実験的なドリームキャストエミュレーター「Deecy」の最新版となるv0.6.3が、2026年9月9日に公開されました。今回のアップデートでは、新たにゲーム別設定(Game specific settings)が追加されたほか、CHDファイル内のCD-ROM XAを扱えるようになっています。後者については、リリースノートでMIL-CD向けの対応であることが明記されています。
このほかLinux環境では、開発をしやすくするためにシリアルポートを公開する機能が追加されました。また、細かな不具合修正や調整、最適化なども行われています。
●GitHub リリース(v0.6.3)
https://github.com/Senryoku/Deecy/releases/tag/v0.6.3
ゲームごとに個別の設定を持たせることが可能に
今回のv0.6.3で追加された機能のひとつが、「Game specific settings」です。これにより、すべてのゲームで同じ設定を使用するだけではなく、ゲームごとに個別の設定を持たせられるようになりました。タイトルによって設定を切り替えたいときに利用しやすい機能といえそうです。
ただし、今回公開されたリリースノートでは、ゲーム別設定の対象となる項目について詳しい説明は行われていません。そのため、どの設定をタイトル単位で変更できるのかについては、実際のバージョンで確認する必要があります。少なくとも今回のアップデートでは、ゲーム単位で設定を管理する仕組みそのものが新たに追加された形です。
MIL-CD向けCD-ROM XAをCHDファイルから扱えるように
もうひとつの注目ポイントが、CHDファイルに収録された「CD-ROM XA」への対応です。Deecyのリリースノートでは「Support for CDROM XA (Mil-CDs) in CHD files」と記載されており、MIL-CDで利用されるCD-ROM XAをCHD形式から扱えるようになっています。
CHDは「Compressed Hunks of Data」の略で、CD-ROMやハードディスクなどのメディアイメージを保存するために利用されているフォーマットです。
なお、今回発表されているのはあくまでも「CHDファイル内のCD-ROM XAへの対応」です。MIL-CD全般の互換性が大幅に向上したことや、すべてのMIL-CDが動作するようになったことを意味するものではありません。
Linuxでは開発向けのシリアルポート公開機能も追加
Linux版では、開発用途を想定した機能としてシリアルポートを公開できるようになりました。「–scif」オプションを指定することで、シリアルポートを「/tmp/deecy/scif」へパイプすることができます。DeecyのREADMEでは、「dcload-serial」を利用したプロトタイピングに役立つ機能として紹介されています。
Deecyは、Zigで開発されている実験的なドリームキャストエミュレーターです。今回のv0.6.3では、ゲームごとの設定管理やMIL-CD関連のCHD対応など、実際の利用方法に関わる機能が追加されました。細かな修正や最適化も継続して行われており、今後のアップデートにも注目したいところです。















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