幻のメガドライブ用『Treasure Tails』試作版が約33年ぶりに公開! テイルス主演の未発売作、ソースコードも発掘

幻のメガドライブ用『Treasure Tails』試作版が約33年ぶりに公開! テイルス主演の未発売作、ソースコードも発掘

ゲームの試作版や未発売作品などの保存活動を行っている「Hidden Palace」と「DevStash」は、2026年10月31日、セガが1993年に開発を中止したメガドライブ向けタイトル『Treasure Tails』の試作版を公開しました。

『Treasure Tails』は、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズに登場するテイルスを主人公にしたパズルアドベンチャーゲームです。今回発見されたのは1993年4月に制作された試作版で、当時のソースコードの一部や設計資料もあわせて公開されています。

これらのデータは、かつてSega Technical Institute(STI)でプログラマーとして働いていたKen Rose氏が保管していたフロッピーディスクから発見されたものです。これまで断片的な映像資料などでしか知られていなかった幻の作品が、約33年の時を経て、実際の開発データとして姿を現したことになります。

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https://hiddenpalace.org/News/Happy_Halloween_2026!_A_Journey_Through_STI’s_Early_Years

1993年のクリスマス商戦に向けて開発されていたテイルス主演作

『Treasure Tails』の開発が始まったのは、1992年12月のことです。

当時、セガ・オブ・アメリカの経営陣はSTIに対して、翌1993年のクリスマス商戦に向けた、小規模でシンプルなテイルス主演ゲームの制作を依頼しました。

本作は、従来の『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』シリーズのような横スクロールアクションではなく、斜め上から見下ろす等角投影型のパズルアドベンチャーゲームとして企画されていました。迷路のような世界を舞台に、テイルスが冒険を繰り広げるという内容です。

開発には、リードプログラマーのKen Rose氏をはじめ、プログラマーのEarl Stratton氏、ゲームデザイン担当のHoyt Ng氏、グラフィック担当のCraig Stitt氏らが参加していました。

しかし、開発が進むにつれて大きな問題が浮上します。

グラフィックをひとりで担当していたStitt氏が作業量を懸念したことから、必要なアニメーションをすべて洗い出してみたところ、完成までに約4年分もの作業が必要になるという見積もりになったのです。

この結果を受けて、1993年4月16日に開発中止が決定。スタッフは『Sonic the Hedgehog Spinball(ソニック・スピンボール)』の開発へと移ることになりました。

2020年には存在が判明していたものの、試作版は確認されていなかった

『Treasure Tails』の存在が広く知られるようになったのは、2020年のことです。

元STIスタッフのCraig Stitt氏が、1995年に制作した自身のビデオ履歴書を見直したところ、その中に『Treasure Tails』の映像が残されていることを発見しました。

公開された映像には、テイルスが登場するゲーム画面が収められていましたが、これらは実際のゲーム画面ではなく、企画段階で制作されたモックアップ画像でした。

そのため、当時はゲームがどの程度まで開発されていたのかもはっきりしておらず、実際に動作するプログラムが存在するのかも不明でした。

ところが今回、Ken Rose氏が保管していたフロッピーディスクから、1993年4月に制作された試作版が発見されたのです。

Hidden Palaceによると、Rose氏は2025年12月にDevStashの創設者Ashley Rojas氏からインタビューを受けた後、過去に保管していたフロッピーディスクを調査。その結果、1990年から1994年にかけてSTIで開発されていた複数のプロジェクトに関するデータが見つかったといいます。

試作版とともに当時のソースコードや設計資料も公開

今回公開された『Treasure Tails』の試作版は、1993年4月に制作された開発途中のデータです。ただし、2020年に公開されたモックアップ画像と、今回発見された試作版には違いもあります。

特に、以前の映像に登場していた寺院をモチーフにしたグラフィックは、今回の試作版には含まれていません。これらの画像自体は制作されていたものの、開発中止までにゲームへ組み込まれていたのかどうかは不明とのことです。

