Atari Jaguar向けに開発されている自主開発OS「JagOS ‘Spot’」で、キーボード入力を利用するための開発が進展しています。開発者のClint Thompson氏は2026年9月24日付のXへの投稿でキーボードやマウスを使った入力環境について言及したほか、AtariAgeのフォーラムでもその後、キーボード入力が動作したことを追加報告しました。
AtariAge上では9月25日朝の確認時点で、この追加報告は「4 hours ago」と表示されていました。表示されているタイムゾーンを確認できていないため正確な日本時間は不明ですが、JagOSをよりパソコンらしく操作するための重要な部分が、短期間のうちに前進したことになります。
●AtariAge:JagOS ‘Spot’スレッド/キーボード入力報告
https://forums.atariage.com/topic/393087-jagos-spot-turns-your-atari-jaguar-into-the-unreleased-atari-painter-prototype-home-computer/#comment-5894377
Atari Jaguarをホームコンピューター風にする「JagOS ‘Spot’」
JagOS ‘Spot’は、Clint Thompson氏がAtari Jaguar向けに開発している非公式のOSです。RetroHQの「GameDrive」を利用してJaguar実機上で動かすプロジェクトで、Thompson氏はAtariAgeでスクリーンショットや現在の動作状態を収めたデモ映像を公開しています。
着想源になったのは、かつてAtariで構想されながら発売されなかったホームコンピューター「Atari Painter」です。これはJaguarとFalcon系コンピューターの要素を組み合わせる構想だったとされており、JagOSはそうした「Jaguarがゲーム機だけではなくホームコンピューターにもなっていたら」という世界を、現在のJaguar実機上で再現しようとする試みです。
ただし、JagOSは当時Atariが開発していたOSを発掘したり、未発売ソフトウェアを復元したりしたものではありません。Thompson氏がAtari Painterの構想から着想を得て、新たに開発している自主制作プロジェクトです。
これまではPCからファイル経由でキー入力を送っていた
Jaguarをパソコンのように利用するうえで課題のひとつになっていたのが、キーボードからの文字入力です。
Thompson氏によると、これまではPCで入力されたキー情報をダミーファイルへ書き込み、それをJaguar側で読み取った後に内容を消去するという方法を利用していました。Jaguar側がファイルを繰り返し確認することで入力を受け取る仕組みで、同氏自身もあくまで「quick and dirty short term fix」、つまり本格的な入力環境を用意するまでの暫定的な方法として説明しています。
同時にThompson氏は、USBアダプターでキーボード入力を扱えるよう、別の開発者と協力して対応を進めていることも明らかにしていました。Jaguarのコントローラーポート1に通常のJagpadを残したい場合には、Team Tapなどを利用してキーボードやマウスを接続する構成も検討されているようです。
その後「キーボード入力が動いた」と追加報告
そして、その説明からほどなくしてThompson氏はAtariAgeに「Well that was quick, keyboard input is a go!」と投稿。キーボード入力が動作するようになったことを報告しました。投稿にはXへの埋め込みも添えられており、JagOSの入力環境に新たな進展があったことが確認できます。
これにより、PC側からファイルを経由して文字情報を送る暫定的な方法から、Jaguar側でキーボードを入力機器として利用する方向へ開発が進んだことになります。
一方で、現時点では対応するアダプターの具体的な製品名や販売状況、利用できるキーボードの種類などは確認できていません。そのため、一般的なUSBキーボードをJaguarへ直接接続するだけで使えるようになった、と考えるのは早そうです。
また、マウスについてもキーボードと同じ段階まで動作確認が済んだとは確認できません。Thompson氏はAtariAgeでマウスアダプターの到着を待っていることを説明しており、キーボードとマウスについては対応状況を分けて見る必要があります。
2023年から開発、9月12日にはテスターも募集
JagOS自体も、9月24日になって突然開発されたものではありません。
Thompson氏によるとプロジェクトを始めたのは2023年で、現在は「かなり完全に機能する状態に近い」と説明しています。また、2026年9月12日には、Jaguar GameDriveでJagOSをテストして詳しいフィードバックを提供してくれるテスターも募集していました。
今回のキーボード入力対応は、こうして継続してきたJagOS開発に追加された新しい進展という位置付けになります。
なお、一般ユーザー向けの正式な配布開始については、現時点では確認できていません。Thompson氏自身もAtariAgeで、いくつか整理したい部分があり、理想的にはキーボードアダプターの機能を実装してから公開したいと説明しています。海外メディアのTime Extensionも、記事公開時点ではJagOSは未リリースだと伝えています。
かつてゲーム機として発売されたAtari Jaguarを、30年以上が経過した現在になってデスクトップOSを備えたホームコンピューター風のマシンとして使うというJagOS。実用的なOSというよりも「もしJaguarをベースにしたAtariのホームコンピューターが存在していたら」という可能性を実機上で形にするプロジェクトですが、キーボード入力の実現によって、その姿がさらにパソコンらしいものへ近づいてきました。
今後、キーボードやマウスを接続するためのハードウェア構成が固まり、一般ユーザーが利用できるビルドが公開されるのかにも注目です。















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