NESエミュ「RustyNES 2.9.9」公開。191系統のマッパー、最大4人のロールバック対戦、スマホにも対応

NESエミュ「RustyNES 2.9.9」公開。191系統のマッパー、最大4人のロールバック対戦、スマホにも対応

Rustで開発されているNESエミュレーター「RustyNES」の最新バージョンとなるv2.9.9 “Ballast”が、2026年10月4日に公開されました。

●RustyNES(GitHub)
https://github.com/doublegate/RustyNES

今回のv2.9.9は、次期メジャーバージョンとなるv3.0.0に向けたリリース候補という位置付けです。単なるファミコンエミュレーターにとどまらず、豊富なマッパーへの対応からオンライン対戦、RetroAchievements、TAS、スマートフォンやブラウザーへの展開まで、かなり広範囲の機能をひとつにまとめているのがRustyNESの特徴です。

RustyNESは、NES/ファミコンの動作を高い精度で再現することを目標に開発されているエミュレーターです。プロジェクトではAccuracyCoinのテストで144/144をクリアしたほか、Nintendulatorの「nestest」との比較でも差異ゼロを掲げています。

対応するカートリッジも幅広く、現在は191系統のマッパーファミリーをサポートしています。NROMやMMC1、MMC3、MMC5といった代表的なものだけではなく、VRCシリーズ、Sunsoft FME-7、Namco 163、各種マルチカートやホームブリュー向けボードなどにも対応しています。

さらにFamicom Disk System(FDS)に加えて、アーケード向けのVs. SystemやPlayChoice-10もサポート。FDSではBIOSを利用した起動やディスクの書き込み、ディスク面の切り替え、拡張音源なども実装されています。

ネットワーク機能では、GGPOスタイルのロールバックネットプレイを搭載しています。2~4人でのプレイに対応しており、デスクトップ版ではUDP、ブラウザー版ではWebRTCを利用可能です。NESの4人用アダプター「Four Score」にも対応しているため、対応ゲームでは最大4人で遊ぶことができます。

このほかにも、RetroAchievementsの実績やリーダーボード、ハードコアモードに対応。TAS作成向けのTAStudio、デバッガー、Luaスクリプト、HDパック、巻き戻し、Run-Ahead、セーブステート、NSF/NSFeプレイヤーなど、プレイ用途だけではなく解析やゲーム保存にも利用できる多数の機能が用意されています。

v2.9.9ではMMC3/MMC5などを再監査

今回公開されたv2.9.9 “Ballast”では、これらすべての機能が新たに追加されたわけではありません。

v3.0.0に向けた最終調整の意味合いが強く、各種監査の再実施に加えて、MMC3やMMC5の挙動をドキュメントに沿って再確認しています。また、セーブステートをまたいだ場合でも音声状態を正確に復元できるようにするなど、エミュレーション精度を中心とした調整が行われています。

ひとつ前のv2.9.8ではv3.0.0に向けた破壊的変更が先行して導入されており、さらにv2.9.6では対応マッパーファミリーが174から191へ増加しています。そのためv2.9.9は、大型アップデートで機能を増やすというよりも、これまで実装してきた機能をv3.0.0に向けて仕上げるバージョンと見るほうが近そうです。

PCだけでなくブラウザーやスマホにも対応

対応プラットフォームが非常に多いこともRustyNESの特徴です。

Windows、Linux、Apple Silicon搭載Mac向けにはビルド済みのバイナリが配布されているほか、WebAssembly版はブラウザーから直接利用できます。また、Android版はGitHub Releasesから配布され、iPhone/iPad向けにはTestFlight版が用意されています。

さらにRetroArch向けのlibretroコアも提供されており、同じRustyNESのエミュレーションコアをさまざまな環境で利用できるようになっています。

MiSTer向けには別の兄弟プロジェクトが進行中

RustyNESではMiSTer FPGAに関連した取り組みも進められていますが、ここは少し注意が必要です。

RustyNESそのものをFPGAへ移植しているわけではなく、SystemVerilogで新たなNESコアを開発し、RustyNESを動作検証用の基準として利用する兄弟プロジェクトという位置付けです。

v2.9.9ではこのMiSTer向けコアについても開発が進められていますが、開発者は現時点で実機のMiSTer上ではbitstreamを一度も動かしていないと明記しています。そのため「MiSTer対応済み」や「MiSTer実機で動作確認済み」という段階ではありません。実機での検証については、v3.x以降に行う計画となっています。

v3.0.0を目前に控えたRustyNESですが、191系統のマッパーやFDS、アーケード基板、最大4人のロールバック対戦、RetroAchievements、TAS、ブラウザーやスマートフォンまでをひとつのプロジェクトでカバーしている点はかなりユニークです。

単にファミコンのゲームをPCで遊ぶだけではなく、オンラインプレイや解析、ゲーム保存なども含めて幅広く利用できるNESエミュレーターを探している人は、チェックしてみてもいいのではないでしょうか。

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