2005年に発売されたXbox 360版『Need for Speed: Most Wanted』をAndroidで動作させるプロジェクト「NFSMW-Recompiled-Mobile」で、スマートフォン向けの操作性を大きく改善するアップデートが行われました。
10月5日に公開されたv0.3.0では、レース向けに簡略化されたタッチ操作が追加されたほか、スマートフォン本体を傾けてステアリング操作を行う機能にも対応しています。これまで以上に、ゲームパッドなしでもスマートフォン単体で遊びやすい方向へと進化しています。
なお、執筆時点では10月6日付でv0.3.1も公開されており、GitHub上ではこちらが最新バージョンとなっています。
●NFSMW-Recompiled-Mobile
https://github.com/victorgbd/NFSMW-Recompiled-Mobile
●NFSMW-Recompiled-Mobile v0.3.0
https://github.com/victorgbd/NFSMW-Recompiled-Mobile/releases/tag/v0.3.0
スマホを傾けてステアリング操作が可能に
v0.3.0で追加された大きなポイントが、スマートフォン向けのドライビング操作です。
通常のレースやフリー走行、警察とのチェイスでは、アクセル/ブレーキのペダル、シフトレバー、カメラ、バックミラーなどを配置した専用のタッチレイアウトが利用できるようになりました。左スティックを使ったステアリング操作にも対応しています。
さらに、「スマートフォンを傾けて曲がる」操作も追加されています。
こちらは端末のセンサーを利用し、スマートフォンを左右に傾けることで左スティックの横方向入力を行う仕組みです。いわばスマートフォンそのものをステアリングのように使う操作方法で、感度についても調節できるようになっています。
従来のように画面上へゲームパッド相当のボタンを並べるだけではなく、レースゲームとしてスマートフォンで遊びやすい操作系へと調整され始めているところが今回のアップデートのポイントといえそうです。
Xbox 360版をAndroid向けに動作させるプロジェクト
「NFSMW-Recompiled-Mobile」は、Xbox 360版『Need for Speed: Most Wanted』(2005年)をベースにしたAndroid ARM64向けのプロジェクトです。
Xbox 360本体そのものをAndroid上で再現する一般的なエミュレーターとは仕組みが異なり、ゲーム内のPowerPCコードをあらかじめ変換し、ネイティブコードとして実行する「NFSMW Recompiled」をベースに開発されています。
そのため、今回対象となっているのはPS2版やPC版ではなく、あくまでもXbox 360版です。
また、GitHubで公開されているプロジェクトにはゲーム本体のデータは含まれていません。利用するには、自分で所有しているXbox 360版『Need for Speed: Most Wanted』のディスクイメージが必要です。
Android 10以降+64bit Snapdragonが基本条件
Android版を実行するスマートフォンの基本条件として、GitHubでは以下の環境が挙げられています。
64bitのSnapdragonを搭載していることに加え、OSはAndroid 10以降、グラフィックスAPIはVulkan 1.1への対応が必要です。
Android版には画面上のタッチコントロールが用意されており、ボタンの位置や大きさを編集することも可能です。一方で、Bluetoothなどでゲームパッドを接続した場合にはタッチ操作が自動的に非表示になります。
つまり、スマートフォン単体でのプレイに加えて、携帯ゲーム機のように外部コントローラーを組み合わせた遊び方も想定されています。
USA版や日本版にもビルド対応
ゲームディスクのエディションについても注意が必要です。
Android版ではPALスペイン版のほか、USA版や日本版を対象にしたビルドが用意されています。ただし、Xbox 360版『Need for Speed: Most Wanted』は地域ごとに実行ファイルの内容が異なるため、それぞれのディスクに対応したAPKを使用する必要があります。
たとえばUSA版のディスクを使用する場合はUSA版向けにビルドされたAPK、日本版なら日本版向けAPKというように、組み合わせを一致させる必要があります。
GitHubの説明では、AndroidのネイティブエンジンについてPALスペイン版、USA版、日本版でビルド可能とされていますが、USA版と日本版についてはゲーム内での動作確認が完了していない状態とも記載されています。
そのため、「対応している=すべての環境で問題なく遊べる」という意味ではない点には注意が必要です。
まだ開発途中。クラッシュなどの報告も
プロジェクトそのものも、まだ完成版という段階ではありません。
Redditでは実際にAndroid端末で動作したという報告がある一方で、ゲーム開始時に黒画面になったり、レースへ移行するところでアプリがクラッシュしたりするといった報告も投稿されています。端末やGPUドライバー、使用するゲームのエディションなどによって状況が異なる可能性があります。
GitHub側でもAndroid版は開発中と位置付けられており、Snapdragon 8 Eliteを搭載した端末でメニューやレースまで動作することなどが確認されていますが、現時点ではまだ調整が続けられています。
それでも、Xbox 360版の『Need for Speed: Most Wanted』をAndroidで動かすだけでなく、タッチパネルやスマートフォンのセンサーを活かした操作方法まで追加され始めたのは興味深いところです。
今後さらに互換性や操作性が改善されていけば、2005年版『Need for Speed: Most Wanted』をスマートフォンで楽しむための、ユニークな選択肢のひとつになっていきそうです。















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