1990年代から2000年代にかけて人気を集めたスーパーファミコン向けエミュレーター『ZSNES』。そのオリジナル開発者らが新たに開発している『SUPER ZSNES』の最新版「v0.310」が、2026年9月26日に公開されました。今回の目玉は、以前から予告されていた『スターフォックス』向けEnhancementの実装です。
●SUPER ZSNES公式
https://zsnes.com/
単純に解像度を上げるだけではなく、ゲーム内に登場する3DモデルやスプライトをGPU上の実際の3Dモデルとして再構成。そこにワイドスクリーン表示、高解像度化、補間処理を組み合わせることで、オリジナルとは大きく異なる現代的な3D表示を実現しています。
当サイトでは2026年8月18日に公開されたv0.300を紹介した際、次の大きなEnhancementとして『スターフォックス』が開発中であることを取り上げました。今回は、その機能が実際に一般公開された形になります。
『スターフォックス』のポリゴンをGPU上の3Dモデルとして再構成
初代『スターフォックス』は、スーパーファミコン用カートリッジに搭載された「Super FX」チップを利用し、当時としては画期的だったポリゴンによる3D表現を実現したタイトルです。
今回追加された「Star Fox Enhancement」は、その映像を単純に拡大したりフィルター処理したりするものではありません。公式のリリースノートによると、ゲーム内の3Dモデルやスプライトを「GPU上でインスタンス化された実際の3Dモデル」として再作成する仕組みが導入されています。

これにより、オリジナルの低解像度なポリゴン表現をベースにしながら、より高い解像度や滑らかな表示を実現。さらに画面を横方向に広げるワイドスクリーン表示や、動きを滑らかに見せる補間処理にも対応しています。
いわゆる一般的なアップスケーリングとは異なり、SUPER ZSNES側でゲームの描画内容を解釈し、新しい3D表現として作り直しているところが大きな特徴です。もともと3D表現を採用していた『スターフォックス』だけに、SUPER ZSNESのGPUを活用したEnhancementと非常に相性の良い題材といえそうです。

まだ「first pass」、現時点ではオリジナルROMのみ対応
もっとも、今回公開されたStar Fox Enhancementは完成版という位置付けではありません。公式では明確に「First pass Starfox Enhancement」と説明されており、現時点では最初の実装段階となっています。
また、現在対応しているのはオリジナルのROMのみです。改造ROMや派生版などについては、少なくとも今回のv0.310リリースノートでは対応対象に含まれていません。
そのため、今後さらに表示上の問題が修正されたり、Enhancement自体が改良されたりする可能性があります。現段階では「完成したHD版『スターフォックス』」というより、SUPER ZSNESが目指している新しい3D Enhancementを実際に試せる最初のバージョンと捉えたほうがよさそうです。

Apple TVとAndroid TVにも対応
v0.310では対応プラットフォームも拡大し、新たにApple TVとAndroid TVがサポートされました。これにより、対応するストリーミング端末をテレビに接続し、大画面でSUPER ZSNESを利用できるようになっています。
TV版へのゲームなどのファイル転送には、SUPER ZSNESが起動するローカルWebサーバーを使用します。同じネットワーク上にあるPCなどのWebブラウザーからアクセスし、ファイルを転送する仕組みです。
RetroRGBでは実際にApple TV版を試した様子も報告されており、ブラウザーからWebサーバーを開いてゲームファイルなどを追加できたとしています。一方でApple TV環境では操作や表示に関するいくつかの問題も報告されているため、こちらもまだ発展途上の部分が残っているようです。

独自Enhancementを読み込む「.zsmod」にも初期対応
今回のアップデートでは、SUPER ZSNESのEnhancementを今後拡張していくうえで重要になりそうな機能も追加されています。
そのひとつが、カスタムEnhancementファイル「.zsmod」の読み込みです。.zsmodファイルをROMと同じ場所に配置し、ROMと同じファイル名に変更することで読み込めるようになりました。
さらに、独自スクリプト向けの「.zlua」も初期対応しています。現時点ではいずれも実装されたばかりの段階ですが、将来的にSUPER ZSNES標準のEnhancementだけではなく、ユーザー側で作られた拡張機能を利用できる環境へ発展していく可能性があります。
予告されていた『スターフォックス』Enhancementがついに公開
前回のv0.300では、『ゼルダの伝説 神々のトライフォース』へのEnhancement対応やSA-1/Cx4といった特殊チップへの対応、iOS版の登場など、大規模な機能追加が行われました。その際に次の注目機能として予告されていたのが、今回実装された『スターフォックス』のEnhancementです。
SUPER ZSNESでは、単にスーパーファミコンのゲームを正確に動かすだけではなく、GPUを利用してゲームごとの映像や音声を拡張する「Super Enhancement Engine」を大きな特徴としています。公式サイトでも高解像度化やワイドスクリーン、テクスチャ/ノーマルマップ、3D化など、タイトルごとに異なるEnhancementを追加していく方針が示されています。
今回の『スターフォックス』は、その方向性をさらに一歩進め、ゲーム内のモデルそのものをGPU上の3Dモデルとして再構築するというかなり大胆な試みになっています。まだ「first pass」という段階ではあるものの、今後どこまでオリジナルの雰囲気を残しながら映像表現を進化させていくのか、引き続き注目したいところです。
via.Reddit















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