また、発見された設計資料からは、本作が海外のテレビアニメ『Adventures of Sonic the Hedgehog』と連動する作品として構想されていた可能性も明らかになっています。

具体的には、テイルスが古代の寺院を冒険するエピソード「Tails’ Tale」との関連が示されており、ゲームとテレビアニメを連動させる計画があったことがうかがえます。

さらに、今回の発掘では試作版のプログラムだけでなく、当時のソースコードの一部や設計資料も見つかっています。

もっとも、これらは完成したゲームのデータではありません。ソースコードについても一部が残されているという状態で、製品版として完成させられるだけのデータがそろっているわけではない点には注意が必要です。

それでも、これまでモックアップ画像でしか確認できなかった作品について、実際の開発データや設計資料が残されていたことは、ゲームの歴史を知るうえでも興味深い発見といえるでしょう。

『Jester』『B-Bomb』『Segapede』など、ほかの5作品の資料も発掘!

今回の発掘は『Treasure Tails』だけにとどまりません。

Ken Rose氏が保管していたフロッピーディスクからは、STIが開発に関わった計6プロジェクトに関連する試作版やソースコードなどが見つかっています。

『Treasure Tails』以外の5作品は、以下のとおりです。

  • 『Jester』:後に『Kinetix』と呼ばれるようになった未発売アクションゲーム。1991年4月の試作版が発見され、キャラクターがボール状に変形する仕組みなどを確認できます。
  • 『Dark Empires』:開発中止となったファンタジー戦略ゲーム。試作版は2025年に公開済みですが、今回は新たにソースコードが発見されました。ただし、一部の素材が欠けているため、そのままではコンパイルできないとされています。
  • 『Kid Chameleon』:1992年に発売されたメガドライブ用アクションゲーム。1991年12月の別バージョンの試作版が発見されました。
  • 『B-Bomb』:上から敵を踏みつぶして攻撃する、縦方向のアクションゲーム。1992年7月の試作版が公開され、当初考えられていた以上に開発が進んでいたことが判明しています。
  • 『Segapede』:後に『Astropede』と改名された未発売アクションゲーム。ソースコードなどが発見され、そこから1994年1月時点の、従来知られていたものより古い試作版が生成されています。

特に『Segapede』については、当時のソースコードをコンパイルすることで、これまで確認されていた1994年6月版とはステージ構成が異なる、さらに古いバージョンが得られたとのことです。

また、発見されたソースコードには『ソニック・スピンボール』の当たり判定処理に関連するコードや、ほかのSTI作品に由来する情報なども含まれていました。

なお、『Segapede』については、今回発見されたソースコードにコンパイルしやすくするための変更を加えたリポジトリもGitHubで公開されています。こちらは当時のオリジナルデータそのものではなく、現代の環境で扱いやすいように調整されたものです。

試作版や関連資料はHidden Palaceで公開

今回発見された『Treasure Tails』の試作版やソースコード、関連資料については、Hidden Palaceに個別の紹介ページが設けられています。

●Hidden Palace:Treasure Tails(試作版)
https://hiddenpalace.org/Treasure_Tails_%28prototype%29

●Hidden Palace:Treasure Tails(ソースコード・設計資料)
https://hiddenpalace.org/Assets/Treasure_Tails/Source_Code

なお、2026年11月1日の確認時点では、試作版本体のダウンロードリンクが404エラーとなっており、ファイルの入手や実際の動作までは確認できていません。今回の公開は、セガによる公式な復刻や正式な製品化ではなく、当時の開発資料を保存する活動の一環として行われたものです。

約33年前に開発が中止され、長らく幻の作品となっていた『Treasure Tails』。これまで断片的な画像でしか知られていなかったゲームの開発データが発見され、当時どのような作品が作られようとしていたのか、その一端が明らかになったことは、レトロゲームファンにとっても貴重な出来事ではないでしょうか。

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