドリームキャストのコントローラーにさしてゲームを動かしているときは「ドッキングモード」と呼ばれています。『VMUPro』は、基本的にこのどちらかのモードで動いていると思えばいいでしょう。

ちなみに、『VMUPro』自体はRetro Fightersのコントローラーにも対応していることが謳われていますが、たまたま同社の『StrikerDC』を所有していたので試してみたところ、まったく問題なく使うことができました。

●Retro Fighters『StrikerDC』
https://8bitmods.com/strikerdc-white/

▲『StrikerDC』でも使用可能。
▲ボタンを押すたびに表示されている絵が変化するのを見るのは面白い。

このドッキングモードでチャンネルなどを切り替えたいときは、『VMUPro』上部に設置されている左側のボタンを押すことでメニューを呼び出すことができます。この状態ではコントローラー部分のボタンは使えませんが、その代わりに上部に配置されているふたつのボタンでメニューを選んで操作することが可能です。

▲ゲーム起動中は、上部左側のボタンを押してメニューを呼び出すことができます。
▲こちらがドッキングモード中に操作できるメニュー。

まとめ:今後の進化にも期待!

ざっくりとではありますが、この『VMUPro』をご紹介してきました。正直思っている以上に機能がてんこ盛りであることに加えて、まだまだ進化の途中であることも予告されています。ドリームキャスト用のビジュアルメモリはいくつあっても困りませんが、これなら現在所有しているものを1ヵ所にまとめておくことができるほか、バックアップとしても利用出来そうです。

普段ドリームキャストを頻繁に遊んでいるヘビーなユーザーならばひとつ所有しておいても損はないアイテムといえるでしょう。そうしたことも踏まえて、今回の評価は星4としたいと思います。

評価 :4/5。
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