『ウェーブレース64』非公式PC移植が“水面刷新”! v0.9.0で反射・屈折・航跡を追加、Linux版も配布

『ウェーブレース64』非公式PC移植が“水面刷新”! v0.9.0で反射・屈折・航跡を追加、Linux版も配布

NINTENDO 64用ソフト『ウェーブレース64』をPC向けに移植する非公式プロジェクト「Wave Race 64: Recompiled」のv0.9.0が、2026年9月13日にGitHubで公開されました。

●Wave Race 64: Recompiled v0.9.0
https://github.com/danielgomesvieira2000/wave-race-64-recomp/releases/tag/v0.9.0

今回のアップデートでは、本作を象徴する水面表現を刷新する「Modern Water Renderer」が統合されたほか、新たにLinux版の実行パッケージも配布されています。またApple Silicon搭載Mac向けのmacOS対応も組み込まれていますが、v0.9.0ではmacOS用バイナリーは配布されておらず、自分でビルドする必要があります。

「Wave Race 64: Recompiled」は、N64Recompを利用して『ウェーブレース64』のMIPSコードを静的に再コンパイルし、PCでネイティブ動作させることを目的とした非公式プロジェクトです。任天堂とは関係のないプロジェクトで、ワイドスクリーン表示や高フレームレート表示、MOD、振動機能などにも対応しています。

水面を「Original」「Modern」「High」の3種類から選択可能に

v0.9.0で大きな目玉となっているのが、新たに統合された水面レンダラーです。水面品質は「Original」「Modern」「High」の3段階から選べるようになっています。

「Original」は文字通りオリジナル版と同じ水面を使用する設定で、新しいレンダラーそのものを使用しません。「Modern」にすると太陽や空からのライティング、水深に応じた色の変化、屈折表現などが追加されるほか、水上バイクの後方に航跡が残り、岸辺には波が打ち寄せるようになります。

さらに「High」ではModernの効果に加えて、画面内に映っている景観の反射や細かな水飛沫が追加されます。標準設定では「High」と、水の色合いなどを大きく変更する「Aqua」スタイルを組み合わせた状態になっています。

水面のスタイル自体も「Classic」「Modern」「Aqua」から選択可能です。「Classic」は元のゲームの色や透明度、フォグなどをできる限り残したまま新しいエフェクトを追加するもので、「Modern」「Aqua」と進むにつれてオリジナル版からの見た目の変化が大きくなります。

そのほか、水面の明るさや透明度、細かな波紋の強さ、飛沫の表示なども調整できます。F9キーを押すことで、同じカメラ位置のまま現在の水面設定とOriginalを切り替えられるため、新旧の水面表現を比較することも可能です。

見た目は変わっても、波や操縦の物理処理はそのまま

興味深いのは、新しい水面レンダラーがゲームプレイそのものには手を加えていない点です。

開発資料によると、オリジナル版の水面を構成する波のシミュレーションや高さ、物理処理、タイミングなどは維持されており、新しいレンダラーではゲームが生成した水面をどのように描画するかだけを変更しています。そのため、どの水面設定を選択しても水上バイクの操作感は同じになると説明されています。

今回統合された水面レンダラーを開発したのはElliott Tate氏です。同氏がプルリクエスト#2として提供した水面レンダラーとmacOS対応を、danielgomesvieira2000氏の「Wave Race 64: Recompiled」に取り込んだものとなっています。

なお、高品質な水面表現には相応のGPU負荷も発生します。Apple M3 Maxを使用した測定では描画にかかるGPU時間が大きく増えることが確認されていますが、これはElliott Tate氏の環境における測定結果です。ほかのGPUを含め、すべての環境で同じ性能差になることを示すものではありません。

Windowsに加えてLinux版も配布。macOSは自分でビルドする必要あり

v0.9.0ではWindows x64版に加えて、Linux x86-64版の実行パッケージがGitHubで配布されています。

Linux版についてはUbuntu 26.04とClang 21を使用した環境で、ビルドからゲームの起動、メニュー操作、レースまで確認したと開発者が報告しています。ただし、新しい水面レンダラーについてはLinux環境では「Original」設定での動作確認に留まっており、Vulkan上でModern/Highを実行した検証は行われていません。

一方のmacOSはApple Silicon向けのネイティブ対応コードが組み込まれ、セットアップとビルド用スクリプトも用意されています。ただし、v0.9.0のリリースにはmacOS用バイナリーは含まれていません。

macOS対応を実装したElliott Tate氏はApple M3 Maxでビルドして実際に動作させていますが、「Wave Race 64: Recompiled」側ではMacを所有していないため、プロジェクト側では検証できていないと説明されています。

遊ぶには北米版v1.1のROMが必要

「Wave Race 64: Recompiled」を利用するには、ユーザー自身で用意した北米版『Wave Race 64 (USA) (Rev A)』のROMが必要です。これはv1.1とも呼ばれているバージョンで、北米版v1.0や日本版、欧州版などは対応していません。

配布されているアーカイブに『ウェーブレース64』のゲームアセットは含まれておらず、利用時に自分で用意したROMをランチャーから指定する仕組みです。v0.8.1で使用していた設定やセーブデータ、MODについては、そのままv0.9.0へ引き継げると案内されています。

また、描画距離を変更する機能については引き続き実験的な扱いとなっており、Originalより遠くまで表示する設定ではブイがちらついたり、表示位置が動いて見えたりする問題が残っています。新しい水面レンダラーを使用した分割画面についても、今回のリリース元では動作確認が行われていません。

開発版ならではの制限はいくつか残されているものの、『ウェーブレース64』の特徴でもある水面を、ゲーム本来の波や操作感を維持したまま現代的な描画へ置き換えられるというのは面白い試みです。とくにF9によるOriginalとの比較機能は、水面表現がどの程度変化しているのか実際に見比べてみるのにも役立ちそうです。

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