ゲームボーイやゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスのゲームの中には、特殊なセンサーを搭載したものや、マルチカートリッジなど様々なタイプのカートリッジが存在している。基本的にそれらはゲーム機本体というよりもカートリッジ自体に内蔵されている機能である場合が多いが、中には利用出来ないものも存在している。
ということで、こちらでは手持ちのカートリッジでその動作をチェックしてみた。
振動カートリッジ
振動カートリッジを搭載しているゲームには、携帯ゲーム機としては初めてその機能が搭載された『ポケモンピンボール』やゲームボーイアドバンス用の『スクリューブレイカー 轟振どりるれろ』などがある。今回は『ポケモンピンボール』 でその効果をチェックしてみることにした。
ちなみに、 『ポケモンピンボール』 の振動機能を利用するにはカセットに単4電池を入れて遊ぶ必要がある。電池自体は入れなくてもゲームは遊べるのだが、この振動機能を利用するには必要となる。
『Analogue Pocket』への装着感はまずまずだ。 『ポケモンピンボール』 は上部に出っ張りがあるが、元々背が高いカートリッジということもあり、 『Analogue Pocket』 でも干渉することなくゲームをプレイすることができる。
肝心のプレイフィールについてだが、鈍い振動ではあるがしっかりとそれが本体を通して伝わってきた。最近のゲームは振動すること自体が当たりまで、逆に意識することもなくなったが、たしかに振動があることでより臨場感溢れるゲーム体験ができる。
回転センサー
ゲームボーイアドバンス用の『まわる メイド イン ワリオ』に採用されたのが、回転センサーだ。ゲーム機本体を左右に傾けることで操作するというミニゲーム集だが、こちらも問題なくプレイすることができた。
動きセンサー
動きセンサーを搭載したゲームには、世界で初めて搭載されたゲームボーイカラー用の『コロコロカービィ』やゲームボーイアドバンス用の『ヨッシーの万有引力』などがある。どちらも本体に差し込んで遊ぶ分にはまったく問題ない。
ゲームそのものは普通に遊べるであろうことはわかっていたのだが、それよりも興味があったのはDockを接続したときの挙動である。ご存じのように、DockではHDMIで映像を出力できるだけではなく、サードパーティ製やPS4、Nintendo Switchのコントローラーをワイヤレスで接続することができる(有線でも可)。
とくに最新ゲーム機のコントローラーの多くは、ジャイロセンサーも搭載されているため、もしかしたらこうした動きセンサーを搭載したゲームのコントローラーとしても利用できるのではないか? と考えたのだ。
というわけで、実際に試してみたのだが……残念ながらジャイロ機能はコントローラーとして利用することはできなかった。
その代わりといってはなんだが、Dockに接続した状態で無理矢理それごと持ち上げて操作することはできた。ま、できたといっていいのかは怪しいのだが(笑)。なんとか今後のアップデートでこの辺りも改善にも期待したいところである。
RTC(リアル・タイム・クロック)
RTC(リアル・タイム・クロック) =いわゆる時間や日付をカセットに記憶しておける、カレンダー機能のようなものがあるが、たとえば『ポケットモンスター 金・銀・クリスタル・ルビー・サファイア・エメラルド』などで、これらの機能を利用することができる。
こちらはカートリッジ内部の電池さえ切れていなければ、『Analogue Pocket』でも問題なく動作する。
太陽光センサー
様々な特殊カートリッジをサポートしている『Analogue Pocket』だが、唯一非対応にしているのが太陽光センサ-を使ったゲームだ。主なタイトルとしては、ゲームボーイアドバンス用の『ボクらの太陽シリーズ』などがある。
この 『ボクらの太陽シリーズ』 では、カセットを本体に挿したときに上部がややはみ出しており、そこに設置された太陽光センサーでそれを検知するという仕組みが採用されている。
しかし、『Analogue Pocket』ではカセットの差し込み部分よりも背が高いため、太陽光をこのセンサーに当てることができないのだ。単純にゲームを遊ぶだけならば、太陽光線センサーが不要になるパッチを当てて『EverDrive』などのマルチカートリッジを利用すればいいのだが、それでは面白く無い。
『Analogue Pocket』 で使えないのは、単純に物理的な問題だけであるため、たとえばゲームボーイアドババンスの高さを稼ぐゲタのようなものがあれば解決することができる。とりあえずそれを作る知識や技術に乏しいので、お手軽に試したみたのがこちらだ。
透明なプラ板とアルミホイルを購入。これを間にかまして、UVライトを当ててみるという大作戦である。というわけで、さっそく我々調査班はこの試みを実践してみることにした。実は、ちょっと前にプラ板だけで試してみたことがあったのだが、むしろそれが無い状態でUVライトを隙間に当てた方がメモリーが2ほど上がっていた。そこで、今回は反射させる目的でアルミホイルも利用してみることにしたというわけである。
実際に試してみたところ、最大で5メモリーほど上がったため、ただのプラバンやなにもない状態よりはましといった感じだった。しかし、ゲームそのものはプレイしたことがないため、これがどれぐらい有用なのかはわからない。また、メモリー自体は半分ぐらいまでしか上げらなかったため、ほかの方法も調査したほうがよさそうである。
EverDrive
マルチカートリッジの『EverDrive』も、基本的には問題なく利用することができる。しかし、ゲーム中にスリープ状態にしてから復帰するとルートメニューに戻ってしまう。そのため、あらかじめゲームなどを中断しておいたほうがいいだろう。
ちなみに、セーブステート機能も問題なく利用できるのだが、セーブした状態を呼び出すときはそのゲームを起動しておく必要がある。 『EverDrive』のルートメニューのときに保存された状態を呼び出しても何の反応もないので気を付けよう。
この 『EverDrive-GBA X5 Mini』 、てっきりゲームボーイとゲームボーイカラーもサポートしていると思い込んでいたものの、動くには動くがあくまでエミュレーターを動かしているだけだったことを忘れていた。そのため、それらのゲームをマルチカートリッジで遊びたい人は『EverDrive-GB X7』などを入手したほうがいいかもしれない。
ちなみに、同じく 『EverDrive-GBA X5 Mini』 で利用できるエミュレーターを利用して、ファミコンのゲームもプレイ可能だ。こちらも動作は完璧とはいえないが、『Analogue Pocket』でファミコンのゲームを遊びたいときに利用出来るかもしれない。
ということで、まだまだ仕込んだネタがあるため、今後も引き続き『Analogue Pocket』の記事をお届けしていく予定なので、お楽しみに!