初代『Diablo』をHDグラフィックで楽しめる「DamnationX」が大幅高速化! ブラウザー・Mac向け新版でダッシュ操作も追加

初代『Diablo』をHDグラフィックで楽しめる「DamnationX」が大幅高速化! ブラウザー・Mac向け新版でダッシュ操作も追加

1997年に登場した名作アクションRPG『Diablo(ディアブロ)』を、HDグラフィックで楽しめる非公式プロジェクト「DamnationX」の最新ベータ版「1.6.0 beta 3」が、2026年10月11日に公開されました。

今回のアップデートでは、新たにダッシュ操作とスタミナゲージが追加されたほか、キャラクター表示などの不具合が修正されています。また、前日の10月10日に公開された「beta 2」では、HDグラフィック使用時のパフォーマンスが大幅に改善されました。

現在はWebGPUに対応したブラウザーからプレイできるほか、Apple Silicon搭載Mac向けのデスクトップ版も公開されています。

●DamnationX公式サイト(ブラウザー版)
https://www.damnationx.net/

●DamnationX 1.6.0 beta 3 ダウンロードページ(GitHub)
https://github.com/trygentic/damnationx/releases/tag/v1.6.0-beta.3

●DamnationX 1.6.0 beta 2 高速化の詳細(GitHub)
https://github.com/trygentic/damnationx/releases/tag/v1.6.0-beta.2

●DamnationX GitHub
https://github.com/trygentic/damnationx

初代『Diablo』をHDグラフィックで楽しめる「DamnationX」とは?

「DamnationX」は、初代『Diablo』を現代の環境で動作させるオープンソースプロジェクト「DevilutionX」をベースに開発された、非公式の派生プロジェクトです。

オリジナル版のゲーム内容や見下ろし型の画面構成を維持しながら、HDグラフィックや最新の描画技術を組み合わせているのが特徴です。

HD用の画像素材を導入することで、ダンジョンの床や壁、モンスター、キャラクター、アイテムなどを高精細なグラフィックに置き換えられます。

さらに、WebGPUによる描画エンジンを採用しており、動的ライティングやピクセル単位の照明処理、レイトレーシングを利用した影の表現、ブルーム効果などにも対応しています。

これにより、オリジナル版ならではの雰囲気を残しながら、より現代的なビジュアルで冒険を楽しめるようになっています。

なお、HDグラフィック用のアセットは本体には含まれておらず、利用する場合は別途用意する必要があります。HD表示やライティングなどは設定から切り替えることが可能です。

最新のbeta 3ではダッシュ操作とスタミナゲージを追加!

10月11日に公開された「DamnationX 1.6.0 beta 3」では、新たにダッシュボタンとスタミナゲージが追加されました。

この機能はシングルプレイで標準的に有効となっており、従来の移動操作に加えて、キャラクターを走らせることが可能になります。

ただし、ダッシュ中のプレイヤーを追いかける敵も移動速度が上がる仕組みとなっているため、単純に敵から逃げやすくなるわけではありません。また、攻撃や魔法の発動速度は従来のままとなっています。

ダッシュボタンはゲームプレイ設定から非表示にすることも可能です。なお、マルチプレイでのダッシュについては、ネットワーク上での状態同期が必要なため、現時点では無効化されています。

このほか、ブラウザー版におけるチャットの文字表示や折り返し処理の不具合が修正されました。

HDグラフィック使用時のウォリアーについても、装備の違いや街での歩行に応じた画像の選択処理が改善されています。対応するHD画像が存在しない場合は、従来のグラフィックを代わりに表示する仕組みです。

HDグラフィック使用時の処理速度も大幅に改善!

今回のbeta 3に先立って公開された「1.6.0 beta 2」では、HDグラフィック使用時のパフォーマンスが大幅に改善されました。

開発者によると、従来のバージョンではHDアセットを有効にするとフレームレートが低下し、場面によっては大きなカクつきが発生していたとのことです。

そこで描画処理を見直し、CPU側で行っていた画像処理やGPUへのデータ転送を最適化しました。

Apple M4 Maxを搭載した環境で、Chromeを使用して1920×1080ドットのHD描画を検証したところ、次のような結果が得られています。

測定項目beta 1beta 2
垂直同期有効時54fps60fps
フレームレート制限なし68fps155fps
1フレームの処理時間(制限なし)14.6ms6.5ms

特にフレームレート制限を解除した状態では、68fpsから155fpsへと2倍以上に向上しています。

また、HD表示する床の描画処理に必要なデータ転送量も、1フレーム当たり約15MBから約0.27MBへと大幅に削減されました。

従来はCPU側で処理していた一部の作業をGPU側へ移すなど、描画方法そのものを見直したことが高速化につながっています。

さらに、HD画像の読み込み処理やデータ転送のタイミングも改善され、プレイ中に発生する一時的なカクつきの軽減も図られています。

ただし、これらは開発者が特定の環境で測定した結果であり、すべてのPCやブラウザーで同じパフォーマンスが得られるわけではありません。

ブラウザーとApple Silicon搭載Macでプレイ可能

「DamnationX」は現在、WebGPUに対応したブラウザー版と、Apple Silicon搭載Mac向けのデスクトップ版が公開されています。

ブラウザー版は公式サイト「damnationx.net」から利用でき、必要なゲームデータを選択することで起動できます。

一方、Mac向けのデスクトップ版は、M1以降のApple SiliconとmacOS 26以降の環境が必要です。GitHubのリリースページからZIPファイルをダウンロードできます。

なお、本プロジェクトには『Diablo』本編のゲームデータは含まれていません。

製品版をプレイするには、正規に入手した『Diablo』に含まれる「DIABDAT.MPQ」が必要です。オリジナルのCD-ROM版のほか、GOG.comやBattle.netで購入したバージョンのデータも利用できます。

また、シェアウェア版の「SPAWN.MPQ」を使用すれば、製品版を所有していなくてもシェアウェアに収録された範囲をプレイすることが可能です。

このほか、『Diablo II』や『Diablo II: Resurrected』を所有している場合、それらのサウンドを取り込んで使用する機能も用意されています。

WindowsやAndroidへの対応も準備中

今回のbeta 3では、WindowsやLinux向けのネイティブWebGPUビルド環境に加え、Android向けのSDL3/Vulkanを利用したビルド環境も追加されています。

ただし、これらは開発や動作検証のためのものであり、今回のリリースにWindows、Linux、Android向けの実行ファイルは含まれていません。

また、最大4人によるオンライン協力プレイを想定したロビー機能も用意されていますが、公式サイトのブラウザー版では、公開ゲーム一覧の表示と実際のゲームへの参加機能がまだ接続されていません。自分でホストするブラウザー版についても、現時点ではシングルプレイのみの対応となっています。

このように、まだ開発途中のベータ版ではあるものの、グラフィックのHD化だけでなく、描画性能や操作性についても着実に改良が進められています。

初代『Diablo』を現代の環境で、より高精細なグラフィックとともに楽しみたい人にとっては、注目のプロジェクトといえそうです。

ABOUT US
アバター画像
retrogamer