無改造でゲームキューブをドライブレスで使えるようにする『SD2SP2』の使い方のメモ

無改造でゲームキューブをドライブレスで使えるようにする『SD2SP2』の使い方のメモ

ゲームキューブの拡張スロットに差し込むことで、ドライブを使用せずにSDカードに収録したゲームの起動が出来るようになるアイテム『SD2SP2』。とはいっても、プラグ&プレイで誰でも簡単に使えるというものではなく、実際にはかなり多くの準備が必要になります。

実はこちらのアイテムを購入して試してみようと思ったのですが、費用対効果の面から実施することはありませんでした。しかしながら、せっかくリサーチした部分もあるため、そちらの情報共有だけしておきたいと思います。

あらかじめ用意しておくべきもの

『SD2SP2』は、これ単体で利用することはできません。また、シリアルポート2に差し込む形になるため、それらが排除された後期型では利用出来ないので注意しましょう(基本的にゲームキューブは、初期型のほうが拡張性がある仕様)。

SD2SP2 アマゾンで1158円
・アクションリプレイまたはプロアクションリプレイ
ニンテンドーゲームキューブ専用メモリーカード59 アマゾンで999円
SDGeckoなどSDカードが差し込めるゲームキューブ用のメモリーカード
・ゲームキューブ用ゼルダの伝説風のタクト
・SDカードとMicroSDカード
・リッピング用の対応ドライブ(PCでソフトをリッピングする場合)

上記のうち、アクションリプレイとリッピング用のドライブがややコストがかかってしまう部分です。リッピングはPC以外でも、Wiiを改造して行うことも可能です。

なぜ上記のアイテムが必要になるかざっくり解説すると、『SD2SP2』を使うのに『Swiss』と呼ばれるアプリを起動する必要があるのですが、ゲームキューブには強固なプロテクトが施されているため、ハードウェアの改造等を行っていないと起動することができません。そこで利用するのが、ゲームキューブ版の『ゼルダの伝説風のタクト』です。

この『風のタクト』には、データ読み込み時にセキュリティホールがあり、そちらを利用して『Swiss』を呼び出すようにするというのが概略です。

つまり、ドライブレスといいつつも無改造では最低でも『ゼルダの伝説風のタクト』を起動する必要があります。コスト面でも、アクションリプレイとドライブで2万円ほど掛かってしまいます。

なお、今回参考にしたのは、RETRO GAMER氏がYouTubeで公開している動画です。まずはこちらをチェックしてみてください。

手順1:Swissを起動するためのメモリーカードの作成

まず『ゼルダの伝説風のタクト』をハックするためのファイル「WWHack-GC-v1.1.1.zip」を下記からダウンロードします。
https://github.com/FIX94/ww-hack-gc/releases

ダウンロードしたファイルを解凍し、日本版の場合はgzlj.gciを北米版はgzlu.gci、EC版はgzlp.gciファイルを使用します。

続いて、gc-foreverのフォーラムのスレッドより、「brosexec_nihusu_sd2sp2.zip」をダウンロードします。
https://www.gc-forever.com/forums/viewtopic.php?t=3036

無改造でゲームキューブをドライブレスで使えるようにする『SD2SP2』の使い方のメモ

SDカードに、「MCBACKUP」という名前でフォルダを作り、その中にbrosexec_nihusu_sd2sp2.zipを解凍したファイルに含まれている「boot.gci」と「gzlj.gci」を入れます。

下記のサイトの右端にある「Download」より、GCMM自作アプリをダウンロードします。
https://wiibrew.org/wiki/GCMM

ここでダウンロードしたプログラムは、「boot.gci」と「gzlj.gci」をメモリーカードにコピーするためのツールとなっています。そのため、たぶん同じSDカードに入れておく必要があると思われます(たぶんルート?)。

無改造でゲームキューブをドライブレスで使えるようにする『SD2SP2』の使い方のメモ

SDカードをSDGeckoにセットして、本体のスロットAにセット。スロットBにアクションリプレイのドングルをセットしてディスクを入れてアクションリプレイを起動します。メニューからGCMMを起動します

GCMMの画面に切り替わったらドングルを抜き、スロットBにメモリーカード59をセット。Xボタンを押すとSDメモリーの内容が見えるようになるので、先ほどのふたつのファイルをAボタンを押してコピーします。

無改造でゲームキューブをドライブレスで使えるようにする『SD2SP2』の使い方のメモ

コピーが終わったら、メモリーカード59の中身を確認します。空き容量が32ブロックあれば正常にコピー完了です。

Swiss用のSDカードを作成

まず、下記のサイトよりSwissをダウンロードします。
https://github.com/emukidid/swiss-gc/releases

ファイルを解凍し、swiss_rxxx-compressed.dolファイルの名前を、autoexec.dolに変更し、MicroSDカードのルートにコピーしましょう。ゲームキューブ本体のシリアルポート2に、MicroSDカードをセットしたSD2SP2を取り付けます。

続いて『ゼルダの伝説風のタクト』のディスクをセットして起動します。ロード画面の途中でSwissの画面に切り替わると成功です。あとはゲームを選んでプレイすればOKです(当然のことながら、ゲームはあらかじめリッピングしてMicroSDカードに入れておく必要があります)。

ゲームキューブソフトをPCでリッピングする方法

ゲームキューブのソフトをPCでリッピングする方法については、下記のサイトで詳しく紹介されているのでそちらを参考にするのがいいでしょう。

●GC/WiiエミュゲームソフトROM・ISOの吸出し方法紹介!!パソコン・PCドライブでの吸出し設定
https://pcgamer-12.com/archives/300

ざっくり概要を紹介すると、リッピングにはRawdumpというツールを使用します。しかし、こちらのツール、対応ドライブがかなり限られているというのがくせ者になっています。ちなみに対応ドライブは、『GDR-8161B』『GDR-8162B』『GDR-8163B』『GDR-8164B』などで、5000円~2万円とかなり幅の広い値段で売られています。

無改造でゲームキューブをドライブレスで使えるようにする『SD2SP2』の使い方のメモ
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対応ドライブを用意したら、『Rawdump』を起動し、「Select Drive」でドライブを選択。「Dual Layer」にチェックを入れて「Start Dump」を押すと約30~40分ほどでリッピングが終わります。

まとめ

というのが手順になっています。とはいっても、今回は実際には検証は行っていないため、いくつか異なる部分があるかもしれませんのでご了承ください。

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高島おしゃむ
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。