ファミコンの2D世界を“4次元化”するNESエミュレーター「Warp4D」v1.1.0公開

ファミコンの2D世界を“4次元化”するNESエミュレーター「Warp4D」v1.1.0公開

GitHubユーザーのkandowontu氏は2026年8月23日、ファミコン/NESゲームのスプライトや背景物を4次元形状として投影する、64ビットWindows向け実験的エミュレーター「Warp4D」のv1.1.0を公開しました。

●Warp4D v1.1.0リリースページ
https://github.com/kandowontu/Warp4D/releases/tag/v1.1.0

●Warp4D公式GitHubリポジトリ
https://github.com/kandowontu/Warp4D

今回のアップデートでは、4次元オブジェクトを構成する各シート(投影面)を、それぞれ異なる角度や位相、速度で回転させる「Per-Projection Rotation」が追加されています。

ゲームを3D化するのではなく、スプライトを4次元形状に変換

Warp4Dは、通常のNESゲームを動かしながら、画面内で認識したキャラクターや背景物に4次元投影を加える実験的なエミュレーターです。MesenのネイティブNESコアを組み込んだWinFormsデスクトップアプリとして動作します。

いわゆる「ファミコンゲームを3D化する」ソフトとは仕組みが異なり、ゲーム内容や当たり判定、マップそのものが4次元空間に変化するわけではありません。通常の2Dゲーム画面を維持したまま、スプライトや認識した背景物の周囲に4次元形状を描画する、映像表現上の試みとなっています。

Warp4Dでは、NESスプライトの透明画像をX・Y方向の面として扱い、そこからZ軸とW軸へ形状を展開。スプライトの輪郭をもとに側面も生成します。

生成された形状は、XY、XZ、XW、YZ、YW、ZWという6種類の平面で回転できます。描画時には、まずW軸を利用して4次元から3次元へ投影し、続いてZ軸を利用して3次元からモニター上の2次元映像へ投影する仕組みです。

投影面を別々に回転できる新機能

v1.1.0で追加された「Per-Projection Rotation」は、4次元オブジェクトを構成する各投影面に、それぞれ独立した6平面の回転を適用する機能です。

従来のように各投影面をひとつのまとまった形状として回転させるだけでなく、面ごとに異なる向きを持たせられるようになりました。自動回転機能を利用した場合も、それぞれの面が異なる位相と速度で動作します。

一方、オブジェクトの中央には通常のNESスプライトが残されるため、周囲の形状が複雑に回転している状態でも、ゲーム画面の視認性を保てるように設計されています。

「Per-Projection Rotation」の値を0度に設定すると、各面が一体となって動く従来の表示へ戻すことも可能です。

このほか、Windows向けパッケージの作成処理も改善されました。ビルドに失敗した際、以前作成された古い実行ファイルが誤って再利用されることを防ぐための変更が加えられています。

『Super Mario Bros.』の背景物をまとまった形で認識

Warp4Dには、正確なROMハッシュで識別する『Super Mario Bros.(World)』用のゲームプロファイルが収録されています。

このプロファイルでは、ゲーム内の16×16ドットのメタタイルを組み合わせ、茂みや雲、丘、木、土管、レンガ、ハテナブロック、城、旗などを、ひとまとまりの背景物として認識します。マリオや敵、アイテム、エフェクトについては、動作中のOAMとCHRデータから再構成されます。

『FamiDash』の特定ビルドを識別する処理も用意されており、タイトル画面やステージ選択画面、ゲーム中のスクロール位置を、それぞれの場面に合わせて取得します。

それ以外のゲームでは、ユーザーがタイルを選択して背景物の認識ルールを作成できる「Game Profile」機能を利用可能です。作成したゲーム認識プロファイルは、JSON形式のファイルとしてインポート/エクスポートできます。4次元投影側の設定も、別のJSONファイルとして共有可能です。

単体の実行ファイルとして配布

Warp4Dは64ビットWindowsに対応しており、GitHubの最新リリースから単体の「Warp4D.exe」をダウンロードできます。

実行ファイルには.NETランタイムとMesenコアが内包されているため、利用するパソコンへ.NETを別途インストールする必要はありません。実行時にブラウザーやWebView、Node.js、ローカルWebサーバーなども使用しません。

ROMデータは同梱されていないため、利用者自身が.nes形式のファイルを用意する必要があります。また、Warp4Dは任天堂やMesen開発チーム、各ゲームメーカーによる公式ソフトではありません。

Warp4DはGPL-3.0ライセンスのもとで公開されています。

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