『ヴァンダルハーツ』非公式ネイティブPC移植版v2.0.0公開! 日本・北米・アジア版をひとつの実行ファイルで自動判別

『ヴァンダルハーツ』非公式ネイティブPC移植版v2.0.0公開! 日本・北米・アジア版をひとつの実行ファイルで自動判別

初代PlayStation向けに発売されたシミュレーションRPG『Vandal Hearts(ヴァンダルハーツ)』を、現代のPC上でネイティブに動作させる非公式プロジェクト「Vandal Hearts PC Port」のv2.0.0が公開されました。GitHub上では2026年8月22日15時20分公開と表示されています。

●Vandal Hearts PC Port v2.0.0 — GitHub Releases
https://github.com/HalmyLyseas/VandalHearts-PcPort/releases/tag/v2.0.0

●Vandal Hearts PC Port — GitHub
https://github.com/HalmyLyseas/VandalHearts-PcPort

今回の大きなポイントとなっているのが、日本版『ヴァンダルハーツ』への本格的な対応です。これにより北米版「SLUS-00447」、アジア版「SCPS-45183」、日本版「SLPM-86007」の3地域版を、ひとつの実行ファイルから自動判別して起動できるようになりました。

日本版をバイト単位で一致する形まで逆コンパイル

「Vandal Hearts PC Port」は、PlayStation本体をPC上で再現する一般的なエミュレーターとは異なる方式で作られています。

プロジェクトでは元のゲームを逆コンパイルし、再びビルドした際にオリジナルの実行コードとバイト単位で一致する「マッチング逆コンパイル」を実施。そのコードをベースに、PlayStationのGPUやGTE、CD-ROM、SPU、MDEC、コントローラー入力などに依存していた部分を、SDL2やMetal/OpenGL、OpenALなどを使ったPC向けの処理へ置き換えています。

これまで北米版で行われていたこの作業が、v2.0.0では日本版「SLPM-86007」でも完成しました。

日本版は単に文章や言語が異なるだけではなく、北米版とは別のゲームビルドです。そのため日本版専用の逆コンパイルツリーが用意され、こちらについても元の実行コードをバイト単位で再現できるところまで作業が進められています。

一方、アジア版「SCPS-45183」はセーブIDを除いて北米版とバイト単位で同一とのことで、以前から動作していたものの、v2.0.0で正式な対応地域として扱われるようになりました。

3地域版をひとつの実行ファイルで利用可能に

v2.0.0では、対応するディスクイメージを「game」フォルダーに入れておくことで、実行ファイル側が地域を自動判別します。

北米、アジア、日本版のうち複数のディスクデータを用意している場合も同時に配置することが可能で、ゲーム内のオプションに追加された「DISC」項目から起動するバージョンを選択できます。変更したディスクは次回起動時から反映されます。

ただし、セーブデータは地域ごとに分離されています。北米/アジア版と日本版では実機のメモリーカード形式も異なるため、DISCを切り替えてもゲームの進行状況を引き継ぐことはできません。

日本版でもTactical Modeや戦闘早送りなどに対応

日本版でも、これまでPC移植版に追加されてきた機能の多くが利用できるようになりました。

対応する機能には、ゲームバランスなどを変更する「Tactical Mode」をはじめ、戦闘の早送り、敵の脅威範囲表示、ユニットの切り替え、カメラ高度の細かな調整、内部解像度の変更、ゲーム内オプション画面、セーブ管理機能、HDパックへの対応などが含まれています。

Tactical Modeなどゲーム内容を変更する機能は任意で利用するもので、通常のプレイではオリジナルのゲーム内容を維持することが基本方針となっています。日本版ではディスクに収録されている日本語テキストを使用し、Tactical Modeで調整された説明についても元の日本語表現を利用する形で対応しています。

なお、コミュニティが独自翻訳を追加できるLanguage Pack機能については、北米版のテキストシステムをベースにしているため、日本版では利用できません。

製品版に残されていた開発者用デバッグメニューも復元

v2.0.0では、開発中に使用されていたデバッグメニューも利用できるようになりました。

日本版にはKCET(コナミコンピュータエンタテインメント東京)が使用していた開発用メニューが製品版にも残されており、戦闘への直接移動や95種類のストーリーイベント選択、ワールドマップや町への移動、ユニットビューアーなどの機能が含まれています。北米版では多くの機能が削除されていましたが、PC Portでは各地域版で利用できる形に復元されています。

この機能はデフォルトでは無効になっており、「VH_DEBUG_MENU=1」を指定することで有効化できます。

ただし、通常とは異なる状態でイベントなどへ直接移動した場合、ゲームが不自然な状態になることがあります。また、そうした状態から作成されたセーブデータについてはサポート対象外とされています。

起動時間も約7秒から2秒未満へ短縮

このほか、ゲーム起動直後のロードを高速化する「Fast boot」も追加されています。

従来は起動からイントロロゴが表示されるまで約7秒かかっていましたが、v2.0.0では2秒未満まで短縮されています。ロゴ表示以降については実機と同等のロードタイミングが維持されており、「VH_FAST_BOOT=0」を設定することで起動直後についても従来のタイミングに戻すことが可能です。

日本版専用のHDパックも配布

日本版向けには、背景画像やムービーを高解像度化する専用HDパックも用意されています。

北米/アジア版用と日本版用ではパックが分かれており、日本版のムービーについては元の映像に焼き込まれている日本語字幕も含まれています。HDパックはアップスケールされた背景画像や再エンコードされたムービーを含む任意の追加データで、導入しなくてもゲーム自体は通常通り動作します。

Windows 10/11とLinux向けに配布

v2.0.0では、Windows 10/11向けのx64 ZIPファイルと、Linux x86_64向けAppImageがGitHub Releasesで配布されています。

Linux版はglibc 2.34以上とFUSE2が必要です。Windows版ではZIPを展開し、実行ファイルと同じ場所に「game」フォルダーを作成。そこへ対応するディスクイメージを配置して起動します。

なお、ゲーム本体のデータはVandal Hearts PC Portには含まれていません。プレイするには、自身が正規に所有している北米版「SLUS-00447」、アジア版「SCPS-45183」、または日本版「SLPM-86007」から作成したRAW形式の「.bin」ディスクイメージが必要です。

「Vandal Hearts PC Port」はコナミやソニーによる公式移植ではなく、HalmyLyseas氏による非商用のファン保存・相互運用プロジェクトです。コナミおよびソニーとは提携しておらず、プロジェクト自体も販売や営利を目的としたものではありません。

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