『RetroScaler 2X』レビュー! 安価なアップスケーラーの実力を総チェック

『RetroScaler 2X』レビュー! 安価なアップスケーラーの実力を総チェック

レトロゲームの実機を、現代のHDMIに対応したディスプレイに出力したいとき、最近は『RetroTINK-4K Pro』などハイエンドなアップスケーラーが登場していますが、さすがにお値段が高すぎる! とはいえ、数千円で売られているコンバーターにはアップスケーラーの機能が搭載されておらず、表示される映像のクオリティもイマイチなんてことがあります。

●RetroTINK-4K Pro(12万9500円)
https://www.retrotink.com/product-page/retrotink-4k

▲高性能だが高価なアップスケーラーの『RetroTINK-4K Pro』。

そこで、その中間のアイテムを探していたところ、目に入ってきたのが今回ご紹介する『RetroScaler 2X』です。アマゾンでの販売価格は8000円から1万円ほど。Aliexpressなら6000円台で入手が可能になっており、コンポジットとS端子、コンポーネントの3種類の映像を元の映像の倍のスケールでHDMI出力することができます。

ということで、さっそくこちらのアイテムを入手してみましたので、今回はそのレビューをお届けします!

●RetroScaler 2X:アマゾンのリンク(9984円)
https://amzn.to/4oNZ9BU

●RetroScaler 2X:Aliexpressのリンク(6269円)
https://s.click.aliexpress.com/e/_c3AbWEcZ

パッケージの中身

本体のカラーバリエーションは2色用意されていますが、どちらも赤と紺色のツートンカラーになっており、表面がどちらの色になっているか程度の違いしかありません。今回は表面が赤いほうを購入してみました。

パッケージの中身はシンプルで、本体のほか電源供給用のUSBケーブル、マニュアルとインビテーションカードとなっていまました。マニュアルは日本語での記載はありませんでしたが、それほど難しい内容でもないためこれでも十分でしょう。

▲『RetroScaler 2X』のパッケージの中身。

本体上部には、入力の切り替え用と映像出力モードを切り替えるためのボタンが配置されています。側面側には、コンポーネントとS端子、コンポジットの入力端子が並んでいるほか、HDMI出力と電源用のUSB端子、そしてかなりゴツメの電源ボタンも用意されています。

電源がUSBで供給できること自体は素晴らしいのですが、ひとつだけ残念なのがUSB Type-CではなくmicroBになっているところ。今さら? といった感もありますが、ここは変えてほしかった部分ですね。

任天堂のレトロゲーム機と映像出力の関係

今回は、任天堂のレトロゲーム機であるニューファミコンとスーパーファミコン、NINTENDO64、ゲームキューブ、Wiiをピックアップして映像を比較してみました。なぜこの機種なのかというと、Wii U以降はHDMI出力がデフォルトに切り替わるからです。

ここでひとつ押さえておきたいのが、それぞれのマシンの映像出力の種類です。また、必要なケーブル類も異なっているので、一度チェックしておくといいでしょう。

ちなみに映像のクオリティも、コンポジット<S端子<コンポーネントとなっているので、極力いい方のケーブルを使用して映像出力することをオススメします。

機種コンポジットS端子コンポーネント(D端子)
ニューファミコン××
スーパーファミコン×
NINTENDO64×
ゲームキューブ
Wii

もうひとつ重要なのは、これらの映像を出力するためのケーブルです。ニューファミコン以降は、スーパーファミコンとNINTENDO64、ゲームキューブまで共有で使える『ステレオAVケーブル』があります。

同じ端子の形状をしたものに、スーパーファミコンとNITENDO64、ゲームキューブで使用できる『S端子ケーブル』もラインナップされていました。このふたつを融合したサードパーティ製のケーブルもいくつか登場していますが、今回はそちらを使用しています。

●S+AV端子ケーブル(1182円)
https://amzn.to/43xeAG1

▲コロンバスサークルの『S+AV端子ケーブル』。

ゲームキューブは、前期型のDOL-001のみ、D端子またはコンポーネントでの映像出力が可能です。ただし、その場合でも音はステレオAVケーブルから出力する必要があるので注意しましょう。ちなみに、純正のD端子ケーブルやコンポーネントケーブルは、本体の中古価格の五倍ほどで売られていることもあり、なかなか入手が困難です。

今回は、5年ほど前に1万7000円で購入したD端子ケーブルに、コンポーネントに変換するケーブルを取り付けて出力しています。

▲前期型(型番:DOL-001)の背面。出力ポートがふたつ用意されている。

●D端子(メス接続)→コンポーネント(オス接続) 変換ケーブル 0.3m(1370円)
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Wiiの出力ケーブルは完全別腹!?

