PS2のゲームランチャーをHTML/CSSで作れる「OPHTML v0.10.0」公開。USB・MX4SIOなどに対応予定

PS2のゲームランチャーをHTML/CSSで作れる「OPHTML v0.10.0」公開。USB・MX4SIOなどに対応予定

PlayStation 2向けのユーザーインターフェースをHTML/CSSで設計できるオープンソース・ツールチェーン「OPHTML」のv0.10.0が公開されました。今回のバージョンでは、作成したUIを実際のゲームランチャーとして利用するための「ophtml.elf」が追加され、通常のGitHub Releaseからダウンロードできるようになっています。GitHub上では2026年9月26日15時35分公開となっています。

OPHTMLは、Web制作で使われているHTMLやCSSを利用してPS2向けのUIを構築するというユニークなプロジェクトです。ただし、PS2本体が直接HTMLやCSSを解析しているわけではありません。PC側でレイアウトやテキスト処理などを行い、最終的にPS2向けの「.uib」形式へ変換。それをC99で書かれた小型ランタイムからgsKitを利用して描画する仕組みになっています。

●OPHTML v0.10.0 GitHub Release
https://github.com/coffeedevsolutions/OPHTML/releases/tag/v0.10.0

●OPHTML Console launcherドキュメント
https://coffeedevsolutions.github.io/OPHTML/runtime/console-launcher/

v0.10.0で汎用ゲームランチャー「ophtml.elf」を追加

これまでのOPHTMLでは、作成したUIそのものをPS2上に表示することはできても、ストレージからゲームを探し出したり、選択したゲームを実際に起動したりする部分については、それぞれのアプリ側で実装する必要がありました。

v0.10.0では、そうした処理を担当する汎用的なconsole launcherとして「ophtml.elf」が追加されています。GitHub ReleaseからPS2実機用の「ophtml.elf」とCIテストなどに使われる「ophtml-mock.elf」、さらにSHA-256チェック用の情報を入手できるようになりました。これまで「ophtml.elf」はCIの成果物として配布されており、入手期間などにも制限がありましたが、正式なRelease Assetとして配布される形に変わっています。

ランチャーにはUSBストレージやexFAT形式の内蔵HDD、MX4SIO、MMCEを利用したストレージを扱うための処理が実装されています。それぞれのドライブからOPLと同様の「DVD/」「CD/」フォルダーをスキャンし、見つかったISOイメージをゲーム一覧としてテーマ側に渡す設計です。

ゲームを選択すると、PS2向けのゲームローダー「Neutrino」へ処理を引き渡して起動する仕組みになっています。つまりOPHTML側はゲーム一覧の取得やUI表示、選択操作を担当し、実際のゲーム読み込みにはNeutrinoを組み合わせる形です。

HTML/CSSでランチャーの見た目を作れる

OPHTMLの面白いところは、こうしたゲームランチャーの見た目をHTML/CSSをベースに設計できる点です。

テーマでは「game-0」「game-1」といったゲーム行や、「game-0-title」「sel-title」などの領域を用意しておくことで、ランチャー側が検出したゲームタイトルやメディアの種類、使用しているストレージなどの情報を自動的に流し込む仕組みになっています。テーマに必要のない項目は省略することも可能です。

作成したテーマは「ps2ui build」で.uib形式へ変換できるほか、「ps2ui check」でランチャーとの互換性を確認したり、「ps2ui serve –console」を利用してPCのブラウザー上でサンプルゲームを表示しながら操作をプレビューしたりすることもできます。

ツールチェーンはWindows、macOS、Linuxでの利用が想定されており、Python 3.9以上やNode.js 18以上などが必要です。開発者によると、現状ではLinux環境がもっともツール面で安定しているとのことです。

rendererはPS2実機で確認済み。ただしランチャーは別

ここで注意しておきたいのが、PS2実機での動作確認状況です。

開発者はRedditで、OPHTMLの描画を担当するrendererについてはSCPH-50000の実機で検証しており、6画面構成のOPL風ゲームブラウザーを動作させたと説明しています。つまり、HTML/CSSから作られたUIをPS2実機上で描画するというOPHTMLの基本部分については、実機での検証実績があります。

しかし、今回v0.10.0で公開された「ophtml.elf」のconsole launcherについては状況が異なります。

GitHub Releaseでは、ランチャーについてエミュレーター上のCIでは起動しているものの、PlayStation 2実機ではまだ動かしていないと明記されています。また、実機上でドライブをマウントしたり、ゲームを実際に起動したりするテストについても未完了で、用意されている8項目のハードウェアテストはすべて未検証の状態です。

そのため現時点では、USBやMX4SIOなどを使ったゲーム起動まで「PS2実機で動作確認済み」と考えないほうがよさそうです。v0.10.0は、必要な機能を実装したうえでコミュニティによる実機テストを募っている、かなり実験的な段階のリリースと見るのが適切でしょう。

APA/HDL形式のHDDには現時点で未対応

ストレージについてもいくつか制限があります。

内蔵HDDについて現時点で想定されているのはexFAT形式のみで、PS2で従来から利用されてきたAPA/HDL形式のHDDには対応していません。また、ゲームごとの個別設定機能についても、現在のランチャーにはまだ実装されていません。

今後のロードマップには、カバーアートへの対応、ゲームごとの設定、Homebrew ELFを並べるAPPSリスト、APA HDD対応などが挙げられています。開発者はすでにv0.11.0にも取り組んでおり、コミュニティから実機テストの結果やフィードバックを募集しています。

PS2のHomebrewというとCなどを使った開発のイメージが強いですが、Web制作でおなじみのHTML/CSSからゲームランチャーの外観を設計できるというのは、なかなか興味深いアプローチです。

まだ実機ランチャーとしては実験段階にあるものの、今後テストが進み、ストレージやゲーム起動まわりの安定性が確認されれば、PS2用フロントエンドのカスタマイズ方法を大きく広げるツールになる可能性があります。

via.Reddit

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