Anbernicより発売されたばかりの携帯ゲーム機『RG35XX Plus』のサンプルを、レビュー用にご提供していただきました。本機はその型番からもわかるように、以前ご紹介した『RG35XX』をアップデートしたマシンとなっています。
最初に結論からいうと、触り始めた当初は思ってたよりもパフォーマンス不足に感じ、ストレスが多い機種だなという印象でした。しかし、その癖を掴んでいくうちに徐々に味が染みこんでいき、いいマシンに思えるようになってきたとい感じです。つまりこれは…スルメタイプのゲーム機なのかも!? というわけで、こちらでは本機のレビューをお届けします!
RG35XX Plusのスペック
そこそこ小ぶりなサイズでありながら、そこそこのゲームを動かすことができた『RG35XX』ですが、『RG35XX Plus』になることで強化されたところがいくつかあります。液晶は3.5インチのIPSで解像度は640×480ピクセルというところは変わっていませんが、CPUは「ATM7039S 4x Cortex A9 @1.6GHz」から「H700 quad-core ARM Cortex-A53、 1.5GHz」に変更。GPUも、「PowerVR SGX544M」から「dual- core G31 MP2」になるなど、内部的には大きく変わっているところも目立ちます。
メモリーもDDR3の256MGBからLPDDR4 1GBに大きくなったことで、エミュレーターの動作にも多少余裕が生まれそうです。スロットはふたつ用意されていますが、OSはLinuxのみとなっており、こちらは使う上でそれほど迷うことはないでしょう。

少し気になったのがサウンド回り、これは音というよりも、音量が音割れするレベルでデフォルトの状態では大きすぎるところです。

カラー | 透明ブラック/グレー/ホワイト | |||
スクリーン | 3.5インチIPS全視野角、OCA全密着/ 640*480 | |||
CPU | H700 quad-core ARM Cortex-A53、 1.5GHz周波数 | |||
GPU | dual- core G31 MP2 | |||
RAM | LPDDR4 1GB | |||
ストレージ | 16GB TF/MicroSD | |||
システム | Linux | |||
WIFI/Bluetooth | 2.4/5G WIFI 802.11a/b/g/n/ac、Bluetooth 4.2 | |||
言語 | 中国語、英語、日本語、韓国語、スペイン語 | |||
スピーカー | 高音質スピーカー | |||
TFカード | デュアル カード スロット、最大 512 GBまで対応 | |||
バッテリー | リチウムポリマーバッテリー3300mAh、8時間持続可能 | |||
充電 | 5V/1.5A、C2C充電器に対応¥ | |||
付属品 | USB充電ケーブル、ボックス、説明書、スクリーン プロテクター | |||
ボックスの仕様 | 長さ15.5cm | 幅 9.9cm | 身長 3.8cm | 重量 0.309kg |
コンソールの仕様 | 長さ 11.7cm | 幅 8.1cm | 身長 2.2cm | 重量 0.186 kg |
今回入手したのは3色用意されているカラーバリエーションの中から、透明ブラックをチョイスしてみました。実際に手にしてみると、漆黒な感じがかなりクールに見えます。手触り感もよく、パフォーマンスとは関係なく思っていた以上の見た目の良さにかなり惹かれました。








シンプルでわかりやすいメニュー構成
『RG35XX Plus』に搭載されているメニューは、シンプルで分かりやすい物になっています。項目としては、「ゲームルーム」、「RAゲーム」、「お気に入り」、「歴史」、「探す」、「設定」の6項目です。このうち「ゲームルーム」と「RAゲーム」はエミュレーターですが、「RAゲーム」はRetroArchのことをさしており、それぞれ微妙に異なる動作をするようになっています。



とくに「RAゲーム」……つまりRetroArchを使っているときに起きやすいのですが、たまに言語が中国語で起動してしまい、コントロールができなくなるということがありました。そんなときは、「設定」から「Retroarc.cfgをリセットします」を選ぶことで、リセットすることができます。



能力を引き出す使い方を探索していくような楽しさがある
冒頭に少し触れたように、最初に本機をいじったときの印象は、かなりいまいちな感じでした。ヘビーな動作をするエミュレーターなどの場合はある程度仕方が無い面があるものの、動作が軽いと思われるファミコンやPCエンジンでもさほどパフォーマンスが出ているように見えなかったからです。
また、画面によっては文字が潰れたようにも見えてしまうところもあり、そちらもいまひとつに感じた部分でした。しかしながら、テストを重ねていくうちにいくつかの癖があることが徐々にわかってきます。
つまり、より深く本機の扱い方が分かっていくうちに、自分の思っているようなパフォーマンスが出せたり、あるいはどこまでが限界でここまでなら快適に遊ぶことができるという線引きもわかってくるようになるのではないか? と考え始めるようになってきたのです。
そのきっかけとなったのが、「ゲームルーム」と「RAゲーム」それぞれからエミュレーターを起動したときに、微妙に動作やパフォーマンスに違いがあることに気付いたときでした。
「ゲームルーム」よりも「RAゲーム」でエミュレーターを起動した方がパフォーマンスが高いことが多い印象ですが、これは単に「ゲームルーム」の上手な活用方法を知らないだけの可能性もあります。
「ゲームルーム」のみの特徴として、画面がフルサイズで表示されることに加えて、走査線などビデオ表示効果もメニューから簡単に変更することができます。「RAゲーム」ではデフォルトでベゼルが表示され、こちらはレトロな雰囲気が出てかなりいい感じになっています。



もうひとつ、「RAゲーム」のみのポイントとして、エミュレーターによっては起動するコアを変更できるようになっています。特定のエミュレーターで動かなかったり、あるいはパフォーマンスが出ない場合でも、コアを変更することで解消することができる可能性もあるというわけですね。

いくつかテストした中で、かなりお気に入りとなったのが『バーチャルボーイ』のエミュレーターでした。こちらはサウンドも素晴らしく、ゴーグルなども不要で遊べるので、かなりいい感じです。
また、ドリームキャストについては当初アナログキーがないことなどもありうまく動かないのではないか? とは思ったものの、ゲームによっては問題なくプレイ出来るものがあることがわかりました。
とくにエミュレーターでは負荷が掛かると言われている『デッド オア アライブ 2』では、オープニングでやや音が途切れることはあるものの、それ以外は大きな問題はありませんでした。また、ゲームプレイも、ほぼ問題なく遊ぶことができました。
このように、どのソフトをプレイしたのか? といったことでも結構印象が大きく変わってくるマシンだということが、徐々にではありますがわかってきました。より時間を掛けていじっていくことで、さらに愛着が湧いてきそうな1台となりそうです。