ニューファミコンからゲームキューブまでは、細かい違いはあるものの映像出力に関しては共通している部分も多くありました。しかしWiiは出力端子の形状が異なっており、専用のものを使用する必要があります。

ケーブルとしては通常のコンポジットのほか、S端子とD端子、コンポーネントに対応しています。D端子とコンポーネントはほぼ同等の性能ですが、今回はサードパーティ製のケーブルを入手しました。また、残念ながらS端子ケーブルに関しては今回の企画に間に合わなかったので、省略しています。

●Fosmon 任天堂 ニンテンドー Wii対応 コンポーネント(1499円)
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RetroScaler 2Xの簡単な使い方

ゲーム機のケーブルを本体に取り付けたら、電源を入れましょう。映像ソースの選択は、「INPUT SELECT」のボタンを押せばOKです。コンポジットなら「CVBS」、S端子なら「SVIDEO」、コンポーネントならば「YPBPR」を選べば正しい映像が映ります。

ボタンが全部光ったりしてややこしいのですが、基本的に出力されている映像を見ていると正しい映像ソースをえらんでいるときのみモノクロでは無くカラーで表示されるので、そちらを参考に選んでも問題ないでしょう。

▲左から3つのLEDが入力ソースを表している。

映像ソースと同じ場所にある「2X」や「FIL」は、出力される映像の種類に何が選ばれているのかを表しているLEDです。デフォルトでは「2X」のLEDが光っていますが、こちらは元の映像を2倍のラインダブラーで表示するモードです。たとえばファミコンならば240pで映像が出力されますが、それを倍の480pで出力することが可能です。

「FIL」は、ジャギーを押さえるアンチエイリアシングで表示できる機能ですが、正直あまり効果を感じられないので、気にしなくてもいいかもしれません。また、このふたつのLEDがOFFになっているときは、元の映像のまま出力するパススルーモードになっています。

それ自体は使い勝手はあまりなさそうですが、たとえばコンポジット入力のないOSSCと連携して使うといった利用方法などがあります。

ニューファミコン

いわゆる赤白ファミコンはRFでしか映像出力ができないので、今回はニューファミコンを用意して映像をチェックしてみました。『スーパーマリオブラザーズ』で、コンポジット入力の「FIL」のありなしを比較して見たのですが……殆ど差が感じられず!?

「FIL」自体はファミコンなどの2Dゲームよりも、NINTENDO64以降の3Dゲームにおけるジャギー感を押さえるのに効果を発揮するとも言われていますが、お好みでONとOFFを切り替えても良さそうですね。

▲こちらは「FIL」はOFFの状態。
▲「FIL」をONにしたところ。

ちなみに、単純な比較対象として以前から所有していたアップスキャンコンバーターの『UP EMPIRE2』とも比較してみました。てっきりそちらよりは映像のクオリティは良いかと思っていたのですが、結果は圧倒的に『UP EMPIRE2』が上であることが判明。

映像も『UP EMPIRE2』で出力した方が高解像度でクッキリ見えるため、コンポジットに関して言うと『RetroScaler 2X』の性能はいまいちと言えそうです。

●UP EMPIRE2
https://amzn.to/3LCAlhv

▲こちらは『RetroScaler 2X』。
▲こちらが『UP EMPIRE2』の映像だ。

スーパーファミコン

スーパーファミコンの最大の魅力は、改造無しで高画質のRGBで映像出力ができるところですが、残念ながら『RetroScaler 2X』では対応していません。そのため、入力できる最高画質はS端子です。

実際コンポジットと比較しても、S端子の映像出力はまずまずといったところ。それほどこだわらないならばこれでも十分と言えます。

※使用した本体は1Chip-02

▲『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』をコンポジットで出力したもの。
▲こちらは同じ場面をS端子で出力したもの。

NINTENDO64

NINTENDO64は、3Dを強化した本体であるにも関わらず映像出力はRGBに対応していないなどチグハグさもあるハードになっています。そのため、こちらもスーパーファミコンと同じように、コンポジットまたはS端子でのみ映像の出力が行えます。

▲『スーパーマリオ64』をコンポジット出力したもの。
▲あまり大きな差は感じられないものの、S端子は多少映像が綺麗に見える。

ゲームキューブ

ヨーロッパ版ではRGB出力にも対応しているものの、日本版は非対応。ということで、ちょうど今回の『RetroScaler 2X』にピッタリな、コンポジットとS端子、コンポーネント(D端子)に対応しているのがゲームキューブです。

なんといっても、D端子による映像出力ができるというのが最大の魅力ですが、S端子もそれなりに綺麗な映像で出力できます。

▲『ゼルダの伝説 風のタクト』をコンポジットで出力したもの。
▲こちらはS端子の映像。
▲コンポーネント(D端子)では、より映像がくっきりとして見える。

Wii

一見大きな差はなさそうにも見える、Wiiの映像出力。しかし、というかやはりコンポジットよりもコンポーネントの方が美しく見えます。単純にWiiのゲームの映像出力も試したかったのですが、それだけではなく、実はもうひとつ気になっていたのが、ゲームキューブとの比較です。

▲Wiiの『ゼルダの伝説 スカイウォーソード』のコンポジット映像。
▲こちらはコンポーネントだ。

そこで今回は、どちらもコンポーネントで取り込んだ『ゼルダの伝説 風のタクト』で映像を比較してみました。映像のクオリティ自体にそれほど大きな差はありませんでしたが、若干オリジナルのゲームキューブで動かしたほうが映像が明るくなっていました。

▲ゲームキューブのコンポーネントで出力したもの。
▲こちらはWiiのコンポーネントをで出力した方だ。

統括:コンポジットはいまいちだがそれ以外はまずまず

さすがに約13万円もする『RetroTINK-4K Pro』には及びませんが、その1/13以下の価格で購入できる上に、入手もしやすいことを考えればかなりコスパのいいアップスケーラーと言っても過言ではありません。

こちらでご紹介してきたように、コンポジットに関してはもうひとつ頑張ってほしいとは思うものの、S端子やコンポーネントの映像に関してはなかなか満足のいく性能を発揮してくれます。少々のコストで映像のクオリティアップを図りたいと考えている人は、選択肢のひとつにするのもいいのではないでしょうか?

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