『スーパーファミコンN64ゲームキューブRAD2Xケーブル』レビュー! ファミコン、スーパーファミコン、NINTENDO64、ゲームキューブを簡単にHDMI化

『スーパーファミコンN64ゲームキューブRAD2Xケーブル』レビュー! ファミコン、スーパーファミコン、NINTENDO64、ゲームキューブを簡単にHDMI化

以前ご紹介した、PlayStation用の『RAD2X』ケーブルですが、新たにAVケーブル端子を搭載した任天堂のゲーム機向け『スーパーファミコンN64ゲームキューブRAD2Xケーブル』を入手しました。対応機種は、AV仕様ファミコン(ニューファミコン)、スーパーファミコン、NINTENDO64、ニンテンドーゲームキューブですが、機種によってはいろいろ違いがあるので、そちらも含めてレビューをしていきます。

各機種での話しに入る前に、少しだけ『RAD2X』ケーブル自体のご紹介をしておきましょう。こちらは、英国のRetro Gaming Cablesから発売されている製品で、今回紹介するもの以外にもPCエンジン、メガドライブ、セガサターン、NEO GEO、PlayStationに対応したモノが発売されています。

RetroTINK2xのテクノロジーが採用されており、ゲーム機に直接接続することでラグ無しで元の240pまたは480iの映像を480pのプログレッシブスキャン映像として出力することができます。

PlayStation用では別途USBで電源供給する必要がありました。しかし、任天堂のゲーム機用では端子はあるものの、電源供給自体は不要です。また、出力側のHDMIはminiHDMIになっているため、それに対応したモノを用意する必要があります。

『スーパーファミコンN64ゲームキューブRAD2Xケーブル』レビュー! ファミコン、スーパーファミコン、NINTENDO64、ゲームキューブを簡単にHDMI化
『スーパーファミコンN64ゲームキューブRAD2Xケーブル』レビュー! ファミコン、スーパーファミコン、NINTENDO64、ゲームキューブを簡単にHDMI化
▲任天堂のAVケーブル端子を搭載したすべてのモデルに対応。

この任天堂のゲーム機用『RAD2X』ケーブルの特徴として、RGBビデオがサポートされています。ゲーム機側がRGBに対応していない場合は、コンポジットビデオの信号から変換されます。また、他の『RAD2X』ケーブル同様に、ジャギーを抑えるスムージングフィルターのスイッチが搭載されています。

『スーパーファミコンN64ゲームキューブRAD2Xケーブル』レビュー! ファミコン、スーパーファミコン、NINTENDO64、ゲームキューブを簡単にHDMI化
▲RGB信号のときは紫のライト、コンポジットの時は黄色いライトが点灯。スムージングのスイッチをONにすると、青いライトが光ります。

ニューファミコン+RAD2X

ファミコンで対応しているのは、後期に発売されたニューファミコンことAV仕様ファミリーコンピュータのみです。初期の赤白ファミコンには、AVケーブル端子がないため、たとえAV化の改造が行われていたとしても利用することはできません。

ちなみに、通常のニューファミコンはコンポジット出力(赤白黄ケーブルと同等の映像)しかできませんが、RGB対応の改造が行われている場合は、そちらにも対応しているそうです。

残念ながらRGB改造されたニューファミコンは所有していなかったため、今回は通常のファミコンで動作チェックしてみました。結果的には、普通にコンポジットで出力したときよりも映像が暗めになってしまうようです。相性はやや微妙といったところ!?

評価:△(RGB改造で上がる可能性も?)

▲映像的には、普通にコンポジット出力されたものをフレームマイスターで表示したほうが絵が鮮明に見えます。
▲スムージングの効果もさほど大きくなさそうです。

スーパーファミコン+RAD2X

スーパーファミコンは、デフォルトの状態でRGB出力に対応しているため、この『RAD2X』ケーブルとの相性もバッチリです。もしかしたら、対応している機種のなかでもっとも相性がいいかもしれません。

今回のテストでは、発色のいい1Chip(SNS-CPU-1CHIP-02)でテスト。ためしにノーマルのスーパーファミコンとも比較してみました。こちらは本体の差が大きく、1Chipのほうはより絵もくっきりして見えて、かなりいい感じですね。

評価:◎

▲左がノーマルのスーパーファミコンで、右が1Chip(SNS-CPU-1CHIP-02)。同じ『RAD2X』ケーブルでも、発色の違いが出ますね。
▲ノーマル機種でのスムージングON・OFFの比較。ややジャギーが抑えられますね。
▲こちらは1Chip(SNS-CPU-1CHIP-02)でスムージングON・OFFの比較をしたもの。

NINTENDO64+RAD2X

NINTENDO64はコストカットのためか、スーパーファミコンにあったRGB出力には対応していません。そのため、通常の本体ではコンポジットの映像が出力されます。・・・・・・が、筆者は以前オークションで入手したRGB改造済の本体を所有していたので、こちらでチェックを行ってみました。

ノーマルのNINTENDO64との比較では、明らかに輝度が上り画面が見やすくなっていますね。ひと言でRGB改造と言ってもいろいろあるかもしれず、また自分自身で改造は行っていないため違いもわかりませんが、参考にしてみてください。

評価:○(ただし要RGB改造)

▲ノーマルのNINTENDO64と、RGB改造した機種での『RAD2X』使用時の比較。RGBは影の処理がちょっと目立ちますが、全体的な発色は綺麗ですね。
▲RGBの本体でスムージングのONとOFFの比較。

ニンテンドーゲームキューブ+RAD2X

ニンテンドーゲームキューブは、ぶっちゃけおまけで『RAD2X』に対応している程度に考えたほうがいいでしょう。欧州で発売されたPAL版ではRGBに対応しているため、『RAD2X』を利用する恩恵を受けますが、それ以外の地域ではコンポジット出力のみの対応になります。

初期型のニンテンドーゲームキューブには、デジタル出力可能な端子があり、D端子などを利用することでかなり綺麗な映像を出力することができます。また、『GCHD』『Insurrection Industries CARBY』などを使うことで、こちらも直接HDMIすることが可能です。

とはいえ、ファミコンやスーファミ、N64と共通のケーブルが利用出来るメリットはあるので、使い分けをするのがいいかもしれませんね!

評価:△

もちろんmClassicとの相性もバッチリ

レトロゲーム機に接続して、HDMIで480pの映像出力ができるということは、当然のことながら以前ご紹介した『mClassic』との相性もバッチリです。『RAD2X』ケーブル単体で使うよりも解像度が上がるため、コンポジット出力の映像も元よりはかなりよく見えるようになります。

▲やはり輝度が低いのが気になるモノの、映像自体はややマシに。
▲1Chipの本体でmClassicを追加。解像度も上がり、さらに映像が良くなりました。
▲RGB本体でmClassicを追加。解像度も上がりかなりいい感じに。
▲『RAD2X』だけでは微妙なゲームキューブも、かなりマシな状態に。

全般的な印象は使い勝手はまずまず

元々任天堂の共通仕様であるAVケーブルに、RGBに対応というオプション機能が加えられているということもあり、全体的な印象としてはまずまず使い勝手がいいといった感じです。中でもスーパーファミコン、とくに1Chipの本体とはかなり相性がいいですね。個々の機種に絞ると、他にも選択肢がありますが、1本持っておいても損はないでしょう。

ABOUT US
アバター画像
高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。