スーパーファミコン用マルチカートリッジ『FXPak Pro』および『SD2SNES』向けの非公式拡張ファームウェア『sd2snes+』v2.19が、2026年11月1日に公開されました。
今回のアップデートでは、これまでFXPak Pro(Mk.III)のみで利用できたAtari 2600のゲームが、旧型のSD2SNES(Mk.II)でも動作するようになりました。さらに、メニュー画面にアニメーション背景が追加されたほか、テーマごとにフォントやBGM、効果音をまとめて変更できるようになるなど、カスタマイズ機能も強化されています。
『sd2snes+』は、Luan Freitas氏らが開発している非公式の拡張ファームウェアです。公式ファームウェアをベースに、ゲームのカバー画像表示やチート管理、他機種のゲームを動作させるためのFPGAコアなど、さまざまな独自機能が追加されています。
●sd2snes+ v2.19 リリースページ(GitHub)
https://github.com/ludufre/sd2snes/releases/tag/v1.11.2-br-v2.19
●sd2snes+ 公式サイト
https://sd2snes.ludufre.com/?lang=en
●FXPAK PRO
https://krikzz.com/our-products/cartridges/fxpak-pro.html
旧型SD2SNESでもAtari 2600のゲームが動作可能に!
今回のアップデートで特に注目したいのが、SD2SNES(Mk.II)のAtari 2600対応です。
Atari 2600への対応自体は、2026年9月に公開されたv2.16で実現していました。しかし、これまではFXPak Pro(Mk.III)専用の機能となっており、旧型のSD2SNESでは利用できませんでした。
ところが今回のv2.19では、AndinhoNFS氏が開発した「STorm2600」と呼ばれる専用コアが新たに組み込まれ、Mk.IIでもAtari 2600のゲームが動作するようになっています。
このSTorm2600では、Atari 2600に搭載されていた6507 CPUや、映像を生成するTIA、入出力などを担当するRIOTといったハードウェアをFPGA上に再現しています。スーパーファミコン本体は映像の表示やコントローラーからの入力を担当する仕組みです。
ゲームのROMファイルは「.a26」形式に対応しており、2K、4KのROMに加え、F8、F6、Superchip、FEといった方式もサポートしています。これにより、アクティビジョンの『Decathlon』や『Robot Tank』などで採用されているFE方式のゲームも動作対象となっています。
ただし、Mk.IIでは32KBのROMを使用するF4方式にはまだ対応していません。また、Atari 2600の動作はMk.II、Mk.IIIともに実験的な機能という位置付けであり、すべてのゲームが正常に動作するわけではない点には注意が必要です。
なお、操作方法も両機種で共通化されました。Lボタンで難易度、Rボタンでポーズ、Xボタンでカラーと白黒の切り替え、Yボタンで4種類のカラーパレットを変更できます。Mk.IIではふたつのコントローラーにも対応しており、2P側をAtari 2600の2番目のジョイスティックとして利用できます。
メニュー画面の背景がアニメーションに対応!
もうひとつの大きな変更点が、メニュー画面のカスタマイズ機能です。
v2.19では、ゲームの一覧を表示するメニュー画面にアニメーション背景が追加されました。標準テーマでは星空がゆっくりと流れる演出が用意されており、従来の静的な背景から見た目が変化しています。
さらに、テーマ作成ツールの「Theme Creator」を利用することで、好みの画像をもとにオリジナルのアニメーション背景を作成することも可能です。背景のスクロール方向や速度も調整できるようになっています。
また、テーマファイル(.thm)に独自のフォントやメニューBGM、4種類の操作音などを含められるようになりました。テーマを選択すると、フォントやサウンドを適用するかどうかを選べるため、見た目だけでなく音も含めてメニュー全体の雰囲気を変更できます。
フォントについては、新たに「.sfn」形式にも対応しています。SDカードにコピーしたフォントファイルをメニュー上で選択するだけで、文字のデザインを変更できます。
公式サイトにはフォントギャラリーや専用エディターも用意されており、自分好みのデザインを作成できるのも面白いところです。
ただし、日本語と中国語のメニューでは、アニメーション背景が表示されないという制限があります。これらの言語では文字表示に同じ映像メモリーを使用するためで、現時点では日本語メニューとアニメーション背景を同時に利用することはできません。
SDカードへのアクセス速度も改善
このほかにも、ファイル管理関連の機能が改善されています。
SD2SNES(Mk.II)とNXP製チップを搭載したFXPak Pro(Mk.III)では、SDカードへの読み書き処理が高速化されました。開発者によるUSB経由のテストでは、読み込み速度が0.76MB/sから0.89MB/s、書き込み速度が0.32MB/sから約0.45MB/sに向上したとしています。
また、ファイルのコピーを開始するまでの待ち時間や、ファイル一覧の並び替え処理も改善されています。ファイル名の変更時には文字カーソルを移動できるようになり、途中の文字だけを修正することも可能になりました。
導入する場合はファームウェア一式の更新が必要
『sd2snes+』v2.19は、GitHubのリリースページから無料でダウンロードできます。
導入する場合は、配布されている「sd2snes_firmware_v1.11.2-br-2.19.zip」をダウンロードして展開し、「sd2snes」フォルダーをSDカードのルートにコピーします。その後、スーパーファミコンの電源を入れ直すことで更新が反映されます。
ただし、今回はファームウェア本体と関連ファイルを同じバージョンでそろえる必要があります。ファームウェアだけを入れ替えるのではなく、配布パッケージに含まれているフォルダー一式をコピーしてください。
また、独自に設定したメニューBGMや効果音などは更新時に上書きされる可能性があるため、事前にバックアップしておくことをおすすめします。
なお、v2.15以前から更新する場合は、SDカード内のファイル構成が変更されているため、Web Managerによる整理作業が必要です。
今回のv2.19は、旧型SD2SNESでもAtari 2600のゲームが動作するようになったという機能面での進化に加え、メニューの見た目やサウンドまで自由に変更できるようになった点も魅力です。
もともとはスーパーファミコンのゲームを遊ぶための機器ですが、アップデートを重ねることで、ほかのゲーム機まで再現できるようになっているのは、なかなか興味深いところではないでしょうか。




















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