MiSTer FPGA公式配布に『Ring King』コア追加!1985年の4CPUボクシング基板をFPGA化

MiSTer FPGA公式配布に『Ring King』コア追加!1985年の4CPUボクシング基板をFPGA化

MiSTer-develのGitHubで2026年8月31日、1985年のアーケード用ボクシングゲーム『Ring King』を再現するMiSTer FPGAコアの配布が開始されました。

●Arcade-RingKing_MiSTerプロジェクト
https://github.com/MiSTer-devel/Arcade-RingKing_MiSTer

pierco氏名義のコミットにより、日付入りの「Arcade-RingKing_20260831.rbf」が公開されたほか、「ringking.mra」とともにMiSTerの配布データベースへ登録されています。これにより、単に開発中のソースコードが公開された段階ではなく、MiSTerの通常の配布対象として導入できる状態になりました。

なお、今回のリポジトリで最初のコミットが行われたのは8月27日ですが、新たな動きとなるのは8月31日の日付入りRBF公開と配布データベースへの登録です。RBF公開に先立ち、同日にはCRT接続時の同期に関する修正も行われています。

『ファミリーボクシング』につながるアーケード作品

『Ring King』はWoodplaceが開発し、1985年に登場したアーケード用ボクシングゲームです。北米ではData Eastが展開した『Ring King』、日本や欧州では『King of Boxer』のタイトルで知られています。

その後、ファミコン向けに移植された日本版が、1987年にナムコから発売された『ファミリーボクシング』です。そのため同作を遊んだことがある人にとっては、原点にあたるアーケード基板のFPGA化ということになります。

ただし、今回のMiSTerコアが対象としているのはアーケード版の基板です。ファミコン版『ファミリーボクシング』を再現するためのコアではありません。

4基のCPUと3種類のカスタムチップを再現

公開されたREADMEによると、『Ring King』のアーケード基板は4基のCPUを使用しています。このうちメイン処理用とスプライト処理用の2基は6MHzで動作します。残るサウンド用と映像用の2基については4MHzとみられていますが、READMEでもクロックは未確定とされています。そのため、現段階では4MHzと断定できません。

基板には、Data East系のカスタムチップであるVSC30、HMC20、DSPC10も搭載されています。VSC30はVPOS信号の生成、HMC20は12MHzのクロックを分周する処理、DSPC10は描画パイプラインで使用する映像信号の生成を担当する構成です。

リポジトリの「doc」フォルダーには、基板回路図の原本スキャンに加えて、より読みやすく変換されたガイドも収録されています。今回のコアは、これらの資料を基にアーケード基板の回路構成をFPGA上へ落とし込んだものです。プロジェクトREADME

AI生成のテストベンチで開発を支援

開発では、AIによって生成されたVerilator用テストベンチも利用されています。これにより、ブレークポイントに対応したZ80デバッガ、メモリへのデータ注入、semantic restoration、PCMサウンドの書き出しといった検証用ツールの作成が支援されました。

一方でREADMEでは、今回のコアが「AIによって自動生成されたコア」ではないことも明記されています。AIは主に描画パイプラインや検証環境の開発を支援しており、回路の構成や開発方針については、開発者が原資料と回路図を基に決定したとのことです。プロジェクトREADME

ROMデータは別途必要

リポジトリの「releases」フォルダーでは、「Arcade-RingKing_20260831.rbf」と「ringking.mra」が公開されています。GitHub Releasesのタグを使った配布ではなく、リポジトリ内のフォルダーへファイルを配置する形式です。

また、コアやMRAと一緒にゲームのROMデータが配布されるわけではありません。MRAを利用する場合は、ユーザー自身が正当に使用できるROMデータを用意する必要があります。

今回のコアはMiSTer-devel配下で公開されたコミュニティー製コアです。ここでいう「MiSTer公式配布」とはMiSTerの配布リポジトリへ登録されたことを指しており、Data East、Woodplace、ナムコなど権利者による公式復刻製品ではありません。

また、全場面の再現性や入力遅延、サウンドの精度について、独立した第三者による詳細な検証結果は現時点で確認できていません。

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